【MUSIC LIFE CLUB】クラシックロック・ニュースVol.10
 

NEWS 2018 No.10 (3月30日発行)

ミュージックライフ・クラブ・ニュース第10号です。週2回、クラシック・ロックに特化したニュースをお届けします。どうぞお楽しみください。
 

■アーティスト・ニュース

ポール・マッカートニーがカタログ4タイトルをリイシュー

2013年発売のアルバム『New』と2005年の『ケイオス・アンド・クリエイション・イン・ザ・バックヤード』、そして1977年の『スリリントン』に加え、ウイングスのコンピレーション・アルバム『ウイングス・グレイテスト・ヒッツ』が5月18日にCD(輸入盤はデジパック、日本盤のみ初の紙ジャケット仕様)とアナログ盤(180g盤LP/黒盤)でリイシューされます。『NEW』と『ケイオス〜』のアナログ盤LPが発売されるのはオリジナル盤発売以来初になります。
コレクターにとって最も魅力的なのが『スリリントン』(写真)で、これはマッカートニーが1971年にリリースしたLP『ラム』の収録曲をオーケストラ演奏でアレンジした作品ですが、その直後にウイングスを結成したため、1977年まで発売されませんでした。マッカートニーは、アルバムのクレジットにパーシー“スリルズ”スリリントンという偽名を使い、クリント・ハリガンというペンネームで書いたライナーノーツには、友人だったイギリス社交界の名士に関する物語を作り上げて書いていました。マッカートニーは、スリルズの年代記を掲載した新聞広告まで持ち出し、当時スリリントンはマッカートニーだと考えられていましたが、彼は1989年までそれを認めませんでした。
さらにUNIVERSAL MUSIC STORE限定で、『New』がピンク、『ケイオス〜』がゴールド、『ウイングス・グレイテスト・ヒッツ』が青、『スリリントン』が赤と黒のマーブル柄というように、4枚全てがカラー・ヴィニールとしても入手可能。争奪戦必至です。
それぞれ購入はこちらから
国内盤CD(初の紙ジャケット&SHM-CD仕様)
LP(黒盤)
LP(カラー・ヴィニール)

ガンを克服したロニー・ウッドが再びツアーに

2017年に肺ガンの手術を受けたローリング・ストーンズのロニー・ウッドからガンが消え、本人が一番驚いているようです。ガンが見つかったのは片方の肺だけで、化学療法は必要なかったとの事。70歳になって考え方を変えたウッドは、次のようにジョークを飛ばしています。
「(あれだけヘヴィ・スモーカーだったのに)両方の肺が爆発もせず、ガンが片方の肺だけで済んだなんて奇跡だよ。俺は素晴らしい人生を送ってきたし、死ぬ覚悟はできていたんだ。こんなに長生きできるチケットが頂けるなんてビックリさ。とんだ執行猶予だね」 その執行猶予期間をフルに利用し、ウッドは5月22日からストーンズとヨーロッパ・ツアーに出発します。

ブルース・スプリングスティーンが『The Album Collection Vol.2』を発売

1987年から1996年までのブルース・スプリングスティーンのアルバムを収録した新しいアナログ盤ボックスセットが5月18日に発売されます。
シリアルナンバーが付いた限定版の『The Album Collection Vol.2, 1987-1996』には、5タイトルのLP: Tunnel of Love (1987), Human Touch and Lucky Town (1992), In Concert / MTV Plugged (1993), The Ghost of Tom Joad (1995)と、2枚のEP: Chimes of Freedom (1998)とBlood Brothers (1996)の他、この期間に撮影された写真や記念品を掲載した60ページの本が入っているとのこと。初めてアナログで発売される『Blood Brothers』は、E・ストリート・バンドとのレコーディング・セッションを記録したドキュメンタリー・ビデオと共に以前CDで発売されています。

■耳寄り情報①

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レッド・ツェッペリン結成50周年記念メモリアル・セット、絶賛発売中!
コージー・パウエル メモリアル・セット(3点セット)も絶賛発売中!
ともに限定セットなのでお早めにお買い求めください。
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「The Long and Winding Road」のアレンジ代は40ポンド

1970年に発売された『Let It Be』はビートルズのラスト・アルバムとなり、収録曲の「The Long and Winding Road」は全米1位を獲得した彼らのラスト・シングルになりました。しかし、この曲と「I Me Mine」の編曲を手掛けたリチャード・ヒューソンには1曲につき40ポンドしか支払われず、彼のアイディアに反対していたポール・マッカートニーとの確執が1年にも及んでいたこと最近になってわかりました。
ヒューソンはBBCとの最近のインタビューで次のように語っています。
「僕は“I Me Mine”と“The Long and Winding Road”のアレンジ代として合計で80ポンドしかもらわなかったけど、彼らは少なくとも4,000万ポンド(約59億6800万円)は稼いだだろうね。実は、彼らがあんなに大物だったなんて、当時は知らなかったんだ。もちろん、ビートルズの名前は聞いたことがあったけど、あのレコードが発売された時も、あんなに大ヒットするなんて思いもしなかったよ」
ヒューソンは、女優のジェーン・アッシャーの兄であるピーター・アッシャーとジャズ・トリオを結成し、ジェーンとマッカートニーが恋人同士だったことから、ポールと出会いました。
 「リハーサルでピーターの家に行ったら、そこにポールがいたんだ。ウェールズのフォークシンガー、メリー・ホプキンを発掘したのがポールで、彼はメリーとレコードを作りたがっていたけど、いつものルートを通じて普通のアレンジャーを使いたくなかったんだ。そしたらピーターが、リチャードなら編曲できるかもしれないからトライしてみたら?って、ポールに言ったのさ。でも、僕はジャズマンだし、ポップ・ミュージックの知識もなければ、好きでもなかった。ダスティ・スプリングフィールドって、カウボーイだと思っていたくらいだからね」
だが、当時のマネージャーだったアラン・クレインが、「Let It Be」には更なるアレンジが必要だと判断し、ヒューソンにポールがアレンジを拒否した楽曲の編曲を依頼したのですが、ヒューソンはそれがポールとの論争の火種になったと語っています。
 「クレインがフィル・スペクターを起用したんだけど、“The Long and Winding Road”に大規模なオーケストラを入れたいと言い出したのがフィルでね。最初はピアノとベースだけで演奏していたけど、フィルが“くだらない!”と言って却下したんだ。フィルは、ジョンがこの曲をやりたくないから、わざと台無しにしたと思ったのさ」
スペクターは、20人のヴァイオリニストにハープとコーラスを入れたがっていたそうですが、マッカートニーは、このシングルが発売されるまで何も知らなかったようです。
その後ヒューソンは、クリス・レア、ダイアナ・ロス、ハービー・ハンコックらとのコラボも手掛けましたが、ポールのみならずプロデューサーのジョージ・マーティンともトラブルになり、実際マッカートニーは、ヒューソンにウイングスの仕事を依頼するまでの1年間、連絡を絶っていたそうです。「ポールはほとぼりが冷めたから連絡してきたんだろうね。それに、結局あの曲は大ヒットしたし、ポールはオーケストラとツアーしたんだから、それほど悪い結果じゃなかったと思うよ」

公開されたばかりのボウイ像に早くも落書き !?

アイルズベリーのマーケット・スクエアに設立されたデヴィッド・ボウイのブロンズ像が、公開から48時間も経たないうちに落書きに囲まれてしまいました。銅像正面の地面には“Feed the homeless first”(銅像に金を使うよりホームレスに食事を)とスプレーで書かれ、銅像の背後の壁には、2か所に“RIP DB”(デヴィッド・ボウイよ、安らかに)とスプレーで書かれていました。その模様を撮影した写真からは、塗料がボウイ像の土台部分にまで及んでいることがわかります。
ボウイ像の発案者で、設立資金のキャンペーンを行った地元のプロモーター、デヴィッド・ストップ氏は、地元のラジオ局に次のように語っています。
 「こんな事が起きるなんて本当にガッカリしました。僕が現場に到着した時は今よりもっと酷い状態で、今までずっと後処理に追われていたのです。落書きは銅像の後ろの壁と歩道だけでなく、銅像自体にも塗料が付着していました。ホームレスに関する落書きでしたが、私はホームレスに対してかなりの支援をしているので、あの落書きは皮肉としか言えません。この銅像には、一銭の公的資金も使われていないのです。もし、溶剤とタワシで銅像の落書きを消そうと思っている方がいらっしゃったら、ブロンズが傷むのでおやめください。明日、銅像の制作者が来て、ガスバーナーで銅像を炙り、その後ワックスをかけ直します。それしか方法がないのです。おそらく明日には元通りになるはずです」

プリンスの死因となった高濃度のフェンタニル

2016年の4月に他界したプリンスの死因は、フェンタニルというオピオイド系鎮痛剤の過剰摂取だとされているが、『Associated Press』が入手した薬物中毒に関する報告書により、死亡時のプリンスの体内にどのくらいのフェンタニルが残っていたのかが明らかになりました。
医療関係者によると、プリンスの体内から検出されたフェンタニルは危険なほど高濃度になっており、慢性的な痛みを緩和するためにフェンタニルのパッチを貼っている患者と比べても、彼の血中から検出されたフェンタニルの量は極めて多かったそうです。
報告書のデータによると、プリンスの体内におけるフェンタニルの血中濃度は1リットルあたり67.8マイクログラムで、1リットルあたり3~58マイクログラムでも致死量に価すると言われているレベルよりも高く、プリンスの肝臓から検出されたフェンタニルの濃度も1キロあたり450マイクログラムと、過剰摂取や致死量を表す基準値の69マイクログラムより遥かに高いものでした。
また、プリンスの胃からも致死量となりえるフェンタニルが発見され、プリンスは口からもフェンタニルを摂取していたとみられています。

エース・フレーリーがジーン・シモンズのオーストラリア・ツアーに参加

pic: KOH HASEBE / Music Life / Shinko Music

二人の関係に浮き沈みがあったのは確かですが、ジーン・シモンズと元KISSのメンバー、エース・フレーリーは最近の再会を楽しんでいるようで、実際フレーリーはシモンズのオーストラリア・ツアーに参加することになりました。
シモンズは、自身のロック生活50周年を記念した『ジーン・シモンズ:ザ・ヴォールト・エクスペリエンス』という高額なボックス・セットを発売し、今年からソロでヴォールト・ツアーをスタートしましたが、先日も元KISSのドラマー、ピーター・クリスが登場しています。
シモンズとフレーリーが16年ぶりにステージで共演したのは、昨年9月のチャリティ・コンサートでしたが、フレーリーは今年2月にもシモンズのヴォールト・エクスペリエンスのイベントに登場し、さらにオーストラリアのヴォールト・ツアーにも参加することになったようです。

■耳寄り情報②

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*4月14日、『MUSIC LIFE CLUB』(同日公式ウェブサイトもオープン)の発足を記念して、同日にMLC主催の二つの記念イベントが行われます。

1)4月14日(土):東京/渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
MUSIC LIFE CLUB presents LEGEND OF ROCK〜Thanx Cozy Powell , Tribute to Rainbow〜
(レインボーとマイケル・シェンカー・グループのトリビュート・バンドのライヴ演奏ほか、トークイベントが行われます)

2)4月14日(土):東京/羽田 TIATホール
MUSIC LIFE CLUB presents THE QUEEN DAY Vol.04〜JAZZ リリース40周年記念〜
(クイーン・トリビュート・バンド、Gueenのライヴほか、トークタイムではクイーンの初期ディレクター松林氏と『8ビートギャグ』作者シマあつこさんが登壇します)
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■書籍/雑誌発売情報

◎絶賛発売中
・『麗しき70年代ロックスター伝説 8ビートギャグ・リターンズ』シマあつこ(著)
・『UFO フィーチュアリング:マイケル・シェンカー
・『BURRN! 2018年04月号』(表紙・特集:マイケル・シェンカー・フェスト)
・『MUSIC LIFE ジョンとヨーコのバラッド
・『YOUNG GUITAR 2018年04月号』(表紙・特集:ランディ・ローズ)
・『BURRN!叢書 19 クラシック・ハード・ロック ディスク・ガイド』¥3,024
・『レジェンダリー・ギタリスト 特集●ラリー・カールトン』¥2,592
・『レッド・ツェッペリン 全活動記録 1968-2007』マーク・ロバーティ(著)前むつみ(訳)¥4,860 (2,000部完全限定)
・『ヒプノシス全作品集』オーブリー・パウエル(著)迫田はつみ(訳)¥5,400 (2,000部完全限定)
・『どうしてヘヴィ・メタルを好きにならなかったんだろう』市川哲史(著)¥1,620
・『スティーリー・ダンとギタリスト』¥1,944
・『レジェンダリー・ドラマー 特集●コージー・パウエル~永遠のロック・ドラム・ヒーロー~[増補改訂版]』¥2,952
・『CROSSBEAT Special Edition マニック・ストリート・プリーチャーズ』¥2,160

◎これから出る本
・『ミュージック・ライフが見たチープ・トリック』¥3,024 4/4発売
・『ミュージック・ライフ完全読本』¥1,944 4/12発売
・『ハード・ロック時代のゲイリー・ムーア』¥2,700 4/19発売 
・『BURRN!PRESENTS アルティメット・アイアン・メイデン』¥1,118 4/19発売

MUSIC LIFE CLUBとは?

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MUSIC LIFE CLUB、ツイッター始めました。
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ザ・ビートルズ、レッド・ツェッペリン、クイーン、キッス、ジャパン、デュラン・デュランなどのロックスターと共にポピュラー・ミュージックの歴史を作り上げた伝説の音楽雑誌、ミュージックライフ。そんな雑誌と青春を過ごした方を対象にした洋楽ファンの会員組織が“MUSIC LIFE CLUB”です。

2018年4月14日にオフィシャルHPが立ち上がり、60年代~80年代のロック・アーティストの様々な情報と、かつての『MUSIC LIFE』に掲載された記事や写真が掲載されます。同時に会員登録した方には、60年代~80年代のロック・アーティストの最新のCDリリース、コンサート&イベント情報、おすすめエンタテイメント情報が定期的に配信されます。

また、MUSIC LIFE CLUB主催による様々なイベントも決まっています。オフィシャルHP、メールマガジン、イベントなどなどで、永遠に愛すべき60年代~80年代のロック・アーティストの様々な情報を楽しんでください。
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