ポール・サイモンが大嫌いな曲

pic: KOH HASEBE / Music Life / Shinko Music
先週5月19日(土)に行われたオレゴン公演の観客は、珍しく自虐的になったポール・サイモンの姿を目にすることとなりました。

会場のファンがその模様を撮影し、ビデオが公開されています。

サイモンは「The Cool, Cool River」(1990年のアルバム『The Rhythm of the Saints』収録)の演奏中に歌詞を忘れてしまったのですが、いくら76歳とはいえ、28年も歌っている曲の歌詞を忘れるはずもなく、ましてや高齢の歌手がライヴで歌詞を忘れないためにテレプロンプターを使うのは常識の範囲内であるため、不可解なアクシデントでした。

歌詞を度忘れしたサイモンは「誰か歌詞を覚えてない?」とバンドに呼びかけた後、バンドのメンバーに促され、曲に戻って最後まで演奏しましたが、全く悪びれる様子もありませんでした。

しかし、その直後から雲行きが怪しくなります。

「さっきの曲で歌詞を忘れちゃったから、次は大嫌いな曲を歌って自分にお仕置きするよ」

ローディーがサイモンにアコースティック・ギターを手渡すと、今度はバンドに向かってジョークを飛ばしました。

「演奏したけりゃすればいいし、したくなかったらしなくていいよ」

そして観客に「この曲、大嫌いなんだよ」と言い、数人のバンド・メンバーと、「The 59th Street Bridge Song(Feelin’ Groovy)」の短いヴァージョンを演奏しましたが、曲の最中で「I hate this song(この曲大嫌い)」と自虐的に歌い、観客の笑いを誘っていました。

この曲は、サイモン&ガーファンクルの1966年のアルバム『Parsley, Sage, Rosemary and Thyme』に収録されていますが、去年『The Late Show With Stephen Colbert』という番組に出演したサイモンは、この曲が大嫌いだと実際に暴露していました。

この公演の後、サイモンが自分に更なるお仕置きを科したのかどうかは不明です。

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