2023年11月5日(日)@東京・有楽町 I'M A SHOW

「秋のクイーン・デイ × GUEEN秋のリサイタル」イベント・レポート

2023年11月5日(日)に東京・有楽町I'M A SHOW(アイマショウ)で開催された「秋のクイーン・デイ」のイベント・レポートが参りました。お越しいただいたみなさま誠にありがとうございました。ご参加になれなかった方は、次回こそぜひ!
秋のクイーン・デイ × GUEEN秋のリサイタル

・2023年11月5日(日)16:00開演
・会場:東京・有楽町I'M A SHOW(アイマショウ)
・出演
ライブ・パフォーマンス:GUEEN
トーク・ゲスト:今泉圭姫子(ラジオDJ/音楽プロデューサー)
構成・進行:石角隆行(クイーン研究家)

─────────────

文◉石角隆行(クイーン研究家)

秋のクイーン・デイ × GUEEN秋のリサイタルが11月5日(日)に東京・有楽町I'M A SHOW(アイマショウ)で開催され、集まった400人のオーディエンスとオンラインで視聴したファンを沸かせた。

クイーン・デイは例年、4月17日の “クイーンの日” 近辺に開催されているが、コロナ禍の2020年、春(4月)から秋(11月)に開催を延期。これを機に秋にも開いて欲しいという要望が高まり、フレディ・マーキュリーの追悼イベントとして2021年秋に「秋のクイーン・デイ」を初開催。3回目となった今回は、初めて会場を羽田空港から有楽町にお引っ越し。毎年秋に開かれているGUEENさんの「秋のリサイタル」とコラボレーションしての開催となった。


〈第1部/トーク・コーナー〉
イベントは第1部と第2部の二部構成。第1部のトーク・コーナーには、9月5日(フレディ誕生日)に書籍『青春のクイーン、永遠のフレディ 元祖ロック少女のがむしゃら突撃伝』(弊社刊)を出版したラジオDJ/音楽プロデューサーの今泉圭姫子(いまいずみけいこ)が登壇。司会進行はクイーン・デイのプロデューサーでもある石角隆行(クイーン研究家)が担い、先ずは今泉のクイーンとの出会いを訊ねる。当時、西城秀樹や郷ひろみが好きだった今泉、クイーンを知るきっかけは、TVで郷ひろみが歌っていたクイーンの「Stone Cold Crazy」を聴き、クイーンにたどり着いたそう。ここで石角が持参した郷ひろみヴァージョンの同曲をサプライズで流し(配信ではオンエアせず)、今泉や会場を沸かせた。今泉が最初に体験したクイーンのコンサートは1976年3月31日の日本武道館。スクリーンに映し出された当時のセットリストをみながら初クイーン体験の思い出を話す。

今泉は1978年にラジオ関東『全米トップ40』のアシスタント公募に合格し、以来、スヌーピーの愛称でラジオDJの活動を続けてきた。1981年11月にリリースされた『グレイテスト・ヒッツ』ではライナーノーツを担当し、活動の幅をラジオから雑誌メディアにも拡げる。メンバーとは、ラジオ番組の取材でブライアンやロジャー、ジョンとは会ったがフレディとは1985年の来日時が初。折しもソロ・アルバム『Mr. バッドガイ』リリースのタイミングでもあり、取材はソロ・アルバムについて語るのが中心だったそう。ここで会場にフレディとのインタビュー音声が流され、集まったお客さんは大喜び。

今泉は1986年7月12日(土)にロンドン、ウェンブリー・スタジアムで行なわれたマジック・ツアーのライヴも鑑賞。同夜に行なわれた打ち上げにも参加し、めくるめく有名ミュージシャンらが集ったパーティの模様を紹介。さらに今泉は1988年10月10日にロンドンのコベント・ガーデンで開かれたアルバム『バルセロナ』のプレス発表会にも取材で現場に行く。しかし関門はフレディとモンセラート・カバリエの前に立ちはだかる背の高い外国人記者たち。このままだと見えない!と機転をきかし、なんと記者の足の下から匍匐前進で最前線にたどり着いたそう。そんなエピソードの披露に会場も大爆笑。そしてこの突撃インタビューの貴重な音声の一部、フレディの生声を場内に流し、30分のトーク・コーナーは終了。熱い拍手に見送られ、今泉圭姫子がステージを降りた。


〈第2部/ライヴ・パフォーマンス〉
GUEENはこれまで2回の秋のクイーン・デイに出演してきたが、いずれも小編成のアコースティック・スタイル。今回は「秋のリサイタル」とのコラボレーションということもあり、秋では初めてのフル編成での参加となった。
 
冒頭スクリーンにはカウントダウンのメモリーが表示される。60秒を切るとGUEENの映像が映し出され、心臓の鼓動のようなバス・ドラムが会場に静かに鳴り響く。オープニングは『クイーン II』収録の「プロセッション」だ! しかも生演奏。そこへ『Hello Tokyo! GUEENです!』とザンドラ・ローズ風の白鷺ルックに身を包んだフレディ波多江が、なんと客席から表れる。この意表を突いた登場に客席も大喜び。そのままステージに上がり、曲は「タイ・ユア・マザー・ダウン」に。
『ハロー! エヴリバディ! クイーン・デイにお越しの皆さんありがとうございます!』のMCに続いて、ピアノのきれいなイントロから始まったのは「フリック・オブ・ザ・リスト」。この勢いで「バイシクル・レース」に続く。中間部はGUEENのライヴ恒例、チャリベル(自転車ベル)・タイム。メンバー全員が前に出てきてチャリベルを客席に配布。フレディ波多江の「リン・リン・リリン」に応じてお客さんもベルを鳴らすという、チャリベルのコール&レスポンスを披露。オーディエンスも実に楽しそうに参加し、最後は『You are Good Rnger!』と客席を称え、再び曲に戻る。

5曲目に演奏したクイーン名義最後のシングル「ノー・ワン・バット・ユー」(1997)はフレディの歌唱パートがない曲だ。GUEEN版ではブライアンのパートをブライアン慎也(G)が、ロジャー・パートを山田アンソニー(B)で歌い分ける。
「秋のクイーン・デイ」は例年フレディの命日に近い日に開催され、みんなでフレディを偲ぶメモリアル・イベントでもある。続いて演奏されたのはフレディのソロ曲(後にクイーンで再録音)、「メイド・イン・ヘヴン」。フレディ波多江は黒シャツとベストにお召し替えステージに表れる。ベストの絵柄は「輝ける日々」のMVでフレディが着用していた猫が刺繍されたもの。美しいメロディを朗々と歌い上げるフレディ波多江のヴォーカルを聴きながら、猫ちゃんベストを見て涙ぐむ古参ファンも。

他のメンバーがリード・ヴォーカルを歌っている間は、フレディ波多江の衣装チェンジの時間。「地獄へ道づれ」では「愛という名の欲望」のMVでフレディが着ていた白いダメージ加工のノースリーヴTシャツに黒のレザーパンツ、「アイ・ウォント・イット・オール」では、1979年のライヴキラーズ・ツアー時のコスチュームでもある黒のレザー・ジャケットに黒のポリスキャップ姿。「Radio Gaga」からは黄色いジャケットにミッキーT、ライン入り白パンと、マジック・ツアーでお馴染みのコスチューム。なんと、約2時間のライブのあいだ、5回も早着替えをみせ集まったオーディエンスを沸かせた。

この夜のGUEENは、誰もが知っているヒット・ナンバーに加え、サード・アルバム(1974)までのいわゆる初期ナンバーもしっかり披露する。第1部のトークで今泉圭姫子がクイーン好きになるきっかけとなった「ストーン・コールド・クレイジー」(同作収録)や、「ライアー」(1stアルバム収録)。さらに初期のコンサートのエンディング曲「神々の業(リヴィジテッド)」(3rdアルバム収録)といったレア楽曲の演奏には古参クイーン・ファンも大喜び。「神々の業」のエンディング・パートの “WoWoLa La La” では、お客さんが右腕を大きく左右に振っての大合唱。感動的な盛り上がりをみせた。これにはフレディ波多江も『クイーン・デイに来られる客さんは、クイーン・ファンの中でもエリート! マニアックなトーク付のイベントのお集まり頂いたエリート・ファンの皆さま、ありがとうございました!』と称えた。

GUEENの良さはクイーンのスタジオ音源をライヴで再現すること。冒頭の「プロセッション」やエンディングの「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」といった本家でレコード音源を流すところでも、生演奏する。「ボヘミアン・ラプソディ」もしかり。イントロのアカペラから中間部のオペラ・コーラスまで録音音源は使わず。ずべて生演奏にこだわる。初めてGUEENを観た人にはちょっと驚きだ。しかもメンバーがプロの仕事に携わっているので、演奏技術のレベルは高い。でも、随所でお客さんを爆笑の渦に巻き込む。あくまでも基本姿勢は “お笑い”。これこそがGUEENのGUEENたるゆえんだ。全てはエンターテインメントに徹するので、最後までお客さんを楽しませる。ラストの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」では全員が大合唱し会場の熱気を最高潮に盛り上げ、ド迫力のパフォーマンスを締めた。

次回のクイーン・デイは2024年4月13日(土)に羽田空港TIAT SKY HALLで開催が予定されている。出演者など詳細情報は年明けに当サイトで発表予定。

〈GUEENセットリスト〉

1. プロセッション
2. タイ・ユア・マザー・ダウン
3. フリック・オブ・ザ・リスト
4. バイシクル・レース
5. ノー・ワン・バット・ユー            
6. メイド・イン・ヘヴン
7. リヴ・フォーエヴァー
8. 地獄へ道づれ
9. 愛という名の欲望        
10. アイ・ウォント・イット・オール    
11. ドント・ストップ・ミー・ナウ
12. ストーン・コールド・クレイジー    
13. ライアー        
14. 神々の業(リヴィジテッド)
15. トゥー・マッチ・ラヴ・ウィル・キル・ユー    
16. Radio Ga Ga
17. ボーン・トゥ・ラヴ・ユー    
19. ウィ・ウィル・ロック・ユー    ↓
20. 伝説のチャンピオン
21. ゴッド・セイブ・ザ・クイーン
青春のクイーン、永遠のフレディ 元祖ロック少女のがむしゃら突撃伝

青春のクイーン、永遠のフレディ 元祖ロック少女のがむしゃら突撃伝

2,200円

今泉圭姫子:著
青春のクイーン、永遠のフレディ 元祖ロック少女のがむしゃら突撃伝

今泉圭姫子著『青春のクイーン、永遠のフレディ 元祖ロック少女のがむしゃら突撃伝』購入特典ミニステッカー3枚セット付

クイーン グレイテスト・デイズ 366日の記憶

クイーン グレイテスト・デイズ 366日の記憶

2,200円
『クイーン詩集 完全版』

クイーン詩集 完全版

3,300円

山本安見(訳)
クイーン 誇り高き闘い

クイーン 誇り高き闘い

3,520円

ジャッキー・スミス/ジム・ジェンキンズ(著)
田村亜紀(訳)
クイーン 輝ける日々の記憶 浅沼ワタル写真集

クイーン 輝ける日々の記憶(要・別途送料)

通常盤:3,300円
SMRS直販・特典付:3,300円 送料として別途880円
この記事についてのコメントコメントを投稿

この記事へのコメントはまだありません

クイーン 華麗なる世界 UPDATED EDITION

クイーン 華麗なる世界 UPDATED EDITION

4,000円
QUEEN in JAPAN

QUEEN in JAPAN

2,200円
『フレディ・マーキュリー ⾃らが語るその⼈⽣』

フレディ・マーキュリー ⾃らが語るその⼈⽣(通常版)

2,750円
MUSIC LIFE 特集●ブライアン・メイ/QUEEN

MUSIC LIFE 特集●ブライアン・メイ/QUEEN

3,190円

RELATED POSTS

関連記事

LATEST POSTS

最新記事

ページトップ