60年代のヒット曲「ポエトリー」のシンガー、ジョニー・ティロットソンが86歳で死去

『ミュージック・ライフ』1964年12月号の表紙を飾ったジョニー・ティロットソン。
60年代のヒット曲「Poetry in Motion」(邦題「ポエトリー」)や、「It Keeps Right On A-Hurtin’」(邦題「涙ながらに」)で知られるカントリー・ポップ・シンガー/ソングライターのジョニー・ティロットソン(Johnny Tillotson)が4月1日、ロサンゼルスの自宅にてパーキンソン病のため86歳で死去しました。
 
妻のナンシーがSNSで訃報を伝えており、次のように綴っています。
 
「私が出会った中で最も優しく親切だったジョニー・ティロットソンが、昨日この世を去り、天国に旅立ったことを悲しみと共にお伝えいたします。彼は私の最愛の人で、私の王国の英雄であり、私の心の騎士でした。平凡な生活の中におとぎ話が生まれると誰かが言っていましたが、私は彼に出会ったその日に、自分のおとぎ話を手に入れました。彼は愉快で寛大で思いやりがあり、根っからの紳士でした。彼はファンを愛し、ファンに感謝し、ファンが自分の夢を叶えてくれたと言っていました。彼に代わり、再度皆様にお礼を申し上げます。
ジョニーの人生は、音楽界での並外れた功績で彩られていました。60年代のティーン・アイドルとして、代表的ヒット曲「Poetry in Motion」で世界中のファンの心をつかみ、この曲は世界中のチャートのトップに躍り出ました。彼のソングライティングの腕前は、不朽の名曲「It Keeps Right On A-Hurtin‘」で明らかになり、同曲はエルヴィス・プレスリー、ディーン・マーティン、コンウェイ・トゥイッティ、ボビー・ダーリンをはじめとする112人以上のアーティストにカヴァーされ、深く共感を呼びました。ジョニーは音楽の旅で多数のアルバムを録音し、世界中で数千万枚ものレコードを売り上げ、グラミー賞に2度ノミネートされ、紛れもない才能を証明しました」

1938年にフロリダ州ジャクソンヴィルで生まれたジョニーは、高校時代に才能ある歌手としての評判を築き、1958年に自身が作詞作曲したデビュー・シングル「Dreamy Eyes」をリリースしました。

1959年に大学を卒業した後、音楽キャリアを積むためにニューヨークへ移り、1961年の大ヒット曲「Poetry in Motion」や「Without You」、1962年の「It Keeps Right On A-Hurtin’」、1963年の「Talk Back Trembling Lips」を含め、1958年~1971年にかけて合計31枚のシングルがビルボード・ホット100チャートにランクインしました。

日本では、「Poetry in Motion」が1964年にヒットし、同シングルのB面曲「Princess Princess」が1963年にヒット、同年伊東ゆかりが「Cutie Pie」(シングル「Without You」のB面曲)をカヴァーしたことでジョニーの人気が高まり、ジョニーが1965年に英語と日本語でカヴァーした坂本九の「涙くんさよなら(Goodbye Mr. Tears)」は、オリジナル曲よりもヒットしました。

なお、1962年の「It Keeps Right On A-Hurtin’」がグラミー賞の「最優秀カントリー&ウェスタン・レコーディング賞」に、1965年の「Heartaches by the Number」が「最優秀コンテンポラリー(R&R)・男性ヴォーカル・パフォーマンス賞」にノミネートされています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
商品詳細
ジョニー・ティロットソン 
『You're the Reason:Best of MGM Years』


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