「可愛いベイビー」の歌手、コニー・フランシスが87歳で死去

商品詳細 コニー・フランシス『Connie Francis Sings Second Hand Love & Other Hits』
Amazon Music(APR 10 1962)
1962年に日本で大ヒットした「Pretty Little Baby」(邦題「可愛いベイビー」)や「Vacation」で知られる歌手で女優のコニー・フランシス(Connie Francis)が7月16日、87歳で死去しました。

彼女のマネージャーが訃報を伝えており、公式の死因は発表されていませんが、フランシスはここ数か月深刻な健康問題を抱え、自身のフェイスブックで「痛みを伴う股関節への過度の負担を避けるため、車椅子生活を送っている」と報告していました。
1937年にニュージャージー州ニューアークで生まれたフランシス(本名コンチェッタ・ロザ・マリア・フランコネロ)は、幼少期にアコーディオン奏者/歌手としてタレントコンテストに出場し、1950年にはアーサー・ゴッドフリーのラジオ/TV番組『Arthur Godfrey’s Talent Scouts』に出演していました。

1955年に高校を卒業した後、一連のデモ・レコードを録音し、同年MGMレコードと契約、1957年にカントリー歌手マーヴィン・レインウォーターとのデュエット曲「The Majesty of Love」でささやかな成功を収めた後、同年リリースしたカヴァー曲「Who’s Sorry Now」がUSチャートで4位を記録する大ヒットになり、その後もヒット曲を連発したランシスは、スターの地位を確立しました。

中でも、1960年にリリースした「Everybody’s Somebody’s Fool」(邦題「恋には弱い」)では、米ビルボード・シングル・チャートで第1位を獲得した史上初の女性ソロ・アーティストになりました。

このほか、1958年の「Stupid Cupid」(邦題「間抜けなキューピッド」)、「My Happiness」「I’m Sorry I Made You Cry」、1959年の「Lipstick On Your Collar」(邦題「カラーに口紅」)、「Among My Souvenirs」、1960年の「My Heart Has a Mind of Its Own」、1961年の「Where the Boys Are」(邦題「ボーイ・ハント」)、1962年の「Don’t Break The Heart That Loves You」(邦題「泣かせないでね」)なども大ヒットし、世界各国でヒット曲がカヴァーされ、日本では弘田三枝子、伊東ゆかり、中尾ミエらが日本語でカヴァーしていました。

なお、1962年のアルバム『Connie Francis Sings “Second Hand Love”』に収録された「Pretty Little Baby」は、アメリカではシングル・リリースされておらず、1962年に漣健児訳詞による中尾ミエのカヴァー・ヴァージョンが「可愛いベイビー」として日本で大ヒットし、フランシス本人も日本語ヴァージョンを歌っていました。

この曲は今年5月、コニーのオリジナル・ヴァージョンがTikTokで話題になり、キム・カーダシアンやカイリー・ジェンナーらの動画や、数百万ものアカウントで使用され、TikTokで250億回以上再生されたことで、新たな世代のファンを獲得しています。

また、フランシスは女優としても活躍し、1960年の米ラブコメ映画『Where the Boys Are』(邦題『ボーイ・ハント』)で主役を務めました。

フランシスのレコーディング・アーティストとしての成功は、60年代初頭のブリティッシュ・インヴェイジョンの到来と共に衰えたものの、彼女のシングルは1973年までチャートにランクインしていました。

しかしながら、1974年にNY州ロングアイランドのモーテルで暴力事件の被害に遭い、うつ病を発症、1981年にレコーディングとライヴ・パフォーマンスに復帰しましたが、うつ病のため長時間続けることが出来ず、結果的に精神病院に入院しました。

その後、1984年に初の回顧録『Who’s Sorry Now』を出版し、同書は『ニューヨーク・タイムズ』紙のベストセラー・リストに掲載され、2017年には、2冊目の回顧録『Among My Souvenirs (The Real Story)』を出版しましたが、2018年に引退し、フロリダに移住していました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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