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リック・スプリングフィールド『Working Class Dog』の犬ロニーは大きな音を聞くと噛み付く
インタヴューはキャリアが大きく羽ばたくことになったかつてのドラマ出演の話からスタート。
「『ジェネラル・ホスピタル』がテレビで放送されたのは、確かに大きな出来事だった。あのドラマに参加する前は通りを歩いていても誰も気づいてもらえなかったのに、2週間後にはみんなが注目してくれ始めたんだ。そういう意味では、かなり影響力があったと思う。それに、その時期にヒット曲をリリースできたのも大きなメリットだった。でも同時にそれは、諸刃の剣だったとも思う」
「僕は音楽の道を追求するために1971年にオーストラリアからやって来たんだ。当時、演技には全く興味なかった。 70年代半ば、あくまで生活費を稼ぐために俳優の世界に入ったんだ。でも演劇教室の仲間は役者になる前はアルバイトで苦労していたんだから、本当に青臭い考えだったと思う。でも、運良く俳優として働き始めることができたわけで、本当にラッキーだった。ちゃんとした仕事に就いたことがなかったからね……」
そして話はアメリカへ渡る前、母国オーストラリアでの音楽活動の話へ。
「(スマッシング・パンプキンズの)ビリー・コーガンのポッドキャストで、僕がオーストラリアでやっていたズート(Zoot)っていうバンドの話をしてくれたんだ。オーストラリアではすごくサイケデリックだった。いわゆるサイケデリック・ロック。ヒット曲はあったけど、よくあるバンドの一つに過ぎなかった。でもその後、ベーシストがリトル・リヴァー・バンドを結成したし、ヴォーカルはオーストラリアで大物テレビ俳優になった。だから、当時はまだ小さなシーンだったけど、(その後メンバーがぞれぞれ出世したことから)“逆スーパーグループ” みたいなものだったんだ」
「そうそう。“エリナー・リグビー” をアレンジしたんだけど、ブラック・サバスのリフっぽい感じなんだよね。YouTubeで “Eleanor Rigby - by ZOOT” って検索してみて。あれはオーストラリアで一番ヒットした曲だった。でもバンドは解散した。でも、みんなそれぞれ自分の道を歩んでいった。そして2025年、僕は20枚以上のアルバムを経てこうやってここにいる。本当に素晴らしいよ」
昨年の夏、リックはリチャード・マークスとダブル・ヘッドライン・ツアーを開催。当初、それぞれのセットで演奏して最後に少しだけ共演、というスタイルだったようですが……。
「アコースティックっぽい感じだったね。(はじめのうちは)二人は別々にセットリストを組んで、彼が1セット、僕が1セット、最後に2曲くらいやるっていう感じだった。でも彼とは84年か85年くらいから知り合いだから。せっかくだし『全部一緒にやろうよ』って提案したんだ。それで、僕たちが2人ともステージに立って、お互いの曲を演奏するっていう形になって、それがすごく気に入ってた。ほとんどおしゃべりしたり、ジョークを飛ばしたり、ネタを作ったりしてる。それが今ではみんなのショーの一番のお気に入りの部分みたいだね」
そして話題はフー・ファイターズのデイヴ・グロールと共作をした話へ。『サウンド・シティ』は2013年にグロールが監督を務めた、ロサンゼルスにあるレコーディング・スタジオの歴史を追ったドキュメンタリー作品で、リックは錚々たる顔ぶれの中の一人として出演。
「ドキュメンタリーはなかなか売れない作品だと思う。でも、彼は素晴らしい仕事をしてくれた。本当に素晴らしい、それで曲を作ることになったんだ。どうやらニルヴァーナがそこで『ネヴァーマインド』をレコーディングして、それが彼の人生を変えたっていう話で。僕のマネージャーが70年代にサウンド・シティを所有していたこともあってね」
「デイヴが僕たち全員を集めて、せっかくだからみんなで一緒に曲を書こうってことになった。それで僕はフー・ファイターズと一緒に “The Man That Never Was” っていう曲を書いたんだ。本当に本当に素晴らしい曲なんだよ」
そして話は、彼もサウンド・シティへ出入りしていた当時へ。犬ジャケの傑作として名高い『Working Class Dog』から、話はその犬ロニーへ。ギタリストのニール・ジラルドに悲劇……とロニーが襲いかかります。
「僕の犬のロニーは──『Working Class Dog』写っている犬──シャツとネクタイをした白黒のブルテリアなんだけどさ。彼はワンマン犬で、音が苦手だったんだ。ニールがアンプのヴォリュームを最大にすると、ロニーはニールの股間に歯を立てて噛みついたんだよね。ロニーは気の強い子だった。今で言えば訴訟問題だけど、彼は他にも何人かの股間に噛み付いてるんだ。当事者にとっては楽しいことではなかったろうけど」
リック・スプリングフィールド
『Working Class Dog』
Amazon(2006/7/25)輸入盤CD
最後に、最新の編集盤『Big Heads Volume 2』についても。
「ここ20年間の中でもベストだと思ってる。最近書いた曲は初期の作品よりも良いと思うけど、それは単に作曲家として成長したからというだけだ。あなた方のような今でもロックを流すラジオ局はあるけど、昔ロックをかけていた局では、もうロックをかけなくなってしまってる。つまり……ヒット曲を作る唯一の方法はラジオでたくさんかけられることだったのにね。音楽の方向性が変わったように感じるよ。流される価値があると思う曲はたくさん書いたけど、昔みたいにリピート再生されることはない。でも、曲を書いたりレコーディングしたりするのは好きだし、今でも音楽を作り続けてる。実は今、新しいアルバムの曲を書いているところなんだ。ずっとやってきたし、大好きなことだし、それで成功したのは嬉しいけど、でもそれが始めた理由じゃない。好きだったから始めたんだ。そう、最高だよ」
リックは現在もライヴ・ツアーを続けており、2024年には44公演、2025年には61公演を行なってきました。2026年もその手始めとなる、フェス出演も含めた8公演がすでに決定しています。
March 7: Dallas, TX @ Mesquite Arena
March 8: Lake Charles, LA @ L'Auberge Casino Resort
April 10: Immokalee, FL @ Seminole Center
April 15: Charleston, SC @ The Charleston Music Hall
April 18: Tiffin, OH @ The Ritz Theatre
May 28: Auburn, WA @ Muckleshoot Casino Event Center
May 30: Napa, VA @ Uptown Theatre Napa
Aug. 23: Gatlinburg, TN @ The Mountain Music Festival
Rick Springfield
『Big Hits:Rick Springfield’s Greatest Hits, Vol. 2』
Amazon(2025/2/14)輸入盤CD
Rick Springfield
「Lose Myself」
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Rick Springfield
『Automatic』
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Rick Springfield
『Orchestrating My Life』
Amazon(2019/5/3)輸入盤CD
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