「Under Pressure」をパクった「Ice Ice Baby」を聴いたフレディ・マーキュリーのリアクション

pic: KOH HASEBE / Music Life / Shinko Music
サンプリングは音楽文化に深く根付いた音楽技法ですが、90年代初期、クイーンのヒット曲「Under Pressure」のベースラインが、ヴァニラ・アイスのヒット・シングル「Ice Ice Baby」に盗用されていました。

それを知ったフレディ・マーキュリーのリアクションについて、長年彼のアシスタントを務めたフィービ・フリーストーンがブログに綴り、フレディのオフィシャルサイトにも転載されています。

フリーストーンによると、マーキュリーが初めて「Ice Ice Baby」を聴いた時、本当に「Under Pressure」だと思ったそうですが、事実を知ると、怒るというよりは困惑していたと言います。

「フレディが朝食の手を突然止めて眉をひそめたから、僕はてっきり食事に問題があったのかと思ったんだ。そしたらあの曲にじっと聞き入って、自分の耳が信じられないと言っていたよ。酷いパクリだ、って笑っていたけどね」

この曲の大ヒットで一躍有名になったヴァニラ・アイスですが、数々の作り話や経歴詐称が発覚し、その後何年も嘲笑の的となりました。

最終的にクイーンのメンバーは、「Under Pressure」の共同作曲者であるデヴィッド・ボウイと共に「Ice Ice Baby」のクレジットに載りましたが、心中穏やかではなかったようです。

「フロリダ出身の白人ラッパーね……最高じゃん」と、ドラマーのロジャー・テイラーは皮肉り、ギタリストのブライアン・メイも、「ラップに魅力は感じない」と偏見を滲ませていました。

しかし無許可でサンプリングを行ったことで訴えられたヴァニラ・アイスが数年後に敗訴すると、メイの気持ちも和らぎ、1993年のインタビューでは、次のように語っています。

「アイスは裁判で清算したんだから、もう彼に対して嫌な気持ちはないよ。それに、あの曲のおかげで、今までクイーンを一度も聴いたことのなかった大勢の人たちに僕らの曲を宣伝できたしね」

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