ブライアン・メイとロジャー・テイラーが映画『ボヘミアン・ラプソディ』に残したかった名場面

ブライアン・メイが〈Classic Rock〉に語ったところによると、映画の中でメイが最も気に入っている場面は、フレディ・マーキュリーが、他のメンバーにソロ・アルバムを作ると告げるシーンだといいます。

「あのシーンの演技は素晴らしいよ。脚本にはなかった演技がたくさんあるけどね。それに、あのシーンを見ると、とってもフレディらしいなって思うんだ。タバコをふかしながら静かに話して、あまり言葉に出して言いたがらない。実際にフレディはそうだったよ。いつもの素っ気ない態度でね。でも、彼の不安な気持ちは伝わってくるんだ」

「これはちょっとした裏話だけど、あのシーンは映画からカットされそうになったんだよ。映画って、シーンを少しでも短くしようとするのが常だからね。でも、あの場面のリアル感は胸をえぐられるほどグッとくるから、どうしても残しておきたくて、ロジャーと頑張ったんだ。実際のシーンでは本当に辛かった。フレディが家族を捨てるようなものだったからね」

また、メイを演じたグウィリム・リーが、バイオリンの弓でギターを弾く場面がトレーラー映像の中に出てきますが、メイが弓でプレイした事は一度もなく、あのシーンは実際の映画には出てこないといいます。

「あのトレーラーを制作したスタッフたちは、自分たちが独自にストックしていたフィルムを使ったから、面白い事に、トレーラーに出てくる映像の大半は、映画では使われてないんだ。グウィリムがバイオリンの弓でギターを弾いてるシーンは、実験的にいろいろ試していた時の一部を撮影したもので、その時、僕はあそこにいなかったしね。それに、あのトレーラーを見た時は、“そんな事やってないだろ～”って思ったよ。ギターを弓で弾くなんて、真似したことさえないからね。あれをやるのはジミー・ペイジであって、僕じゃないよ。トレーラーを作ったスタッフは、気に入ってたけどね。ま、あのシーンは映画には出てこないよ」