アメリカン・ルーツ音楽を奏でるSSWレオン・レッドボーン、69歳で死去

ヴォードヴィルや、ラグタイム、ジャズ、ブルースなどのアメリカン・ルーツ・ミュージックの演奏でキャリアを積んだシンガー・ソングライターのレオン・レッドボーンが、5月30日にペンシルバニアで亡くなりました。享年69。死因は明らかにされていません。

レッドボーンは、出自については多くを語らず、謎の多い人物でしたが、60年代半ばにキプロスからカナダへ渡り、本名のディックラン・ゴバリアン(Dickran Gobalian)からレオン・レッドボーンへ改名しています。

1972年にカナダで開催されたマリポサ・フォーク・フェスティバルでボブ・ディランと出会い、1975年にはワーナー・ブラザーズから『On the Track』をリリース。この作品は日本でもアメリカン・ルーツ・ミュージックを再発見するアルバムとして、ライ・クーダーやマリア・マルダーなどのファンに大人気でした。

その後もコンスタントにアルバムをリリースして来ましたが、2014年の『Flying By』が最後のスタジオ・アルバムとなり、2015年に音楽界から引退していました。レオン・レッドボーンのトレードマークは、パナマ・ハットとサングラス、黒いネクタイで、アルバム・ジャケットに写る彼は一目でわかるものでした。

1978年には来日公演も行っており、その時の前座は細野晴臣でした。現在アメリカで細野の過去作が初めて発売され、ちょうどいまアメリカ公演を行っているこのタイミングでのレッドボーンの死、不思議な縁を感じさせます。

ご冥福をお祈りします。

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レオン・レッドボーン
アルバム・ディスコグラフィ


[Studio Albums]
On the Track (Warner Bros. 1975)
Double Time (Warner Bros. 1977)
Champagne Charlie (Warner Bros. 1978)
From Branch to Branch (Atco 1981)
Mystery Man (Accord 1982)
Red to Blue (Sugar Hill 1985)
Christmas Island (Blue Thumb 1987)
No Regrets (Blue Thumb 1988)
Sugar (Rounder 1990)
Up a Lazy River (Blue Thumb 1992)
Whistling in the Wind (Private Music 1994)
Any Time (Rounder 2001)
Flying By (August 2014)
Long Way from Home: Early Recordings (Third Man 2016)

[Live Albums]
Leon Redbone Live (Green Stone 1985)
Live! (truncated version of 1985 release) (1994)
Live & Kickin' (Purple Pyramid 1999)
Live – October 26, 1992: The Olympia Theater, Paris, France (Rounder 2005)
Strings And Jokes Live In Bremen 1977 (Moosicus 2018)

 

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