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モンキーズ60周年記念ツアーを展開するミッキー・ドレンツ、自身の立ち位置を語る

現在80歳のミッキー・ドレンツは、今年で結成60周年を迎えるTV生まれのグループ:モンキーズ最後の生存メンバーとして、1月30日にリリースされた新たなコンピレーション『The A's, The B's & The Monkees』(1966〜70年発表のシングル曲を網羅した作品)を皮切りに、『60 Years of the Monkees 』と銘打ったツアーを2月12日のカリフォルニア州ソラーナ・ビーチから行なっています(上記動画はその時のもの)。このツアーを開始する前、ドレンツがモンキーズの音楽についてUSAトゥデイ紙に語りました。
LA公演が行なわれた9月12日は、1966年に米NBCで『ザ・モンキーズ・ショー』がプレミア公開された記念日で、ドレンツはこの日に当時のエピソードを披露することと、ヒット曲を年代順に披露することを約束していました。

ドレンツは1983年、大ファンだったエヴァリー・ブラザーズのコンサートに足を運び、ヒット曲の数々を彼らと一緒に歌いながら、こう考えたそうです。「もし自分がステージに戻った時に、モンキーズの曲を歌ってくれって頼まれたら、僕は労力を惜しんだりメドレーでお茶を濁したりせずに、どの曲も必ず全部通して歌おうって。その時の誓いを今でも守っているんだよ、アレンジメントやオープニングのリックや、フックに至るまでね」

愛くるしい童顔でパーカッションを振っていたフロントマンのデイヴィー・ジョーンズは2012年、66歳で亡くなり、ベース兼キーボード奏者のピーター・トークは77歳で2019年に、ギタリストでソングライターだったマイク・ネスミスも78歳で2021年に、それぞれこの世を去りました。たったひとりのモンキーとしてステージに立っていれば、きっと感情が溢れ出してしまう瞬間もあるだろうとドレンツは認めます。
 
「もちろん僕はこれまでに散々、悲嘆に暮れるプロセスを経験して来たんだけど、何と言うか、彼らはまだこっち側の世界にいるんだ。僕がショウをやる度に、彼らは必ずそばにいるんだよ。(パフォーマンス最中に今は亡きバンドメイトたちのかつての映像が目に入ったら)やっぱり思わず胸が詰まってしまうかも知れないね」
 
グループとそのレガシーに対しては、ドレンツは現実主義とロマンティシズムの両方を常に持ち続けています。
 
「僕は長年、モンキーズがバンドであるという誤った認識を払拭しようと努めてきた。あれはミュージカル・コメディ・シットコム(シチュエーション・コメディ)だったんだよ」

彼は自らがドラマーとしてキャスティングされていたことに対しては何も問題はなかったそうで、バンドのヒット曲の大半でヴォーカルを担当していたものの、自分たちの音楽を聴くことはほとんどありませんでした。「もう10歳の女の子や男の子じゃなかったんでね」
 
「僕は熱狂的なビートルズ・ファンだったんだよ。ジ・アニマルズ、ストーンズ、オーティス・レディングも大好きだった。いわゆるブルーズ・ロッカー・タイプだったんだ」と彼は言います。とは言え、人々に愛され続けている「I’m a Believer」や「Pleasant Valley Sunday」といった曲は「いまだに歌っていて楽しいよ」と語ります。
 
「本当に優れた曲とは何でできているかってことが理解できるようになってきたんだ。ある時ふと思ったことがあったんだよ。どうして僕はいまだにこの曲をこんなに好きでいられるんだろう? その理由は、それがキャロル・キングやニール・ダイヤモンド、ボイス&ハート、ハリー・ニルソン、ポール・ウィリアムズ、デヴィッド・ゲイツといった錚々たる一流ソングライターたちによって書かれていたからさ」

80年代のMTVにおいて『ザ・モンキーズ・ショー』の再放送によってモンキーズは驚くべき大復活を果たしましたが、ほぼ時期を同じくして誕生した “ロックの殿堂” には、あれだけの商業的な成功を収め、カルチャーへの影響や活動歴の長さにおいても申し分ないにもかかわらず、未だザ・モンキーズに対して殿堂入りのお声はかかっていません。これについてはこう語っています。
 
「あれは元々ごくプライヴェートなひとつの社交場に端を発したものだからね。そういう田舎の社交場では往々にしてあることだけど、彼らは自分たちが仲間に入れたいと思う人間は誰でも受け容れるし、逆に仲間に入れたくないと思えば、あくまで門前払いすることが許されているんだよ」
 
それよりも彼が誇りに思っているのは、モンキーズが1967年に “Outstanding Comedy Series”(傑出したコメディ・シリーズ)とコメディ・ディレクターの2部門で受賞したエミー賞です。「僕にしてみれば、あれと比べればロックの殿堂入りなんて全然大した話じゃないんだよ」
 
トークとネスミスはしばしばあからさまに苛立っている様子を見せることがありましたが、ドレンツ自身はこれまで「一度も」モンキーズの一員であることに不満を抱いたことはないと言います。
 
「まあそりゃ、時には顔と名前が知られてることで不自由もあったし、有名人ってだけで嫌がらせを受けたり、尾けられたり、訴えられたり脅されたりっていう経験もしたよ」と、彼は笑いながら言います。「このトシになったって、レストランで座ってメシを食っていたりすると、店の反対側から大声で叫ばれることがある。『おい、モンキー、こっち来ねえか! うちの女房のためにナプキンにサインしてくれよ』なんてね」
 
現在の彼はパフォーマンスもレコーディングも楽しんでおり、2021年にはマイクの息子、クリスチャン・ネスミスがプロデュースを務めた『Dolenz Sings Nesmith』(ドレンツ、ネスミスを歌う/2021年3月19日MLCニュース)もリリースしています。ドレンツはロードを止める気はないようですが、ここ最近は「やるべきことをもう少し絞り込むように」なっていると言います。「平たく言えば2時間の仕事のために22時間かけて通勤してるようなものだからね。移動は嫌いなんだけど、僕は旅費を払ってもらって、タダで歌を提供するって考えるようにしてるんだ。その償却の発想に到達してからは、前より随分やりやすくなった気がするよ。ショウは楽な部分なんだ。だからplayって言うんだよね、きっと」
 
ファンからはまだまだ要望が絶えません。「しょっちゅう色んなことを言われてるよ、『モンキーの映画を作らなきゃ、ドキュメンタリーを作るべきでしょう』とかね」とドレンツは言いますが、現在の彼はモンキーあるいはモンキーズという商標に対する「所有権は一切ない」のだそうです。それでも、その一翼を担って来られたことに対しては「とてもとても感謝しているよ」と彼は言います。「おかげでこんなどえらい人生を送ることができたからね」
商品詳細
ザ・モンキーズ
『The A's, The B's & The Monkees』


Amazon Music(JAN 30 2026)
Amazon(2026/1/30)輸入盤・CD
●CD 1
1. Last Train to Clarksville (Single Version)
2. I'm a Believer (Single Version)
3. A Little Bit Me, a Little Bit You (Single Version)
4. Pleasant Valley Sunday (Single Version)
5. Daydream Believer (Single Version)
6. D.W. Washburn (Single Version)
7. Porpoise Song (Theme from 'Head') [Single Version]
8. Tear Drop City (Single Version)
9. Listen to the Band (Single Version)
10. Good Clean Fun (Single Version)
11. Oh My My (Single Version)
●CD 2
1. Take a Giant Step (Single Version)
2. (I'm Not Your) Steppin' Stone [Single Version]
3. The Girl I Knew Somewhere (Single Version)
4. Words (Single Version)
5. Goin' Down (Single Version)
6. Tapioca Tundra (Single Version)
7. It's Nice to Be with You (Single Version)
8. As We Go Along (Single Version)
9. A Man Without a Dream (Single Version)
10. Someday Man (Single Version)
11. Mommy and Daddy (Single Version)
12. I Love You Better (Single Version)

※海外における公演の多くにおいては、オーディエンスによる携帯での撮影、そしてその画像・動画のアップロードがアーティスト側にプロモーションの一環として了承・推奨されている場合が多いため、MUSIC LIFE CLUBではそういった情報も掲載しています。

商品詳細
Micky Dolenz
『Dolenz Sings Nesmith』


Amazon Music(MAY 21 2021)
商品詳細
Micky Dolenz
『Demoiselle』


Amazon Music(APR 14 2023)
商品詳細
ザ・モンキーズ
『The Best of The Monkees』


Amazon Music(2003/4/23)
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