モンキーズのソングライター、ボビー・ハートが86歳で死去
左からボビー・ハート、トミー・ボイス。
商品情報 トミー・ボイス & ボビー・ハート「Alice Long(You're Still My Favorite Girlfriend)」
Amazon Music(JUN 22 1968)

「大変悲しいお知らせですが、モンキーズの数々の楽曲を手掛けたデュオの片割れで、ソングライティングの達人であるボビー・ハートが亡くなりました。ボビーは、パートナーのトミー・ボイスと共に “I Wanna Be Free”(邦題 “自由になりたい”)や “Last Train to Clarksville”(邦題 “恋の終列車”)、モンキーズの象徴的なテーマ曲など数多くの曲を共作し、またソロのソングライターとして、リトル・アンソニー&ジ・インペリアルズのヒット曲 “Hurt So Bad” などを手掛けました。彼は、並外れた才能と持ち前の精神性で人々の記憶に残ることでしょう」
ボビー・ハート(本名 Robert Luke Harshman)は1939年にアリゾナ州フェニックスで生まれ、陸軍での勤務を経て、歌手になるためにロサンゼルスに移住、ソングライター/ミュージシャンとして活動し始めたハートは、1959年にシンガー/ソングライターのトミー・ボイスと出会いました。
その後、二人はチャビー・チェッカーらに楽曲を提供しましたが、ソングライター・チームとして初めて注目すべきヒットを記録したのは、1964年にジェイ&ジ・アメリカンズに提供した「Come a Little Bit Closer」(邦題「もっと寄りそって」)で、1966年にポール・リヴィア&ザ・レイダースに提供した「(I’m Not Your)Steppin’ Stone」が同年モンキーズによってカヴァーされ、モンキーズのヒット曲として知られるようになりました。
二人は、後にモンキーズのヒット曲となる「(Theme From)The Monkees」(邦題「モンキーズのテーマ」)と「Last Train to Clarksville」の共作およびプロデュースと演奏も担当し、後者の曲は1966年に全米第1位を獲得しました。
また、レコーディング・アーティストとしても活動していたボイス&ハートは、1967年~1968年に3枚のアルバム『Test Patterns』『I Wonder What She’s Doing Tonight?』『It’s All Happening On The Inside』をリリースし、セカンド・アルバムのタイトル曲「I Wonder What She’s Doing Tonight」(邦題「あの娘は今夜」)が100万枚以上を売り上げ、ゴールド・ディスクに認定されました。
70年代半ばには、モンキーズのミッキー・ドレンツ、デイヴィー・ジョーンズと共に「ドレンツ、ジョーンズ、ボイス&ハート」を結成し、1975年~1977年にかけてアメリカや日本でツアーを行ない、1976年に新曲を収録したアルバムをリリースしたほか、TVの特番『The Great Golden Hits of the Monkees Show』にも出演していました。
その後、ハートは1979年にヨーロッパで初ソロ・アルバム『The First Bobby Hart Solo Album』をリリースし、1983年公開のアメリカ映画『Tender Mercies』(邦題『テンダー・マーシー』)に提供した自身の曲「Over You」が、アカデミー賞にノミネートされました。
なお、ボイス&ハートは、モンキーズの人気が復活した80年代に再結成し、ライヴ活動を行なっていましたが、その後メンフィスに戻ったボイスが鬱病と脳動脈瘤を患い、1994年に55歳で拳銃自殺しています。
安らかなる眠りをお祈りいたします。


ザ・モンキーズ
『The Best of The Monkees』
Amazon Music(2003/4/23)
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