ユニバーサル・スタジオ火災を巡る集団訴訟からホール (Hole) が撤退

今年6月、ニューヨーク・タイムズ紙が、2008年のユニバーサル・スタジオ火災で推定50万曲のマスター音源が焼失していたと報道し、この火災でマスター音源を失ったとされたホール、サウンドガーデン、スティーヴ・アールの弁護士と、2パックとトム・ぺティの遺産管理人らがUMG(ユニバーサル・ミュージック・グループ)に対し集団訴訟を起こしていましたが(6月26日MLCニュース参照)、〈Variety〉によると、8月16日にサウンドガーデンとスティーヴ・アールの弁護士、およびトム・ぺティと2パックの遺産管理人らが修正訴状を提出したといいます。

修正訴状では、「ホールのマスター音源は火災で焼失しなかった」というUMGの誓約書に基づき、原告からホールが撤退しています。今回の修正訴状は、先月UMGが集団訴訟の却下を求める申請をしたことを受けて提出されたそう。(7月18日MLCニュース参照)

訴訟を急いだ原告の弁護士らを非難しているUMGは、次のような声明を発表しています。

「一か月ほど前、どのアーティストのアーカイヴが2008年の火災で焼失したかどうかも知らずに、原告の弁護士らはメリットのない法的要求を急ぎましたが、UMGの献身的なグローバル・チーム(6月28日MLCニュース参照)は、我々の資産と火災で焼失した音源について、100%透明性のある情報を提供するために、直接アーティストとその代表者の方々に積極的に対応しています。我々の仕事はまだ完全に終了していませんが、起訴状に名を連ねるアーティストの大半は、2008年の火災でオリジナル・マスター音源を失っていないと判断しています」

UMGは、(ホールを除き)どの原告がマスター音源を失っていないのかは明らかにしていませんが、総勢70名の献身的なプロジェクト・チームによる新たなリサーチに基づき、アーティストらにアーカイヴの状態を報告しているといいます。

原告側の弁護士は、次のように語っています。

「まあともかく、素晴らしいことじゃないですか! アーティストに対し、基本的にあの火事では何も焼失しなかったと11年も前に言っておきながら、今になってUMGは何が焼失したのか実際に調査しているんですからね。もしもUMGが、保管していたマスター音源の目録を作っていたら、火事が倉庫と全てを焼き尽くした11年前に献身的なグローバル・チームを結成していたら、これほど大変な事態にはなってなかったでしょうけどね」

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