【特別企画】間も無く32年ぶり!?の再来日を果たす、カッティング・クルーの初来日公演【ML再訪・1987年8月号】

歌い出しでもう思い出された方も多いことでしょう。ウィキぺディアによりますと、この曲は4ヶ国（カナダ、フィンランド、ノルウェー、アメリカ）のシングル・チャートで1位となり世界的に大ヒット、そしてここ日本に限っていうと1987年には第16回東京音楽祭に出場、さらに同年にはスズキ・カルタスGT-iのCMソングにも起用されたとのこと。 英国のインディーとしてスタートしたレーベル：ヴァージンが規模を拡大して米国に進出、ヴァージン・アメリカとして最初のワールドワイド・リリースが彼らだった、というのも期待の大きさの表れでした。

とはいえ最初のヒットがこれほど桁違いのヒットになると、その後がなかなか続かないのがこの世界の常で。この後も『ロック＆ハード・プレイス』（1989年）、『コンパス・メンタス』（1992年）とアルバムを出すものの、残念ながらデビューから5年とちょっと、1993年には解散……。

しかしそれから十余年、2005年に彼らは再結成します。その後『Grinning Souls』（2006年）、『Add To Favourite』（2015年）、『I'm On The Guest List』（2017年）と3枚のアルバムをリリース。少ないながらもコンスタントにライヴ活動も続けつつ現在へと至り、そして今回の32年ぶりの来日が実現したという！

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というわけでここからが本題です。カッティング・クルーは1987年の6月に第16回東京音楽祭に招かれて来日、自分たちの公演としては6月22日・23日の中野サンプラザでのみ、ステージに立ちました。その際の『ミュージック・ライフ』によるライヴ・リポートがこちら（タップ／クリックで拡大できます）。

テレビCMにも採用されて音楽祭にも招かれたぐらいですから、洋楽の垣根を超えたヒットになったせいでしょうか、ファンも加熱してアイドル的な人気を獲得してしまっていたようです。とはいえ冷め気味でコンサートへと臨んだ書き手も終盤には引き込まれ、黄色い声援の理由へとたどり着いており。それはとりもなおさず、彼らのミュージシャンとしての真面目さに起因するもの、ということだと思います。

ちなみに、同じ号には2ページにわたる来日インタヴューも掲載されておりますが、権利の関係でこちらは全体像をご覧に入れるだけということでご了承ください。ですが、右下の見出し「アメリカでの成功の秘密は、自己認識と音楽の姿勢にあり」というのも、上掲のライヴ・リポートと同じことを自分たちでも語っているということですね。