ロック・ギターの革命児、エディ・ヴァン・ヘイレンが65歳で死去
ニュースサイトTMZによると、エディは息子のウルフギャング、妻のジェニー、兄でドラマーのアレックスに見守られながら、カリフォルニア州サンタモニカの病院で息を引き取ったそうです。
2019年10月15日のMLCニュースでお伝えしたように、エディは2014年からドイツで咽喉ガンの放射線治療を受けていましたが、ガンは脳や他の臓器にも転移していたそうです。
息子のウルフギャングが、訃報を発表しています。
「自分がこれを書かなければならないなんて信じられませんが、父のエドワード・ヴァン・ヘイレンが今朝、長年にわたるガンとの闘いに敗れました。彼は僕が理想とする最高の父親で、オンステージでもオフステージでも、彼と分かち合った全ての瞬間が贈り物でした。僕の心は失意に溢れ、この喪失感から完全に立ち直れるとは思えません。本当に大好きだよ、パパ」
エディは1955年にオランダのアムステルダムで生まれましたが、一家は1962年に米カリフォルニア州のパサディナに移住しました。アメリカ国籍を取得したエディと兄のアレックスは、1972年にマンモスというバンドを結成し、このバンドが1974年にヴァン・ヘイレンに改名しました。
バンドは、1978年にデビュー・アルバム『Van Halen』(邦題『炎の導火線』)を発表し、エディは、収録曲「Eruption」(邦題「暗闇の爆撃」)で革新的なライトハンド奏法(タッピング奏法)を披露しました。エディはライトハンド奏法を使った最初のギタリストではありませんでしたが、彼のテクニックは多くのミュージシャンのテンプレートになり、エディはジミ・ヘンドリックス以来、最も影響力のあるギタリストになりました。2012年には、『ギター・ワールド』誌の読者投票「史上最も偉大なギタリスト100人」で、第1位に選ばれています。
ライトハンド奏法について、エディは次のように語っていました。
「他のギタリストみたいに弾こうとしたけど、俺には出来なかった。だから自分で考えて独自のスタイルを開拓したんだ。俺はいつでも他のギタリストがビッグで、自分は子供みたいだと思ってる。自分が彼らと同等だなんて思えないんだ」
しかしながら1996年にヘイガーがバンドから脱退し、1999年にはエディの舌ガンや腰の手術によりバンドは休止状態となりました。
その後、2007年から活動を再開したバンドには、デヴィッド・リー・ロスが復帰し、マイケル・アンソニーの後任として息子のウルフギャングが参加。バンドはツアーを行ない、2012年にはアルバム『A Different Kind of Truth』もリリースしましたが、2019年にエディが咽頭ガンの治療を受けていることが明らかになりました。
エディの訃報を受け、多くのミュージシャンが追悼メッセージを発表しています。
デヴィッド・リー・ロス「なんて長く素晴らしい旅だったことか……」
マイケル・アンソニー「言葉にならない……悲しみに暮れている。ご家族に愛を」
サミー・ヘイガー「悲観に暮れ、言葉にならない。ご家族に愛を」
メタリカ「エディの早すぎる訃報を聞き、途轍もない悲しみに暮れている。彼は我々にとってインスピレーションであり偶像だった。そして88年のサマー・ツアー以来、友人でもあった。アレックスと素晴らしいご家族に愛を」
トニー・アイオミ「親愛なる友人エディの訃報を聞き、ショックで悲しみに暮れている。彼は最後までガンと闘い続けた。エディは非常に特別な人で、本当に素晴らしい友人だった。また会う日まで安らかに」
ジョー・エリオット「1977年、シェフィールドのシティ・ホールでサバスを打ち砕いたヴァン・ヘイレンを目の当たりにした。エディはその重要な役割を演じ、一世代前のジミ・ヘンドリックスの如く、本質的に改革したギター・プレイを披露していた。7年前、オーストラリアのストーン・ミュージック・フェスティバルにヴァン・ヘイレンと名を連ねたことは喜びだった。あの夜、エディのプレイは相変わらず素晴らしく、彼の登場に酔いしれた。エディ、安らかに」
ポール・スタンレー「ああ、なんてこと! 言葉にならない。彼は先駆者で自分の音楽に全てを捧げた人だった。良き魂の持ち主。1976年にスターウッドで初めてエディのプレイを見た。非常にショックで悲しい。ウルフィー(ウルフギャング)とご家族にお悔やみを申し上げます」
また、1976年にヴァン・ヘイレンのデモ制作に資金援助したジーン・シモンズは、次のようにコメントしています。
「悲しみに暮れている。エディは単なるギターの神様ではなく、本当に美しい魂の持ち主だった。エディ、安らかに」
そのほかにも、レッチリのフリーや、フォリナー、スティーヴ・ハケット、ブライアン・ウィルソン、マイク・ポートノイ、ユスフ、ブライアン・メイ、エアロスミス、オジー・オズボーンなど、多くの追悼メッセージが公開されています。
ミュージシャンらからの追悼ツイート/インスタグラム(一部を以下動画の下に抜粋)
・Consequence of Sound
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