ブルース・スプリングスティーン、本日発売の新作『Letter to You』から4曲公開+最新インタヴューで背景を語る

ブルース・スプリングスティーンのニュー・アルバム『Letter to You』が10月23日に発売され、すでに公開されている「Letter To You」のミュージック・ビデオと「Ghosts」のリリックビデオに続き、「House Of A Thousand Guitars」「Song For Orphans」「Janey Needs A Shooter」「The Power Of Prayer」のオーディオ・ビデオが公開されました。
Bruce Springsteen
House Of A Thousand Guitars
(Official Audio)
Bruce Springsteen
Song For Orphans
(Official Audio)
Bruce Springsteen
Janey Needs A Shooter
(Official Audio)
Bruce Springsteen
The Power Of Prayer
(Official Audio)
日本盤の詳細については、以下のメイカー・インフォメーション、ならびに9月23日のMLCニュースをご参照ください。
〈以下メイカー・インフォメーションより〉

ブルース・スプリングスティーン、新作について語る貴重インタビュー到着! 復活Eストリート・バンドとのロック・アルバム『レター・トゥ・ユー』本日10/23世界同時発売!

ロック界の “ボス”、ブルース・スプリングスティーンの通算20作目、盟友Eストリート・バンドと6年振りに再びタッグを組んだ新作『レター・トゥ・ユー』が10月23日全世界同時発売となった。コロナ禍の起こる前の昨年11月に、ブルースの自宅ホーム・スタジオに集合し、スタジオ・ライヴで録音され、僅か5日間で出来上がった待望のロック・アルバムだ。長年の友人たちから成るバンドが一体となって歌い演奏する喜びが溢れた作品は、コロナ禍で人びとが集まり、触れ合うことができなくなった2020年という息苦しい時代に解毒剤のような役割を果たし、「音楽の力」を再認識させるはずだ。

この新作についてスプリングスティーン自身が語る最新インタヴューが、新作日本盤ライナーノーツを執筆した五十嵐正氏によるインタヴューの背景と解説とともに日本公式サイトで公開された。新作のテーマ、制作のきっかけとなった友の死、ファンから贈られた魔法のギター、たった5日間のEストリート・バンドとのライヴ一発撮り(『ボーン・イン・ザ・USA』以来)の新事実、そして、日本への想いなど、非常に興味深い内容の数々でアルバムの内容を紐解く貴重なインタビューとなっている。

ブルース・スプリングスティーン・インタビュー(by Tadd Igarashi)全文はこちら

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『レター・トゥー・ユー』は過去と現在が重なり合う構造のアルバムだ。そこには10代のブルースが初めて加わったバンド、キャスティールズ時代の回想とそのバンドを共に率いた旧友ジョージ・シースへの追悼、「最後の生き残り」(新作に「ラスト・マン・スタンディング」という曲を収録)となった感慨と、半世紀近い年月を経て、今もなお行動を共にするEストリート・バンドの仲間たちとの兄弟愛とお互いへの感謝があり、70代に入ったブルースの人生と死ぬべき運命への考察が窺われ、それでも変わらぬ音楽の力への信念が全体を貫いている。

「今この瞬間のレコードだが、あなたがバンドを始めた65、68年の精神に戻ったように感じる。これはロックンロールについてのレコードですね?」という質問に対しブルースはこう答えている。

「 “音楽” そのものをテーマとして選んだのは初めてだ。これはロックンロールについて、生涯にわたってバンドにいることについてだね。最初のバンドを振り返り、もちろん、この45年続き、今もいるバンド、Eストリート・バンドを振り返ることも含んでいる。主題は音楽そのものと俺たちがファンと一緒に作ってきた世界だね」

高校時代のバンド、キャスティールズのメンバーだった旧友ジョージ・シースの死が『レター・トゥー・ユー』の収録曲の多くを書くきっかけになったとも語っている。

「ジョージの人生の最後の日々に彼と再び連絡をとりあった。自分の最初のバンドの最後の生存メンバーになることはとても珍しい。彼らのほとんどは何らかの理由で若くして亡くなり、ジョージと俺だけが残り、ジョージは2年前の夏に亡くなった。そのことがアルバムの大半の曲のソングライティングを引き起こしたんだ」

収録曲の大半を生み出した具体的な物体が存在する。魔法の力を持つ贈り物のギターである。

「(「スプリングスティーン・オン・ブロードウェイ」の)ショウを終えて劇場から出てきたら、歩道にギターを持った若い男がいた。それにサインが欲しいんだろうと思ったら、『いいえ、これを差し上げたいんです』と言うんだ。一目見て美しく作られたギターだとわかった。それで家に持ち帰った。改めてじっくり見て、弾いてみたら、素晴らしかったよ。本当に熟練の職人技で作られていた。曲を書きたいという衝動にかられたとき、それをふと手にした。そうしたら、大半の曲はそのギターから溢れるように生まれてきたんだ」

『レター・トゥー・ユー』は驚いたことに、わずか5日間で録音を終えたと言われてきたが、実は5日ですらない。

「本当は4日間でアルバムを録音してしまったんだ。5日目は録音を聴き返し、みんなで話をして過ごした。それは素晴らしいプロセスだったね。こういったことが起こるかどうかは予測できない。バンドは完全にライヴで演奏したし、すべてのヴォーカルが最初のテイクなんだ。それは本当の先祖返りだったね。俺たちがライヴですべてを録音した数曲を思い返すと、『闇に吠える街』や『ボーン・イン・ザ・USA』があったけど、ほとんどの曲はバンドがライヴで録音したところに、ヴォーカルをオーヴァーダビングしたものだった。でも、今回はそうじゃない」

海外ではブルースが来たる大統領選でトランプが再選したら、オーストラリアに移住すると発言したと伝える記事が出て全世界を駆け巡ったが、実はその発言はこのインタヴューでの出来事。オーストラリアのジャーナリストからの質問「トランプが再選したらオーストラリアに移住しませんか?」という質問に対しこう答えたもの。

「考えてみるよ。オーストラリアが大好きだ。あそこでは楽しい時間しか過ごしたことがないから、いつだって訪ねるのはすごい楽しみだ。オーストラリアの人たちが大好きだし、地理が大好きだし、バイクの旅にも素晴らしい場所だね。俺たちにとって大事な場所だよ。もしトランプが再選されれば、そうはならないけれど……今ここで予言しよう、彼は負ける! しかし、何かの偶然で、もしもそんなことになったら、次の飛行機に乗るよ」

そして、最後に日本のファンのためにこんな素敵なメッセージを届けてくれた。

―――あなたは長い間日本にやってきていません。また日本に来て、新しい聴衆とつながることを熱望していますか?
「俺の後悔の一つは、長い間、あの国に戻らなかったことだ。『ボーン・イン・ザ・USA』のツアーで行って、日本を旅したとき、俺たちには素敵な聴衆がいたよ。何故あれから一度も戻ってないかというと、そのあと、まもなく子供たちが生まれたし、時間的な制約と様々な理由があったんだ。でも、いつか戻って、あそこにいた聴衆と再びつながりたいね。うん、俺は行きたいよ!」

『レター・トゥ・ユー』はスプリングスティーンの20作目のオリジナル・アルバムであり、2016年の「ザ・リバー2016」ツアー以来初めてEストリート・バンドと演奏を共にする作品となる。プロデュースはロン・アニエッロがブルース・スプリングスティーンと共に手掛け、ミキシングはボブ・クリアマウンテン、マスタリングはボブ・ラドウィックが担当した。

新作の日本盤には五十嵐正氏の各曲目解説を含む詳細なライナーノーツ、長年にわたりスプリングスティーンのすべての楽曲の対訳を担当してきた、三浦久氏の対訳と訳者ノート『「連続するひとつの小説」に加わった新しいチャプター』を収録した、アルバムを紐解く手助けとなる全28ページにわたる日本版ブックレットが付随する。

●アルバム詳細は特設サイトで。

また、新作の発売にあわせて今作の制作ドキュメンタリー映画『Bruce Springsteen’s Letter to You(ブルース・スプリングスティーンから君への手紙)』がApple TV+で公開されている(10月6日MLCニュース参照)。

●Apple TV+で視聴する

1. One Minute You’re Here / ワン・ミニット・ユア・ヒア
2. Letter To You / レター・トゥ・ユー
3. Burnin’ Train / バーニン・トレイン
4. Janey Needs A Shooter / ジェイニー・ニーズ・ア・シューター
5. Last Man Standing / ラスト・マン・スタンディング
6. The Power Of Prayer / ザ・パワー・オブ・プレイヤー
7. House Of A Thousand Guitars / ハウス・オブ・ア・サウザンド・ギターズ
8. Rainmaker / レインメイカー
9. If I Was The Priest / イフ・アイ・ワズ・ザ・プリースト
10. Ghosts / ゴースツ
11. Song For Orphans / ソング・フォー・オーファンズ
12. I’ll See You In My Dreams / アイル・シー・ユー・イン・マイ・ドリームズ

Eストリート・バンド:ロイ・ビタン、ニルス・ロフグレン、パティ・スキャルファ、ギャリー・タレント、スティーヴ・ヴァン・ザント、マックス・ワインバーグ、チャーリー・ジョルダーノ、ジェイク・クレモンズ

プロデュース:ブルース・スプリングスティーン、ロン・アニエロ

ミキシング:ボブ・クリアマウンテン マスタリング:ボブ・ラドウィック

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