グラディス・ナイト＆ザ・ピップスの代表曲「夜汽車よ！ジョージアへ」の作者、ジム・ウェザリーが77歳で死去

Jim Weatherly『Weatherly』（RCA Victor）1972年

米シンガー／ソングライターのジム・ウェザリー（Jim Weatherly）が2月3日、テネシー州ブレントウッドの自宅で老衰のため77歳で死去しました。

ウェザリーは、グラディス・ナイト＆ザ・ピップスの1973年の大ヒット曲「Neither One of Us Wants to Be the First to Say Goodbye」（邦題：さよならは悲しい言葉）や「Midnight Train to Georgia」（邦題：夜汽車よ！ジョージアへ）、1974年の「You‘re the Best Thing That Ever Happened to Me」（邦題：めぐり逢い）をはじめ、ポップスとカントリーの多作な作者として知られていました。

1943年にミシシッピ州ポントトックで生まれたウェザリーは、13歳で作曲を始め、ミシシッピ大学のフットボール部ではクォーターバックとして活躍していましたが、高校時代から自身のバンドを結成し、大学卒業を機に音楽の道を歩み始めました。

70年代初期からポップスやR&Bの名曲を書き始め、グラディス・ナイト＆ザ・ピップスが録音した「Neither One of Us Wants to Be the First to Say Goodbye」や「Midnight Train to Georgia」「You‘re the Best Thing That Ever Happened to Me」は、すべてR&Bチャートの第1位を記録しました。

なお「Midnight Train to Georgia」は、当初「Midnight Plane to Houston」というタイトルでウェザリー1972年のソロ・アルバム『Weatherly』に収録されていましたが、グラディス・ナイトのために曲名が変更され、1974年のグラミー賞で「最優秀R&B歌唱賞」を受賞し、1999年には「グラミーの殿堂」入りも果たしました。

また、ウェザリーが1974年に発表したシングル「The Need to Be」や、1975年のシングル「I’ll Still Love You」もヒットし、グレン・キャンベルやチャーリー・プライド、ブライアン・ホワイト、レイ・プライスらにカントリーの楽曲を提供したほか、ニール・ダイアモンド、ディーン・マーティン、インディゴ・ガールズ、ヴィンス・ギル、ホール＆オーツなど、様々なアーティストが彼の曲をカヴァーしました。

ウェザリーは、2006年と2011年にそれぞれ「ナッシュヴィル・ソングライターの殿堂」と「ミシシッピ・ミュージシャンの殿堂」入りを果たし、2014年には「ソングライターの殿堂」入りを果たしただけでなく、ミシシッピ州政府から音楽への功績を称えられ、「Governor’s Award for Excellence in Music（知事賞）」も受賞しています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。