米ポップ/カントリー歌手のB.J.トーマス、ステージ4の肺ガンを公表

1968年の「Hooked On a Feeling」や1969年の「Raindrops Keep Fallin’ On My Head」(「雨にぬれても」)で知られるポップ/カントリー歌手のB. J.トーマス(78歳)が、ステージ4の肺ガンであることを公表しました。
トーマスは現在、地元テキサス州の医療施設で治療を受けつつ、完全な回復を願っているそうで、次の声明を発表しています。

「このまたとない機会に、素晴らしい妻のグロリアと53年以上に及ぶ私の音楽キャリア、家族、友人、そしてファンの皆様に感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。私は、ポップ、カントリー、そしてゴスペルの美しい曲をレコーディングしてパフォーマンスする機会に恵まれ、それらの素晴らしい曲と思い出を世界中の何百万人もの皆様とシェアすることができ、本当に幸せ者です。私の音楽が皆様と生き続けるよう、お祈りしていただければ幸いです」

トーマスは、今後も公の場に姿を現す可能性について楽観視しており、引き続き音楽業界の同僚やファンたちと交流を続けていくそうです。

オクラホマ州出身のトーマスは、テキサス州ヒューストンで育ち、1966年にトライアンフス(The Triumphs)とアルバム「I’m So Lonesome I Could Cry」をリリースしました。
このアルバムには、ハンク・ウィリアムズのカヴァー「I’m So Lonesome I Could Cry」(「泣きたいほどの淋しさだ」)がフィーチャーされ、100万枚以上を売り上げた同曲はゴールド・ディスクに認定されました。また、同年トーマスは、同名のソロ・アルバムをリリースしています。
I'm so Lonesome I Could Cry
その後も「Hooked On a Feeling」や「Raindrops Keep Fallin’ On My Head」の他、「I Just Can’t Help Believing」(「君を信じたい」)、「(Hey Won’t You Play)Another Somebody Done Somebody Wrong Song」(「心にひびく愛の歌」)、ビーチ・ボーイズのカヴァー「Don’t Worry Baby」などが大ヒットし、50年のキャリアにおいて26曲がトップ10に入り、8曲がNo.1ヒットになり、世界中でアルバム7,000万枚以上を売り上げました。

その結果、トーマスはグラミー賞を5度受賞し、「グラミーの殿堂」入りを果たしています。
Hooked on a Feeling
Butch Cassidy and the Sundance Kid (1969)
Butch's BikeScene (2/5) | Movieclips
BJ Thomas
Performing Raindrops
at he Academy Awards
なお、音楽ニュースサイト「Best Classic Bands」が2020年にインタヴューを行なっており、引退を考えたことがあるかと問われたトーマスは、次のように語っていました。
「引退については一度も考えたことがないんだ。今はパンデミックだから、ワクチンが接種できたら仕事に取り掛かろうと思ってる。僕らは早い時期から隔離生活を送ったし、ワクチンについては知る機会もないけど、復帰できることを願ってるよ。今でも大丈夫だと思えるレベルで歌っているし、来年の秋までには復帰して、それから数年やれば結果がわかると思う」
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