ジョニ・ミッチェル、6年ぶりの公開インタヴューで自身の革新的キャリアについて語る

米・音楽業界の重鎮で伝説的音楽プロデューサーのクライヴ・デイヴィスが5月15日、毎年恒例となっていたグラミー賞の祝賀会をヴァーチャルで開催し、過去にゲスト参加していたジョニ・ミッチェルとリモート・インタヴューを行ないました。ミッチェルは2015年に動脈瘤を患い、公の場でインタヴューに応じたのは6年ぶりです。
公開された映像はインタヴューの一部ですが、ミッチェルは、初期のキャリアが周りのソングライターたちに与えた影響や、80年代のアルバムに対するレヴューを通じて直面した彼女の音楽への抵抗などについて40分近くも語っています。

「私が最初に空想から曲を書き始めた時よりも、自分の魂を削り、曲に人間らしさを取り入れるようになった時の方が、周りのソングライターたちを怖がらせたわ。まるでボブ・ディランがプラグを差し込んでエレキ・ギターを弾き始めた時のように、彼らはヒヤヒヤしてるように見えたの。『これって、俺たちが今やるべき事なのか?』ってね(笑)。でも時が経つにつれ、それが彼らに影響を与え、彼らがもっと自身の経験から曲を書くための励みになったと思ってるわ。要するに、創作というのはとても個人的なことだし、経験から曲を書くからこそ、内容豊かな作品になるの。でも、よく言われたのよ。『誰もキミの曲をカヴァーしないだろう。あまりにも個人的な曲だから』ってね。だけど、それは事実じゃないし、私の曲は何度もカヴァーされてるわ。私がそれに励まされたのは、『彼らはなぜあんなに怒るのかしら? 私が表現しようとしているのは、ただの人間らしさなのに』って思ったからよ」

ミッチェルは、数年前まで自分が与えた影響について過剰に意識したことはなく、それよりもキャリアにおけるある時点で、自身の音楽が世間の抵抗に直面していたことに動揺したと語りました。

「最近になって人から言われてわかったことで、私は気付いてなかったの。なぜなら、私は悪いレヴューしか知らなかったし、そういうレヴューは不当で馬鹿げていると思っていたから(レヴュー以外の事に気付かなかった)。特に、1985年の『Dog Eat Dog』に対するレヴューは酷かったのよ。ブラック・マガジンを除いてね。なぜ世間はこのアルバムにあれほど辛辣なのかしら?って思ったけど、あれは他と違っていたからなんだとわかったの。あの作品はフォークやジャズのジャンルにはフィットしてなかったし、その中間みたいな……。私は前からフォーク音楽が自分にとって相応しいタイトルだとは思ってなかった。ただし、“ギターを弾く少女だったからフォーク・シンガー” ってことを除いてね。私の音楽を演奏できたのはジャズ・ミュージシャンだけだったわ。なぜなら、私の音楽がとても奇抜だったからなの。それに、彼らは私の曲を紙に書くことも出来たし、曲の奇抜さに目を向け、曲に参加することも出来たのよ」
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