ウィリー・ネルソン、カントリー・ゴスペルの香りを強く打ち出した最新作『家族』国内盤12月22日発売

ウィリー・ネルソンの、家族とともに制作された新作『The Willie Nelson Family』についてはMLCでもすでに二度お伝えしておりますが(9月27日11月2日MLCニュース)、12月22日に国内盤としても発売されることになりました。邦題はズバリ『家族』です。
〈以下メイカー・インフォメーションより〉

カントリー・ゴスペルの香りを強く打ち出したウィリー・ネルソン最新作『家族』。

●88歳のウィリー・ネルソンが、アメリカーナ、讃美歌、往年の名曲などを家族と共に録音した71作目のスタジオ・アルバム!
『家族』からの第一弾シングル「ファミリー・バイブル」(9月27日MLCニュース参照)は、ウィリー・ネルソン初期の楽曲の一つで、書かれたのは1957年。その時、彼にインスピレーションを与えたのは、聖歌「ロック・オブ・エイジズ/千歳の岩」を好んで歌い、夕食の後にはいつも聖書を読んでくれた祖母の姿だったという。ヒューストンを拠点に苦闘をつづけていた若きソングライターは、ポール・バスカークに認められ、「ファミリー・バイブル」「ナイト・ライフ」といった彼のオリジナル曲がクロード・グレイによって歌われることとなった。グレイの歌った「ファミリー・バイブル」は諸事情から、ウィリーの名前はクレジットされなかったが、1960年2月にシングルとして発売され、『ビルボード』誌のホット・カントリー・シングル・チャートで7位まで上昇。この成功をきっかけにウィリーはナッシュヴィルに移り、その地で彼は、ソングライターとしての評価をさらに確かなものとしていった。

「ファミリー・バイブル」のウィリー自身が歌ったヴァージョンは、1971年発表のアルバム『イエスタデイズ・ワイン』に収められ、以来、ライヴ・パフォーマンスには欠かせない曲となっていたが今回新たにスタジオ録音された。

●自作の6曲に、ジョージ・ハリスン、クリス・クリストファーソン、ハンク・ウィリアムス、A.P.カーターらのカヴァーを加え全12曲収録
この最新作『家族』では、ネルソン・ファミリーのレパートリーの中から、強い精神性を感じさせる12曲が取り上げられている。たとえば、きわめてアメリカ的なA.P.カーターの「キープ・イット・オン・ザ・サニーサイド」、トラディショナルな聖歌「イン・ザ・ガーデン」。さらには、ハンク・ウィリアムスの「アイ・ソー・ザ・ライト」、クリス・クリストファーソンの「ホワイ・ミー」、ジョージ・ハリスンの「オール・シングス・マスト・パス」といった古典的な名曲も取り上げられていて、ウィリー本人が書いた6曲も収めている。

ウィリーのファミリー・バンドのメンバーは、姉のボビー・ネルソン、2人の息子ルーカス・ネルソンとマイカ・ネルソン、2人の娘ポーラ・ネルソンとエイミー・ネルソン、そして、長く彼と行動をともにしてきたミッキー・ラファエル、ポール・イングリッシュ、ビリー・イングリッシュ、ケヴィン・スミスらが名を連ねる。

プロデューサーは、ウィリー・ネルソンとスティーヴ・シェイディ。レコーディングとミキシングはテキサス州オースティンのペダーネイルズ・スタジオで行なわれ、スティーヴ・シェイディが手がけた。

参加したミュージシャンは、ウィリー・ネルソン(リード・ヴォーカル、バックグラウンド・ヴォーカル、トリガー=愛用のガット弦アコースティック・ギター)、ボビー・ネルソン(ピアノ)、ルーカス・ネルソン(アコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、リード・ヴォーカル、バックグラウンド・ヴォーカル)、マイカ・ネルソン(ドラムス、ベース、バックグラウンド・ヴォーカル)、ポーラ・ネルソン(バックグラウンド・ヴォーカル)、エイミー・ネルソン(バックグラウンド・ヴォーカル)、ミッキー・ラファエル(ハーモニカ)、ビリー・イングリッシュ(ドラムス)、ポール・イングリッシュ(パーカッション)、ケヴィン・スミス(ベース)。

ウィリーの息子ルーカス(ルーカス・ネルソン&プロミス・オブ・ザ・リアルのフロントマンとしても活動をつづけている)は、「オール・シングス・マスト・パス」と「キープ・イット・オン・ザ・サニーサイド」の2曲でリード・ヴォーカルを担当。また、「アイ・ソー・ザ・ライト」「アイ・ソウト・アバウト・ユー、ロード」「ホワイ・ミー」をウィリーとともに歌っている。

『家族』に収められた4曲、「天国と地獄」「主の足もとに」「我の重荷よ」「ファミリー・バイブル」での演奏は、長くドラマーとしてウィリーに貢献してきた友人のポール・イングリッシュが参加した、最後のものとなった。1955年、フォートワースではじめてウィリーと共演したポールは、1966年にレギュラー・メンバーとなり、以来、ファミリーに欠かせない存在として行動をともにしてきたが、2020年2月11日、87歳でこの世を去っている。

ウィリー・ネルソンは、1985年に開催された第一回ファーム・エイド・コンサートの主催者の一人。その活動を通じて彼は、アメリカにおける家族経営農場の減少という問題を提起し、毎年秋に行なわれるコンサートは、家族農場を守ろうというミッションのもとに組織された非営利団体ファーム・エイドを金銭面から支えてきた。「30年以上がたった今も、私たちはここにいる。あなたたちもここにいる。そして、我々は手をたずさえて、農家のための闘いをつづけている。その闘いはまだ終わっていないし、支援者も増えている。これからも一緒に歩みつづけてほしい」と、ウィリー・ネルソンは語っている。

ウィリー・ネルソンとボビー・ネルソン、クリス・バートンの共著で、キュン・エン・ハンがイラストレーションを担当した児童向けピクチャー・ブック『シスター、ブラザー、ファミリー:アン・アメリカン・チャイルドフッド・イン・ミュージック』は、ハードカヴァー仕様で2021年11月9日に発売される。
商品詳細
Willie Nelson / Bobbie Nelson / Chris Barton
(著)、 Kyung Eun Han(イラスト)
『Sister, Brother, Family : An American Childhood in Music』

ハードカバー/英語版(2021/11/9)洋書

2020年7月に発売された『ファースト・ローズ・オブ・スプリング』は、『ビルボード』誌トップ・カントリー・アルバム・チャートで5位を記録。この成功によってウィリー・ネルソンは、同誌が1964年にカントリー・アルバム・チャートを創設して以来、すべてのディケイド=10年間(つまり、7つ)でトップ10圏内に作品を送り込んだ、初のアーティストとなっている。『ファースト・ローズ・オブ・スプリング』はまた、ウィリーにとって、じつに53枚目のトップ10アルバム。また、フランク・シナトラのレパートリーからスタンダード曲だけを集めたコレクションの第二弾『ザッツ・ライフ』は2021年2月(日本発売は3月)に発表され、『ビルボード』誌ジャズ・アルバム・チャートとトラディショナル・ジャズ・アルバム・チャートの双方でナンバー・ワンを記録している。

商品詳細
ウィリー・ネルソン
『家族』


Amazon Music・MP3(2021/11/19)¥1,800
CD(2021/12/22)¥2,640
1. Heaven and Hell (Willie Nelson)
2. Kneel at the Feet of Jesus (Willie Nelson)
3. Laying My Burdens Down (Willie Nelson)
4. Family Bible (Claude Gray, Paul Buskirk & Walt Breeland)
5. In The Garden (traditional)
6. All Things Must Pass (George Harrison)
7. I Saw The Light (Hank Williams, Sr.)
8. In God’s Eyes (Willie Nelson)
9. Keep It On the Sunnyside (A.P. Carter)
10. I Thought About You, Lord (Willie Nelson)
11. Too Sick To Pray (Willie Nelson)
12. Why Me (Kris Kristofferson)
商品詳細
ウィリー・ネルソン
『ファースト・ローズ・オブ・スプリング』


Amazon Music・MP3(2020/7/3)¥1,800
CD(2020/7/22)¥2,185
商品詳細
ウィリー・ネルソン 
『ザッツ・ライフ』


Amazon Music・MP3 (2021/2/26)¥1,800
CD (2021/3/3)¥2,640
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