ネオ・ロカビリー歌手のロバート・ゴードンが75歳で死去

ゴードンは、1947 年にメリーランド州ベセスダで生まれ、50年代からエルヴィス・プレスリーのサウンドに夢中になり、ジーン・ヴィンセントやエディ・コクラン、ビリー・リー・ライリーからも影響を受けました。

60年代半ばにコンフィデンシャルズのシンガーとしてデビューした後、1970 年にニューヨークへ移り、パンク・バンドのタフ・ダーツ（Tuff Darts）に加入、バンドはマンハッタンのクラブCBGB'sやマクシズ・カンサス・シティなどで人気を博しました。

当時、レコード・プロデューサーのリチャード・ゴッテラーと出会ったゴードンは、エレキ・ギターのパイオニア、リンク・レイとチームを組むことになり、ロカビリーに移行。二人が1977年に発表したデビュー・アルバム『Robert Gordon with Link Wray』から、シングル「Red Hot」がヒットしました。

翌1978年には、アルバム『Fresh Fish Special』をリリースし、同作には、プレスリーのバックヴォーカル・グループ、ザ・ジョーダナリーズがフィーチャーされ、ブルース・スプリングスティーンが書いた収録曲「Fire」には、ボスがキーボードで参加していました。

その後、レイと別れたゴードンは、1978年にRCAレコードと契約し、レイの代わりにイギリス人ギタリストのクリス・スぺディングとコンビを組み、1979年にアルバム『Rock Billy Boogie』をリリース。ゴードンとスぺディングは、翌1980年にもアルバム『Bad Boy』を発表しましたが、商業的に成功せず、その後コンビを解消しました。

続いてゴードンは、ギタリストのダニー・ガットンとコンビを組み、80年代初期にツアーを行なっていました。当時収録したゴードンとガットンのパフォーマンスは、ライヴ・アルバム『The Humbler』として、1996年になってリリースされています。

ゴードンは2005年、再びスぺディングとコンビを組んでツアーを行ない、2007年にはアルバム『It’s Now or Never』をリリースしましたが、やはり商業的に成功しませんでした。

2009年と2010年には、「Robert Gordon & The Gang They Couldn’t Hang」としてツアーを行ない、ストレイ・キャッツのスリム・ジム・ファントム、セックス・ピストルズのグレン・マトロック、クリス・スぺディングら豪華メンバーが参加。2010年のツアーには、スペインで開催された大規模音楽フェス「アズケナ・ロック・フェスティバル」が含まれ、同フェスにはKISSやボブ・ディランが出演していました。

ゴードンは1977年から2020年にかけて、スタジオ・アルバム11枚を発表しており、ゴードン最後のスタジオ・アルバム『Hellafied』が、11月25日にクレオパトラ・レコードからリリースされます。

安らかなる眠りをお祈りいたします。