映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』トークショー開催、朝ドラ『舞いあがれ!』他作曲家・富貴晴美 × 前島秀国(字幕監修/サウンド&ビジュアルライター) 登壇!

1月13日(金)に公開となる、映画音楽の大家エンニオ・モリコーネの半生を描いたドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した⾳楽家』。その公開を記念して、現在のNHK連続テレビ⼩説『舞いあがれ!』他数々の映画⾳楽を⼿掛ける富貴晴美氏と、本作の字幕監修でサウンド&ビジュアルライター前島秀国氏によるスペシャル・トークショーが開かれました。

〈以下、公式インフォメーションより〉

連続テレビ小説「舞いあがれ!」
映画『噓八百』シリーズ
作曲家・編曲家・ピアニスト


富貴晴美

本作の字幕監修
サウンド&ビジュアルライター


前島秀国

「モリコーネの凄さは〈エモ〉さを忘れないところ」
スペシャルトークショー開催!

2020年7⽉世界は類稀なる存在を失った。エンニオ・モリコーネ、享年91歳。500作品以上の映画とTVの⾳楽を⼿掛けた。アカデミー賞®には6度ノミネートされ『ヘイトフル・エイト』で受賞。全功績を称える名誉賞にも輝いた。そんな伝説のマエストロに、弟⼦であり友でもあるジュゼッペ・トルナトーレ監督(『ニュー・シネマ・パラダイス』)が密着、結果的に⽣前の姿を捉える最後の作品となったドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した⾳楽家』が2023年1⽉13⽇より⽇本公開。「ジュゼッペ以外はダメだ」とモリコーネ⾃らが指名したトルナトーレ監督の前だからこそ半⽣を⾚裸々に回想、かつては映画⾳楽の芸術的地位が低かったため、幾度もやめようとしたという衝撃の事実を告⽩。いかにして誇りを⼿にしたかが数多の傑作の名場⾯やワールド・コンサート・ツアーの演奏と共に紐解かれていく。さらに70⼈以上の著名⼈のインタビューによって巨匠の仕事術の秘密が明かされる。そのメロディを聴くだけで、あの⽇あの映画に胸を⾼鳴らせ涙した瞬間が蘇る。同じ時代を⽣きた私たちの⼈⽣を豊かに彩ってくれたマエストロに感謝を捧げる、愛と幸福に満ちた⾳楽ドキュメンタリーです。

このたび今期のNHK連続テレビ⼩説『舞いあがれ!』をはじめ、『噓⼋百』シリーズ『検察側の罪⼈』『そして、バトンは渡された』など数々の映画⾳楽を⼿掛けている富貴晴美と、本作の字幕監修を担当のサウンド&ビジュアルライター前島秀国によるより深く、より広く、“モリコーネ” “映画⾳楽” の魅⼒を知る貴重なトークイベントを開催。

開催概要︓映画『モリコーネ 映画が恋した⾳楽家』スペシャルトークショー


■⽇時:10⽉30⽇(⽇)17:05〜17:35
■会場:TOHOシネマズシャンテ scr1 (千代⽥区有楽町1-2-2 ⽇⽐⾕シャンテ別館)
■登壇者:富貴晴美(作曲家・編曲家・ピアニスト)、前島秀国(サウンド&ビジュアルライター)

現在放映中の連続テレビ⼩説『舞い上がれ!』のほか、ヒット・シリーズの劇場映画『嘘⼋百 なにわ夢の陣』(1/6公開)を担当するなど、モリコーネと同じく、テレビや映画で⼤活躍中であり、過去、NHKの⼤河ドラマの⾳楽を担当したという共通点もあるモリコーネ(『MUSASHI』)と富貴晴美(『⻄郷どん』)。本作について「素晴らしすぎて『トルナトーレ監督の最⾼傑作になっているんじゃないか』『ドキュメンタリーって⾊々あると思うんですけど、ここまで素晴らしい、⼀体どれだけのフィルムを回したんだろう』っていう⾵に思いました。映画としても素晴らしいので、もう多くの⼈に観ていただきたいなと思います」と⼤絶賛! ⾃⾝のモリコーネとの出会いが「⼩学⽣の時に観た『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(84)」だったと⾔う富貴は「『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(84)を聴いて映画⾳楽の作曲家になろうと思ったっていう⼈がたくさんいるはず」という前島の意⾒にも賛同、同作劇中に流れる〈デボラのテーマ〉を例に挙げ「映画を1本観終わったら〈その世界〉にしかいなかった⾃分が〈あの世界〉にいるような感じがして、すぐさまピアノでそのメロディをずっと弾いて、それが最初の出会いでしたね」「永遠にモリコーネの珠⽟の1 曲みたいに、本当に思います」と振り返る。

続いて、⾃⾝の「好きな作品であり、⼀番モリコーネらしい作品」という『ミッション』について、「聞いてるとドキドキしますし、モリコーネさんが、⾃分が代表作っていうか、⾃信があるって⾔ってるのもすごく頷ける作品だなって」と明かす。本作は、ルネサンスからバロックにかけての⾳楽と現代⾳楽の前衛的なかけ離れた⾳楽2つが融合した楽曲が特徴的だが、通常「前衛的な⾳楽、現代⾳楽になると、乾いた⾳楽が多くて、メロディックではない」、しかし「モリコーネさんは、前衛的なものと豊かなメロディ、彼しか書けないメロディが異質に感じないというか、それがすごい組み合わさっている」「現代⾳楽だけで⾔うと〈泣ける〉とか〈⼼に沁みる〉とか、映画⾳楽でもいろんな作曲家がそういう⾵にやっていると思うんですけれど、そこの域まで達してない」「だからエンニオ・モリコーネという⼈が素晴らしいと⾔われてるのは、⾼次元のところで融合してるだけでなく、そこからその⾳楽を聞いて、涙が出る。あったかい気持ちになるっていう、⼼に訴えかけるメロディを書ける。そこが素晴らしいと思いますね」とその魅⼒を熱く語り、前島も「今の⾔い⽅で⾔うと〈エモい〉、つまり〈エモーショナル〉を部分っていうのを、絶対に忘れてない」と、⼀⾒⽭盾したこの2つの要素を映画⾳楽の中で1つにしてしまうモリコーネの凄さを解説した。

劇中でのモリコーネと同じく、ドラマや映画などの商業的な⾳楽と、芸術的な⾳楽を書くときの葛藤についてのシーンも共感したという富貴。⾃⾝も「ドラマとか映画の⾳楽を作る時の頭と、現代⾳楽を書く時の頭って、全然違う⾵に考えて、頭を切り替えて作曲している」「モリコーネさんは同じ舞台の上に2つをうまく組み合わせてるっていうのは、すごい! 真似したいけど、なかなか難しいなっていう⾵に思う」と感嘆、しかし「多分、最後まで彼はずっと葛藤し続けていたんだろうな、っていうのはわかる」。同じ作曲家としての苦悩を重ね合わせた上で、しかし動物の鳴き声を作曲の⼀部として採⽤するという、現代⾳楽があったからこそ⽣まれたモリコーネ独特の表現である『続・⼣陽のガンマン』での有名な〈コヨーテの遠吠え〉などを例をあげ「現代⾳楽があるから、彼はいろんなところの引き出しが増えて、それで彼の世界が出来上がってるっていう⾵に思ってます」「映画⾳楽も〈現代⾳楽〉が彼から無かったとしたら、もしかしたら、映画⾳楽作曲家として、そこまで⼤成していなかったかもしれない、っていう⾵に私は思っていて。やっぱり2つの要素、2つの顔を持つことで、新しいステージに⾏けたんじゃないかな、っていう⾵に思っています」とその魅⼒を語った。

富貴⾃⾝がNHK ⼤河ドラマ『⻄郷どん』(18)で作曲を担当していたという縁もあり、モリコーネが⾳楽を⼿がけたNHK ⼤河ドラマ『MUSASHI』(03)にも⾔及。「彼の全てが詰まっているようなサウンドトラックだな、っていう⾵に思っています」と⾔い、前島も「メインテーマもね。トラペットで主題を出して、もう、トランペットはもう、そういう意味でも今⽇の映画ご覧になってわかるように、モリコーネの1 番得意な楽器ですよね。〈ここぞ〉っていう時に使う」「もう必殺技ですよね。トランペットはね、本当に真正⾯から勝負をかけてるっていう」「ある意味で⻄洋のヒーロー・ドラマと全く同じスタンスで、すごかった」と、振り返った。

劇中「作曲したら、まず奥さんに曲を聞かせる」「お⽗さんや恩師からその受けた、教えとか、愛情とか、そういうものを⾮常に⼤切にして⽣きてる」など、溢れ出るモリコーネの温かかった⼈柄のシーンの話題にも触れながら、富貴が “同じ作曲家として思わず笑ってしまった” シーンとして、モリコーネが『アンタッチャブル』(87)への作曲リストをブライアン・デ・パルマ監督に提案した際、絶対に採⽤して欲しく無いが “⼀応の候補” としてリストの最後に⼊れておいた楽曲が採⽤されてしまい、ショックを受けた、と明かす箇所に⾔及。富貴⾃⾝も「デモで6曲を書いて(⼀応⾯⽩いからリストに⼊れるけど)『最後の6番⽬を採⽤するのはやめてね』って⾔ったのに」「なぜか6番⽬が採⽤されてしまう」 “作曲家あるある” を明かし「こんな⼤巨匠になっても同じことをやっているんだなって、思わず笑ってしまった」と⾔い、前島も「洋の東⻄、この業界は同じということですね」と笑った。

最後、トークに聞き⼊っていた満席の客席に向かって、富貴の「本当に傑作だと思っていて、映画⾳楽仲間だけじゃなく、⼀般の⼈たちにいっぱい宣伝したいなと思うので、ぜひ皆さんもいっぱい宣伝してください」という熱い⾔葉でイベントは締めくくられました。

─────────────

★第35 回 東京国際映画祭 ガラ・セレクション特別上映 決定★

ジュゼッペ・トルナトーレ監督(『ニューシネマ・パラダイス』)が、映画音楽の巨匠、
故・エンニオ・モリコーネの葛藤と栄光に迫る圧倒的音楽ドキュメンタリー。


『モリコーネ 映画が恋した⾳楽家』
(原題:ENNIO)


日本公開日が1月13日(金)に決定!! 
タランティーノ、イーストウッドらが惜しみない賛辞。
〈傑作の名場面とともに、巨匠の伝説を紐解く〉


忘れない──。マエストロが遺した永遠のメロディ。
芸術の深淵を見た彼が、カメラの前で最後に語ったこととは──?
● 本編登場作品(全51登場作品のうち一部)
『荒野の用心棒』(64)、『革命前夜』(64)、『夕陽のガンマン』(65)、『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』(66)、『ウエスタン』(68)、『死刑台のメロディ』(71)、『1900年』(76)、『天国の日々』(78)、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(84)、『ミッション』(86)、『アンタッチャブル』(87)、『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)、『Uターン』(97)、『海の上のピアニスト』(98)、『ヘイトフル・エイト』(15) など

● 出演著名人(一部)
クエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、ウォン・カーウァイ、オリバー・ストーン、ハンス・ジマー、ジョン・ウィリアムズ、ダリオ・アルジェント、テレンス・マリック、ブルース・スプリングスティーン、ベルナルド・ベルトルッチ、ジェイムズ・ヘットフィールド、クインシー・ジョーンズ など
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』
原題:Ennio/157分/イタリア/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/字幕翻訳:松浦美奈 字幕監修:前島秀国
出演:エンニオ・モリコーネ、クリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノほか

公式HP:映画『モリコーネ 映画が恋した⾳楽家』

© 2021 Piano b produzioni, gaga, potemkino, terras
2023年1月13日(金)、TOHOシネマズ シャンテ、
Bunkamura ル・シネマ
ほか全国順次ロードショー

エンニオ・モリコーネ『オフィシャル・コンサート・セレブレーション』

公演概要
★⽇時
・11⽉5⽇(⼟)16:00開場/17:00開演
・11⽉6⽇(⽇)【昼】11:00開場/12:00開演 【夜】15:30開場/16:30開演
★会場:東京国際フォーラム・ホールA
★オフィシャルサイト:エンニオ・モリコーネ『オフィシャル・コンサート・セレブレーション』

商品詳細
エンニオ・モリコーネ
『モリコーネの秘密』


Amazon Music・MP3(2020/11/6)¥2,500
CD(2020/11/6)¥3,080
商品詳細
エンニオ・モリコーネ
『モリコーネ 60』


Amazon Music・MP3(2016/11/11)¥1,500
CD(2016/11/11)¥3,000
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