AORの代表的シンガー/ソングライター、ボビー・コールドウェルが71歳で死去



1978年の「What You Won’t Do for Love」(邦題「風のシルエット」)で知られる米シンガー/ソングライターのボビー・コールドウェル(Bobby Caldwell)が3月14日、71歳で死去しました。

妻のメアリーがSNSで訃報を伝えており、コールドウェルは2017年に抗生物質を服用した後、副作用により両脚のアキレス腱断裂と神経障害を発症し、車椅子、杖、ヘルパーの補助を受けながらパフォーマンスを続けていましたが、健康状態は悪化の一途をたどり、亡くなるまで闘病生活を送っていました。
1951年にNYCで生まれたコールドウェルは、マイアミで育ち、12歳からピアノとギターを弾き始め、マイアミのバンドに加入した後、70年代初期にリトル・リチャードのリズム・ギタリストとして、初めてブレイクしました。

その後ソロになったコールドウェルは、1978年に発表したデビュー・アルバム『Bobby Caldwell』から「What You Won’t Do for Love」が大ヒットし、同曲は後に多くのアーティストにカヴァーされ、2パックがサンプリングした「Do for Love」もヒットしました。

1980年のセカンド・アルバム『Cat in the Hat』からは、「Coming Down From Love」がヒットしたものの、前作ほど成功せず、1982年のサード・アルバム『Carry On』も、プロモーション不足により成功に至らず、失望したコールドウェルは、アメリカでパフォーマーとして姿を消しましたが、アジアでは絶大な人気を誇ったままでした。

この時期、ソングライティングに重点を置いたコールドウェルは、名プロデューサーのデヴィッド・フォスターとチームを組み、コモドアーズやシカゴ、ボズ・スキャッグスらにヒット曲を提供し、特にピーター・セテラとエイミー・グラントに提供した1986年のデュエット曲「The Next Time I Fall」が全米1位に輝き、グラミー賞にノミネートされました。

作曲家として成功したコールドウェルは、続いてポリドールから新アルバムのオファーを受け、80年代のヒット曲を再レコーディングしたアルバム『Heart of Mine』を発表。1989年にリリースされた同作は、新生スムース・ジャズ・ムーヴメント初期の作品として評価されました。

コールドウェルは、90年代以降もアルバムをリリースし続けていましたが、2015年にジャック・スプラッシュとコラボしたアルバム『Cool Uncle』が、最後の作品になりました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。

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