ダリル・ホール、合弁事業の株売却を巡りジョン・オーツを訴える

ダリル・ホールが11月16日、長年のバンド仲間であるジョン・オーツを訴え、ナッシュヴィルの衡平法裁判所に訴状を提出し、オーツに対する接近禁止命令も申請しました。

AP通信などによると、この訴訟は、ジョン・オーツが、グループの資産の一部を管理するために設立された「ホール・オーツ・エンタープライズ」の持ち株をプライマリー・ウェイヴ・ミュージックに売却する計画に関係しているそうで、ホールは、株の売却が業務契約の条件に違反すると主張し、法的手続きと以前に開始された仲裁が継続している間、売却を一時的に阻止するために接近禁止命令を求めたとのこと。

また、新たに公開された裁判文書によると、ホールは、オーツの売却決定に “不意打ちをくらった” と主張し、そのような取引には承認が必要だと述べたほか、オーツが、ホールの最新ツアーの開始と一致するよう意図的に決断のタイミングを計り、ホールに対して意図的に最大限の危害を加えるために “待ち伏せ” し、ホールの注意をそらそうとしたと主張しています。

プライマリー・ウェイヴ・ミュージックは15年にわたり、ホール＆オーツの楽曲カタログの部分的な権益を保有しており、ホールは2021年のインタヴューで、「出版権が売却され、お金が入らなかった」と失望を露わにし、「アーティストは出版権を売却すべきではない。80歳で引退するならアリかもしれないが、それでも僕は勧めない。そういう考えは信じてないからね」と語っていました。

なお、一方のジョン・オーツは、ホールの申し立てに対して提出した法的文書の中で、次のように語っています。

「彼（ホール）が、我々の私的な調停や仲裁の対象となっている問題を公表する決断をしたことに失望しています。誰が、何がダリルをこのような行動に駆り立て、卑劣な発言をさせているのか分かりませんが、私は深く傷ついています」

オーツは、ホールの具体的な主張についてはコメントしていませんが、二人の意見が常に一致している訳ではないものの、共有カタログの保護が優先事項だと強調しました。

「実際ダリルは、私たちが何十年もかけて構築してきた知的財産を保護するために、私と協力することに消極的なのです。私は、ダリルと一緒に作った音楽に対して、我々のファンや世界が持つ重要性と尊敬の念をよく知っています。だからこそ私は、音楽を愛する世界中の人々にホール＆オーツの音楽を楽しみ続けてもらえるよう、我々の知的財産の価値を保護するために懸命に取り組んでいるのです」