【連載・朝日順子】ロック史の現場を見て！食べて！飲む！ ビートルズのインド編 象の背中で揺られる人生とは

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【連載・朝日順子】ロック史の現場を見て！食べて！飲む！　ビートルズのインド編　象の背中で揺られる人生とは

2024.04.22

MUSIC LIFE CLUB 6th Anniversary

【連載・朝日順子】ロック史の現場を見て！食べて！飲む！　ビートルズのインド編　象の背中で揺られる人生とは

朝日順子さんの連載第2弾、インドでビートルズのゆかりの地を巡る旅ももう4回目。今回のお話は前回と打って変わって、落ち着いた旅となっています。しかし内では、4人に対し、特にジョージへの熱い妄想をたぎらせている点は変わりません。

きっとジョージは、もっと静かに過ごしたかったんだろうなあ

第4回　彼の穏やかな性格が偲ばれるエピソードを思い出しながら

ロックの聖地巡りというと、スタジオや生まれた家を訪れるのが相場ですが、インドでのビートルズは観光客だったため、今回のツアーは一見普通の観光と変わらない──でも心の中では熱く4人を妄想しながらの旅になりました。ピンクの都と呼ばれる、ファンタジー溢れるジャイプールは、妄想にはもってこいでした。ピンク色の風の宮殿は、その昔、女性が姿を見られることなく、外の世界を見物した小窓が並んでいます。

ホテルもところどころピンク色で、ウキウキに。冷えたワインが飲みたくなり、注文すると、小ボトルで2500円。北インドでお酒は高額です。インドのワインは初めてでしたが、とても美味しかったです（銘柄は「Sula」、日本でも入手可能）。夕食時には、伝統的な踊りや生演奏を楽しみました。初めて目にするインドのハーモニウムは、アコーディオンに似た構造。より大型のペダル式ハーモニウムを、ジョンはリシケシュ滞在中に楽器店に注文し、それをバンガローの屋上で弾くジョージの写真が残されています。

そんなロマンチックな街を、ポールとジョージは愛する人と訪れています。ポールは夜行列車で、2番目の妻となるヘザー・ミルズと訪れ、「ジャイプールに行くよ夜通し揺られて僕のベイビーと一緒に」と歌う、「ジャイプールへの旅」という曲にしました。彼がヘザーにダイヤとサファイアの指輪を買った、宝石店ジェム・ハウスに、我々も立ち寄りました。

ちょうどホーリー祭の時期だったので、顔に色粉を塗られた人々が楽しそうに歩いていました。ビートルズもリシケシュ滞在中にホーリー祭を祝い、顔中に色粉を付けたポールが、恋人ジェーン・アッシャーの顔に色粉を塗る楽しそうな写真もあります。リシケシュ滞在中にジョージは、聖者の集まるクンブメーラに行きたいと訴えますが、導師マハリシに「ビートルズが象に乗って行くなら許可する」と言われ、「ビートルでいること自体既に、象の背中から人生を見るようなものだ」とがっかりして諦めます。ツアー仲間と楽しく象の背中に揺られながら、そんなジョージの人生に思いを馳せたのでした。

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朝日順子氏による「ロック史の現場を見て！食べて！飲む！」の「ビートルズのインド編」第4回、いかがでしたでしょうか。オールドデリーでの桁違いの喧騒とは対照的なジャイプールののんびりムードは、文章からも写真からも感じ取れますね。ジョージも間違いなくこちらの方が好きだったはず。それにしても、象に乗った写真に映り込む風景は、日本の田舎と変わりないような？　

というわけで、今回こそ正しいインドの楽しみ方ができた朝日さん、次回は最終回！　第5回は月曜が祭日につき4月30日（火）公開、乞うご期待！　मैं हाथी की सवारी करना चाहता हूं（メー・ハーティー・キー・サーヴァーリー・カルナ・チャハター・ホーン）。

朝日順子のサイト

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