「オノさんは『“試練の時”なのよ』と言った」──『ジョン・レノン 失われた週末』松本路子&藤本国彦トークイベント・レポート

現在公開中の映画ドキュメンタリー映画『ジョン・レノン 失われた週末』で、オノ・ヨーコを撮影した写真家・松本路子氏とビートルズ研究家の藤本国彦氏によるトークイベントが開催されました。
〈以下、公式インフォメーションより〉
 
ヨーコとの「別離」が生んだ奇跡の日々
1973年秋からの18カ月、ジョンはどこで何をしていたのか― 50年の時を経て明かされる、真実の物語

 
「オノさんは『(失われた週末は)“試練の時” なのよ』と言った」
オノ・ヨーコを撮影した松本路子&ビートルズ研究家・藤本国彦
ヨーコ視点の「失われた週末」とは…。
オノ・ヨーコの秘蔵写真も公開!! トークイベント・レポート。
ザ・ビートルズのファンには周知の事実ながら、本当の事情はよく知られていない、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが別居していた「失われた週末」と呼ばれるプライヴェートな日々。その時期、ジョンはどこで、誰と、どんな生活を送っていたのか──。

「失われた週末」は本当に「失われ」ていたのか。その真実に迫る奇跡のドキュメンタリー『ジョン・レノン 失われた週末』は、大ヒット公開中!

5月29 日、『ジョン・レノン 失われた週末』大ヒットを記念して、シネクイントにて、オノ・ヨーコと親交のあった写真家の松本路子氏&ビートルズ研究家、藤本国彦氏登壇のトークイベントを開催! 「失われた週末」当時に撮影された貴重なオノ・ヨーコの写真と併せてイベントの模様をお届けいたします!
〈『ジョン・レノン 失われた週末』大ヒット記念トークイベント〉概要

■日時 2024年5月29日(水)
■会場 シネクイント
■登壇者 松本路子(写真家)、藤本国彦(ビートルズ研究家/字幕監修)※敬称略
ジョン・レノンがオノ・ヨーコと離れていた時期、後に「失われた週末」と語られることになった1973年秋からの18ヶ月間。この時、ジョンはメイ・パンという女性と共に過ごしていた。その時、ジョンはどこで、何をしていたのか……、メイ・パンの証言をもとに、ジョンの素顔と知られざる真実に迫る奇跡のドキュメンタリー『ジョン・レノン 失われた週末』が大ヒット上映中だ。

5月29日(水)、『ジョン・レノン 失われた週末』の大ヒットを記念してシネクイントにて18時40分の回の上映後に写真家 松本路子氏と、本作の字幕監修を務めたビートルズ研究家 藤本国彦氏登壇によるトークイベントが行なわれた。
© 撮影 松本路子
オノ・ヨーコとも親交があった松本氏は、1974年の「失われた週末」の時期にダコタハウスに滞在、ヨーコを撮影した写真家だ。作品を観た松本氏は「当時オノさんが『ジョンは私と離れる必要があって、今は私が与えた “試練の時” なのよ』とお話されていたのが記憶に残っています。その “試練” の時期のジョンの様子が垣間見られて興味深かったですね」と、ヨーコの言葉の背景を映画を通して知ることになったと語った。藤本氏は「見方によって印象の変わる、それぞれの人生や人間模様が伝わってくる映画。ジョンとヨーコのアルバム『ダブル・ファンタジー』に、ヨーコが74年に書いた “Hard Times Are Over” という曲があって、“Hard Times” というのはまさに “試練の時” という意味合いだと思うんですけど、様々な思いがヨーコさんにもあったのだろうし、メイ・パンさん、ジョン、ジュリアンにもそれぞれあったのだということが伝わってくる」と指摘した。

写真家を目指し始めた頃に、周囲から「女性がカメラマンになるのは難しい」と言われたことで “女性の生き方” に興味を持ち、様々な女性の写真を撮り始めたと言う松本氏は、「最初はオノさんのお話が印象に残っていたので、この時期にジョンは何をしていたのかな?ということが気になっていましたが、映画を観終わったときに、これは一人の女性の物語でもあるなと胸に迫るものがありました。メイさんが背負ってきた18ヵ月の重みに気持ちが寄り添っていくような気がしました」と語る。松本氏は、現在映画監督として、フランス系アメリカ人のアーティスト、ニキ・ド・サンファルの作品と生涯をたどる映画制作を進めており、ひとりの女性にフォーカスした映画に関心があるからかも知れないと補足した。
藤本氏も「初めて見る写真がたくさん」あると驚く、松本氏が撮影したオノ・ヨーコの写真とともに、「失われた週末」の時期に、松本氏がヨーコと共に過ごしたダコタハウスでのエピソードも紹介された。「映画では違う言われ方をしていましたが、滞在中にジョン・レノンから電話がかかってきたことも何回かありました。『カメラマンを家に泊めて大丈夫か?』とジョンに言われたのよ、と笑いながら言っていました」という知られざるエピソードが飛び出すと観客からは驚きの声が上がった。

その後、1980年代にワシントンやニューヨークで偶然出会い、90年代以降も何度か彼女を撮影する機会があった。ダコタハウス滞在当時は20代だったという松本氏は、当時のヨーコの年齢になった頃から彼女の言葉が実感され、特に「『自由っていうのにも枠があって、その枠はどんどん外していけるのよ』というヨーコさんの言葉に励まされてきた」と語り、イベントを締めくくった。
〈松本路子 プロフィール〉
1950年静岡県生まれ。写真家、エッセイスト。80年代よりニューヨーク、パリを初めとする世界各地の現代を代表するアーティストやダンサーの肖像を中心に作品を発表。数多くの個展、美術館でのグループ展出品のほか、国の内外の美術館に作品が永久収蔵されている。

主な写真集に『ニキ・ド・サンファール』(パルコ出版)『Portraits 女性アーティストの肖像』(河出書房新社)『DANCERS エロスの肖像』(講談社)などがある。ここ数年、エッセイ集を多く出版。1974年にダコタハウスに1週間滞在し、自宅でのオノ・ヨーコさんを撮影。その後も何度か撮影を続けている。

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1973 年秋からの18カ月、ジョンはどこで何をしていたのか──。
「失われた週末」は本当に「失われ」ていたのか。
その真実に迫る奇跡のドキュメンタリー『ジョン・レノン 失われた週末』は
大ヒット公開中!

監督:イヴ・ブランドスタイン、リチャード・カウフマン、スチュアート・サミュエルズ
出演:メイ・パン、ジョン・レノン、ジュリアン・レノン、ポール・マッカートニー、デヴィッド・ボウイ、エルトン・ジョン
2022年/アメリカ/英語/94分/カラー/1.85:1/5.1ch
原題:The Lost Weekend:A Love Story 字幕:松浦美奈 字幕監修:藤本国彦
配給:ミモザフィルムズ
© 2021 Lost Weekend, LLC All Rights Reserved

映画公式HP『ジョン・レノン 失われた週末』

2024年5月10日(金)より角川シネマ有楽町、シネクイント、
新宿シネマカリテ、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか
全国上映中!
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