カントリー・ミュージシャン／風刺作家のキンキー・フリードマンが79歳で死去

カントリー・シンガー／ソングライターで、風刺作家のキンキー・フリードマン（Kinky Friedman）が6月27日、79歳で死去しました。

彼のSNSで訃報が発表されており、フリードマンはテキサス州エコー・ヒル・ランチの自宅にて、パーキンソン病の合併症により亡くなったそうです。

1944年にシカゴで生まれたフリードマン（本名 Richard Samet Friedman）は、翌年家族とテキサスに移り、高校時代からユーモラスな曲を書き始めました。

テキサス大学在学中に、キング・アーサー＆ザ・キャロッツという最初のバンドを結成した後、1973年に幼なじみのジェフ・“リトル・ジューフォード”・シェルビーと風刺バンドのキンキー・フリードマン＆ザ・テキサス・ジューボーイズを結成。グループの最も有名なアルバム『Sold American』には、ホロコーストについてのバラード「Ride ‘Em Jewboy」や、「We Reserve the Right to Refuse Service to You」といった挑発的な曲が収録され、カントリー界でカルト的な人気を博したフリードマンは、1975年～1976年にかけて親友のボブ・ディランとツアーも行なっていました。

1980年代には、自身を現代のシャーロック・ホームズと見なし、キンキー・フリードマンを主人公とする探偵小説を書き始め、彼の小説はビル・クリントンやジョージ・W・ブッシュが愛読していました。

その後、フリードマンは『テキサス・マンスリー』誌のコラムニストになり、州の政治やテキサスの歴史について執筆し、十分な支持を得たフリードマンは、2006年に共和党現職のリック・ペリーに対抗して無所属候補としてテキサス州知事に立候補しましたが、12.6%の得票率で4位に終わり、落選しました。

なお、フリードマンのコンピレーション・アルバム『Why The Hell Not... The Songs Of Kinky Friedman』が2006年にリリースされ、ウィリー・ネルソンやドワイト・ヨーカムらがフリードマの曲をカヴァーしています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。