異色のコンビによる異色の作品──ドーン・リチャード・アンド・スペンサー・ザーンによる印象主義的な音楽的コラボ第2弾

ドーン・リチャードとスペンサー・ザーンは、そもそも全く別ジャンルで活動する男女コンビ。かたやドーン・リチャードの方はショーン・コムズのバッド・ボーイ・レコーズでガール・グループの一員として活動していたR&Bシンガーで、もう一方のスペンサー・ザーンの方はプレイヤーとしてもコンポーザーとしてもマルチな才人。その二人が合わさると環境音楽というか印象派というか、声も楽器の一つと捉えて描かれた音像世界が繰り広げられています。作品は2022年の『Pigments』以来今回の『Quiet In A World Full Of Noise』で2作目となりますが、その音楽世界は今作でも変わっていません。
〈以下、メイカー・インフォメーションより〉

前作『ピグメンツ』はピッチフォークの「ベスト・ニュー・ミュージック」を獲得。

ニューオーリンズのインディ・リズム・アンド・ブルース・シンガーソングライター、ドーン・リチャード(ダニティ・ケイン、ディディ-ダーティ・マネー)と、東海岸育ちのマルチインストゥルメンタリスト、スペンサー・ザーンによるコラボレーション・アルバムの第二弾、『クワイエット・イン・ア・ワールド・フル・オブ・ノイズ』がリリース。

アルバムより、ファースト・シングル「Breath Out」を公開。
●ドーン・リチャード(Dawn Richard)とマルチインストゥルメンタリスト/プロデューサー/コンポーザーであるスペンサー・ザーン(Spencer Zahn)は、マージ・レコーズ(Merge Records)からリリースされる2枚目のコラボレーション・アルバム『Quiet in a World Full of Noise』の為に、再び手を組んだ。リチャードとザーンは、共通の共同作業精神、純粋な音楽的好奇心、ジャンルの慣習から逃れようとするコスモポリタンな熱意を共有している。その共通のヴィジョンが、2022年のアルバム『Pigments』で初めて2人を結びつけ、そして今、『Quiet in a World Full of Noise』で2人は再会を果たした。この作品は、感情的なストーリーテリングにおける大胆な実験であり、静寂、シンプルさ、そして、両極端な文化的風潮の中で違いを超えて活動するアートの青写真でもある。アルバムは親密でスペクタル、そして驚きに満ちており、アトモスフェリックでオーケストレーションされたサウンドスケープと、芳醇なソウル、ジャズ、ジャーナリスティックなヴォーカリゼーションを融合させ、プログレッシヴでアヴァンギャルドなR&Bの定義を拡張している。リチャードは、最も生々しく自身をさらけ出し、トラウマとなるような喪失体験がもたらす感情的な衝撃を、峻烈な歌詞とヴォーカル・パフォーマンスに注ぎ込んでいる。『Quiet in a World Full of Noise』の制作は2023年、ニューヨーク州北部で始まった。別れたばかりのザーンはピアノの前に座り、器楽曲の作曲とレコーディングに没頭した。彼は、標準のピッチではなく、部屋に合わせて型破りに調律されたピアノを使った。これらのレコーディングをアルバムにするつもりはなかったが、6ヵ月後、彼はこのインストゥルメンタルをもう一度聴き、リチャードに送った。そして彼女は、『Pigments』に続くポテンシャルを即座に見出した。リチャードは翌日スタジオに入り、ザーンがピアノでレコーディングしたものにメロディと歌詞をつけた。「私はこれを書き留めずパージした。その後、なんの変更もしなかった。私たち家族はセラピーに対して歪んだ見方をしているので、私は自分自身で多くの癒しをしなければならなかった。だからこれは、その瞬間を世界と共有するという、シビアな開放の瞬間だった」とリチャードは語る。『Pigments』では、より小規模で内向的なミュージシャンがフィーチャーされていたが、『Quiet in a World Full of Noise』では、ストリングスのブライアン・センティ(Bryan Sent)i、ブラスのCJカメリエリ(CJ Camerieri)、そして26人編成のブダペスト・フィルム・オーケストラといった、才能豊かなプレイヤーたちが参加した。

●リチャードとザーンの大胆で印象主義的な音楽的コラボレーションは、紙の上では意外な組み合わせのように感じられる。ニューオーリンズで育ち、先見の明を持つリチャードは、2000年代後半のリアリティ・テレビとガールズ・グループ、ダニティ・ケイン(Danity Kane)のメインストリーム・ポップから、この10年半で最も多作で実験的、かつ注目されるインディR&Bシンガー・ソングライターのひとりとなるまでの、ありえないような道のりを歩んできた。ザーンは東海岸育ちのマルチインストゥルメンタリストで、ジャズ、アメリカーナ、クラシック、アンビエント・ポップの交差点で活動する作曲家である。「私がこれまで制作してきた中で最高のプロジェクトのひとつであり、アーティストとして最も追い込まれた作品だった」と、デュオの初リリース『Pigments』にたいしてリチャードは語る。

■More info:Big Nothing
【リリース情報】2024.10.4 ON SALE[世界同時発売]

ドーン・リチャード・アンド・スペンサー・ザーン
『クワイエット・イン・ア・ワールド・フル・オブ・ノイズ』
Dawn Richard And Spencer Zahn/Quiet In A World Full Of Noise

ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ
MRG864JCD[CD/国内流通仕様]世界同時発売

商品情報
DAWN RICHARD & スペンサー・ザーン
『Quiet in a World Full of Noise』


Amazon Music・MP3(OCT 04 2024)¥1,600

1. Stains
2. Quiet in a World Full of Noise
3. Traditions
4. Diets
5. Stay
6. Life in Numbers
7. Moments for Stillness
8. The Dancer
9. Breath Out
10. To Remove
11. Ocean Past
12. Try

商品情報
ドーン・リチャード・アンド・スペンサー・ザーン
『ピグメンツ』


Amazon Music・MP3(OCT 21 2022)¥1,600
CD(2022/10/29)¥2,530

この記事についてのコメントコメントを投稿

この記事へのコメントはまだありません

ディスク・コレクション ヒップホップ

ディスク・コレクション ヒップホップ

1,980円
ディスク・コレクション ヒップホップ 2001-2010

ディスク・コレクション ヒップホップ 2001-2010

2,376円
ディスク・コレクション 女性シンガー・ソングライター

ディスク・コレクション 女性シンガー・ソングライター

2,530円
ぼくのアメリカ音楽漂流~鈴木カツ ライナーノーツ集

ぼくのアメリカ音楽漂流~鈴木カツ ライナーノーツ集

2,420円

RELATED POSTS

関連記事

LATEST POSTS

最新記事

ページトップ