ホイットニー・ヒューストンの母、ゴスペル歌手のシシー・ヒューストンが91歳で死去

Cissy & Whitney Houston「I Know Him So Well」（Arista ：1988）

ホイットニー・ヒューストンの母で、エルヴィス・プレスリーやジミ・ヘンドリックスらのバックアップ・シンガーを務めたソウル／ゴスペル歌手のシシー・ヒューストン（Cissy Houston）が10月7日、91歳で死去しました。

AP通信によると、アルツハイマー病のホスピスケアを受けていたヒューストンは、ニュージャージー州の自宅にて、家族に見守られながら亡くなったそうです。

ヒューストンは1933年にエミリー・ドリンカード（Emily Drinkard）としてニューアークで生まれ、1938年に姉妹とゴスペル・グループのドリンカード・フォー（Drinkard Four）に加入し、キャリアをスタートさせました。

その後、1963年にホイットニー・ヒューストンを出産したシシーは、同年R&Bヴォーカル・グループのスウィート・インスピレーションズ（Sweet Inspirations）を結成。グループは60年代半ばからジミ・ヘンドリックス、ヴァン・モリソン、アレサ・フランクリン、オーティス・レディング、ウィルソン・ピケット、ザ・ドリフターズ、ダスティ・スプリングフィールド、ディオンヌ・ワーウィックなど多数のアーティストの曲でバック・ヴォーカルを務め、6年以上にわたりスタジオ・グループとして数十枚の名盤に参加したほか、1970年まで、ラスヴェガスに復帰したエルヴィス・プレスリーの公演でバックコーラスも務めていました。

プレスリーのカムバック公演で成功したシシーは、1970年にソロ活動を開始、同年のソロ・デビュー・アルバム『Presenting Cissy Houston』からロネッツのカヴァー「Be My Baby」がチャート入りを果たし、またバック・シンガーとして、ポール・サイモンの「Mother and Child Reunion」（邦題「母と子の絆」）や、リンダ・ロンシュタットの「Heart Like a Wheel」（邦題「悪いあなた」）、デヴィッド・ボウイの「Young Americans」にも参加していました。

シシーは1996年、宗教的な曲をフィーチャーした6作目のソロ・アルバム『Face to Face』を発表し、同作は翌年のグラミー賞「最優秀トラディショナル・ゴスペル・アルバム賞」を受賞、翌1997年のアルバム『He Leadeth Me』もグラミーの同賞を受賞しました。

その後、2006年には姪のディオンヌ・ワーウィック、娘のホイットニーと2007年公開の映画『Daddy’s Little Girls』のサントラ「Family First」を録音し、80歳になった2014年にも、TV番組『The Late Show with David Letterman』に出演し、再びアレサ・フランクリンのバックアップ・シンガーを務めていました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。