クイーンやカーズの伝説的プロデューサー、ロイ・トーマス・ベイカーが78歳で死去

クイーンをはじめとする多数の大物アーティストの作品を手掛けた英・音楽プロデューサー、ロイ・トーマス・ベイカー（Roy Thomas Baker）が4月12日、78歳で死去しました。
 
家族によると、ベイカーはアリゾナ州レイクハヴァスシティの自宅で亡くなったそうですが、死因などは発表されていません。

1946年にノースロンドンのハムステッドで生まれたベイカーは、60年代後半にデッカ・レコードでキャリアをスタートさせ、トライデント・スタジオに移った後、トニー・ヴィスコンティとガス・ダッジョンのセカンド・エンジニアとして、デヴィッド・ボウイ、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、イエス、ムーディー・ブルース、ジンジャー・ベイカーズ・エア・フォース、フリー、T・レックスらのレコーディングに携わりました。
    
その後、独立したベイカーは、クイーン1973年のデビュー・アルバム『Queen』（邦題『戦慄の王女』）から1975年の『A Night At The Opera』（邦題『オペラ座の夜』）に至るまでの4枚のアルバムと、1978年の『Jazz』をプロデュースし、これらの作品から「Killer Queen」や「Bohemian Rhapsody」などの大ヒット曲が生まれました。

クイーンの作品で成功したベイカーは、CBSミュージックとマルチ・アルバムのプロデュース契約を結び、ジャーニー、イアン・ハンター、ロニー・ウッドらの作品や、ザ・カーズ1978年のデビュー・アルバム『The Cars』から1981年の『Shake It Up』に至るまでの4作品もプロデュースしました。

また80年代初頭には、エレクトラ・レコードのA&R部門の上席副社長に就任し、リンジー・バッキンガム、モトリー・クルー、ジョー・リン・ターナー、ドッケンらのプロデュースを担当したほか、メタリカ、シンプリー・レッド、10,000マニアックスとの契約にも携わりました。

このほかにも、ガンズ・アンド・ローゼズ、アリス・クーパー、フォリナー、オジー・オズボーン、ディーヴォ、チープ・トリックらの作品を手掛け、キャリア後半には、ダークネス2005年のセカンド・アルバム『One Way Ticket to Hell... and Back』や、スマッシング・パンプキンズ2007年の『Zeitgeist』などをプロデュースしましたが、イエス2014年の『Heaven & Earth』が最後に手掛けた作品になりました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。