※関連ニュースをご覧になる場合は、こちら↑のタグ(アーティスト名/項目)をクリック。
多くのスターが参加したチャリティ・アルバム『Help!2』3月リリース。その制作の舞台裏
この時行なわれていたのが、紛争地などで戦禍を受けた子供たちを支援する団体、ウォーチャイルド(Warchild)UKに協力してワールド・クラスのスターたちが大挙集結し制作された新たなチャリティ・アルバム『Help!2』のレコーディングです。公表されたトラックリストは、さながらインディ・ロック界の重要人物カタログでした──ウェット・レッグ、ザ・ラスト・ディナー・パーティー、ウルフ・アリス、フォンテーンズDC、ニルファー・ヤンヤ、キャメロン・ウィンター、エズラ・コレクティヴ、フォールズ、そしてヤング・ファーザーズ……。
今回のアルバムは1995年の『Help!』の精神をそのまま継承したプロジェクトです──ブリットポップ全盛期に制作され、ポール・ウェラー、レディオヘッド、スウェード、ポール・マッカートニー、KLF、ポーティスヘッド、マニック・ストリート・プリーチャーズ等がフィーチュアされていた前作は、オアシスとブラーが後々語り草にもなった(激しい舌戦を伴う)チャート・バトルを繰り広げたほんの数か月後に、同じレコードに参加した唯一の機会としても有名です。
ノエル・ギャラガーは当時こう語っていました。「大義のためには考え方の違いなんてものはお互い脇にどかすことにしたんだ。もっとも、俺たちが見解の一致を見るのはきっとこれが最初で最後だろうけどな」
こうして完成した前作は発売初週で7万枚を売り上げ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナなどの紛争地で戦禍に苦しむ子供たちを助けるために、総額125万ポンド近く(=2億6,000万円 ※現在のレート)の寄付金が贈られました。
『Help:Artists for War Child』
(War Child Records:1995)
1. Oasis and Friends(Johnny Depp, Kate Moss, Lisa Moorish)「Fade Away」
2. The Boo Radleys「Oh Brother」
3. The Stone Roses「Love Spreads」
4. Radiohead「Lucky」
5. Orbital「Adnan」
6. Portishead「Mourning Air」
7. Massive Attack「Fake the Aroma」(alternate version of「Karmacoma」)
8. Suede「Shipbuilding」
9. The Charlatans vs. The Chemical Brothers「Time For Livin'」
10. Stereo MCs「Sweetest Truth(Show No Fear)」
11. Sinéad O'Connor「Ode to Billie Joe」
12. The Levellers「Searchlights」
13. Manic Street Preachers「Raindrops Keep Fallin' on My Head」
14. Terrorvision「Tom Petty Loves Veruca Salt」
15. The One World Orchestra featuring The Massed Pipes and Drums of the Children's Free Revolutionary Volunteer Guards「The Magnificent」
16. Planet 4 Folk Quartet(Andrew Weatherall and David Harrow)「Message to Crommie」
17. Terry Hall「Dream a Little Dream of Me」
18. Neneh Cherry and Trout「1, 2, 3, 4, 5」
19. Blur「Eine kleine Lift Musik」
20. The Smokin' Mojo Filters(Paul McCartney, Paul Weller, Noel Gallagher, Steve Cradock, Steve White, Carleen Anderson)「Come Together」
パルプのジャーヴィス・コッカーはこう語ります。「今現在、本当に毎日良くないことばかりが起きていて、多くの人々が無力感を感じていると思う。みんなニュースを観ながら、一体どうしたらいいのか分からずにいるんだよね。だからこのアルバムが、そういう人たちを楽しませると同時に、このアーティストたちはポジティヴな状況転換を図ろうとしているって知ってもらうきっかけになればと思っているんだ」
アルバムからのファースト・シングルはアークティック・モンキーズの2022年以来の新曲「Opening Night」です。アレックス・ターナーが暗黒時代における希望を歌いあげるこの曲は、ドラマーのマット・ヘルダースによれば、数年前から作りかけのまま放置してあった素材を、ウォーチャイルドからの連絡を受けて急いで完成させたもので、歌詞には軍隊の召集のようなイメージを投影したと言います。「チャリティ・レコードって言うとカヴァーに走ったり、普段とは違うコラボレーションを試みたりすることが多いけど、俺たちはレコード作るのが好きだし、スタジオで過ごすのも好きだから、自分たちで書いた曲を仕上げられて良かった、やってて楽しかったよ」
マット・ヘルダース「子供たちはみんなフリー・アクセスでそこら中ウロチョロしてて、そのせいで普段のレコーディングとは空気が全然違ったんだ。スタジオって基本的に硬質で無機質で、見方によっては無味乾燥な環境とも言える。でも彼らが歩き回って、色んなものにぶつかったりしてると、それだけで何だか愉快な場所になってさ」
つまるところ、彼は子供たちの存在のおかげで解放感を味わえたのです。彼らが全く興味を示さなかったことをきっかけに彼は、スタジオ・レコーディングとは楽曲の「完璧な、決定版となるヴァージョン」を記録すべきものであるという固定観念から脱することができたのでした。その結果として、パルプの提供曲「Begging For Change」はライヴ・バンドらしい自由なフィーリングが感じられるナンバーに仕上がり、アルバムの自然発生性や共同体的な感覚をそのまま体現するものとなりました。
実のところ、若きカメラ・クルーはレコーディングにも参加しています。
コッカー「面白かったよ、何しろ子供たちっていうのは絶えず『うるさいよ、こっちは考え事してるんだから』とか、『シーーッ、パパは二日酔いなんだ』とか言われてるだろ。だからちょっとでも大声出していいって言われたら、みんなそのチャンスを逃さず、ちゃんとその通りにしてくれるんだ。僕らの曲に彼らの絶叫を入れてみようってことになって頼んだら、まあそれはそれは上手にやってくれたよ」
その曲を実際に聴くには、3月6日の『Help(2)』発売日まで待たなければなりませんが、レコード・レーベルとプレス工場から無償で協力を得られることになったおかげで、アルバムの価格設定は通常の作品よりも割安になっており──2枚組ヴァイナルで26ポンド前後(=約5,500円)──ウォーチャイルドはその収益の全額を受け取ることになっています。
store.warchild.org.uk
Various Artists/War Child Records
『HELP(2)』
Amazon Music(MAR 06 2026)
■『HELP(2)』参加アーティスト(アルファベット順)
アークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)
アーロ・パークス(Arlo Parks)
アルージ・アフタブ(Arooj Aftab)
バット・フォー・ラッシーズ(Bat for Lashes)
ビーバドゥービー(Beabadoobee)
ベック(Beck)
ベス・ギボンズ(Beth Gibbons)
ビッグ・シーフ(Big Thief)
ブラック・カントリー・ニュー・ロード(Black Country, New Road)
キャメロン・ウィンター(Cameron Winter)
デーモン・アルバーン(Damon Albarn)
デペッシュ・モード(Depeche Mode)
ダヴ・エリス(Dave Ellis)
エリー・ロウゼル(Ellie Rowsell)
イングリッシュ・ティーチャー(English Teacher)
フォールズ(Foals)
フォンテインズ D.C.(Fontaines D.C.)
グレアム・コクソン(Graham Coxon)
グリーンティー・ペン(Greentea Peng)
グリアン・チャッテン(Grian Chatten)
ケイ・テンペスト(Kae Tempest)
キング・クルール(King Krule)
ニルファー・ヤンヤ(Nilufer Yanya)
オリヴィア・ロドリゴ(Olivia Rodrigo)
パルプ(Pulp)
サンファ(Sampha)
ザ・ラスト・ディナー・パーティー(The Last Dinner Party)
ウェット・レッグ(Wet Leg)
ヤング・ファーザーズ(Young Fathers)
この記事へのコメントはまだありません
RELATED POSTS
関連記事
-
2025.11.14 パルプ、米ラジオ番組『Tiny Desk Concert』で4曲をパフォーマンス
-
2025.11.12 2026年「第68回グラミー賞」ノミネート作品発表 ※11/13更新ずみ
-
2025.09.24 デペッシュ・モードの新コンサート映画『Depeche Mode: M』、トレーラー公開
LATEST POSTS
最新記事
-
2025.01.07 クイーン関連 最新ニュース(2026/1/27更新)
-
2024.04.04 ザ・ビートルズ関連 最新ニュース(2026/1/16更新)
-
2023.03.07 直近開催予定のイベントまとめ(2026/1/27更新)