孤高の天才ピアニスト、ジェイムズ・ブッカー──映画『ジェイムズ・ブッカー/愛すべきピアノ・ジャンキー』5/29(金)公開
ニューオーリンズの名だたるピアニストの中で一際異彩を放つ、隻眼の天才ピアニスト=ジェイムズ・ブッカー。いろいろと説明しづらいのだけれども……やっぱり天才。そんなブッカーの生涯を追ったドキュメンタリー映画が公開になります。日本版監修はあの久保田麻琴氏。5月29日(金)公開です。
才能に溢れ、薬物に溺れたピアニストの、
誰も知らない“ヒューマン”ノンフィクション。
本名ジェイムズ・キャロル・ブッカー3世。あのドクター・ジョンにオルガンを教え、彼をして「ニューオーリンズが生んだ最高の黒人、ゲイ、ジャンキー、片目のピアノの天才」と言わしめた孤高の天才ピアニスト。クラシックからジャズ、R&B、ロックなどのジャンルを横断する超絶テクニシャンであり、歌も達者なアーティストであるにもかかわらず、彼は薬物・アルコール中毒、同性愛、精神疾患など、多くの問題を抱えた人物でもあった。奇言・奇行の噂は枚挙にいとまなく、入所歴まである問答無用のダメ人間。だが、ひとたびピアノに向かえば、そのプレイは軽々とジャンルを超えた神々しいまでの輝きを放つ──。その茶目っ気たっぷりなキャラクターからは破滅型人間に特有な悲壮感など微塵も感じられない。片目のハンデを逆手に取り、常に粋な眼帯を装着したルックスも彼の愛すべきチャームポイントのひとつなのだ。
わずか43歳という短い人生を生まれ故郷ニューオーリンズに捧げた、この知られざる個性派ミュージシャンの生涯を、エモーショナルな演奏シーンをふんだんに盛り込み紐解いていく、エキセントリックな音楽 “ヒューマン” ノンフィクション。ハイライトになるような華々しいキャリアはない。だが、“音楽が最高なら、それだけで価値がある” ──本作は心の底からそう思わせてくれる映画だ。
★予告編解禁
本予告編には、1970年代にニューオーリンズで実際にジェイムズ・ブッカーのライヴを観たことがある日本のレジェンド・ミュージシャン/プロデューサー、エンジニアの久保田麻琴が監修で参加。ブッカーへの思い入れが人一倍強い久保田は、「ジェイムズ・ブッカーの映画が日本で公開されるなんて夢のよう。せめて予告編の編集くらいは手伝わせてもらうよ。ニューオーリンズとリリー・キーバー監督とブッカーに感謝を込めて」とコメント。彼のブッカー愛がこめられた、まるでMVのようなブッカーのご機嫌な音楽と映像が満載の予告編に仕上がっている。また、ブッカーと親交が深かった3人のニューオーリンズレジェンド、アラン・トゥーサン、ハリー・コニックJr、ドクター・ジョンからブッカーへの敬愛の言葉が紹介されている点にも注目だ。
ジェイムズ・キャロル・ブッカー
JAMES CARROLL BOOKER III
1939年12月17日、米ルイジアナ州ニューオーリンズで牧師の息子として生まれる。彼は幼い頃から鍵盤楽器に興味を示し、父親の教会でオルガンを弾くようになった。10代になったブッカーは次第にその頭角を現し、11歳で地元のゴスペル・ラジオ局でピアノを披露するようになる。14歳のときにはインペリアル・レコードでリトル・ブッカー名義で初のレコーディングを行ない、また、同レーベルのスタジオ・ミュージシャンとして活動を開始する。
1961年、ソロ名義のインストゥルメンタル・シングル「Gonzo」をリリース。これがスマッシュ・ヒットとなり、60年代には主にセッション・ミュージシャンとして数多くのアーティストのレコーディングやツアーに参加した。当時彼がバックを務めたアーティストには、ウィルソン・ピケット、B.B.キング、ロイド・プライス、ジュニア・パーカー、ファッツ・ドミノ、リトル・リチャードなど錚々たる面子がいる。
1967年、ヘロインの不法所持で有罪となり、アンゴラ刑務所に1年間服役。このため一時的に活動の中断を余儀なくされたが、出所後すぐにセッション・ミュージシャンとしての活動を再開。1976年には、ニューオーリンズのシーセイント・スタジオでファースト・アルバム『ジャンコ・パートナー』のレコーディングを行なった。
一方、ブッカーは地元のメイプル・リーフ、ティピティーナス、スナグ・ハーバーといったクラブへ常連で出演。またニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルにも参加するなど、ライヴ活動も積極的に行なっていった。70年代後半にはソロでヨーロッパ公演も行ない、各地で熱狂的に迎え入れられ、現地でライヴ・アルバムのレコーディングやリリースも行なっている。
しかし、この頃からブッカーはアルコール中毒と麻薬中毒に加え、精神疾患を患い、体調を崩していった。演奏も調子の良いときと悪いときの落差が激しくなり、また奇言・奇行も目立つようになった。1982年のセカンド・アルバム『Classified』のレコーディングの際には直前に倒れて入院する事態となったが、奇跡的にアルバムは完成した。だが、これが彼の生前最後のスタジオ作品となってしまった。
1983年11月8日、コカインの過剰摂取で倒れ、ニューオーリンズのチャリティー病院で死去。彼はひとりで救急車を呼び、車椅子で病院の救急治療室で診察を待ちながら息絶えた。死因はヘロインとアルコールの常習による腎不全、享年43歳だった。
AWARDS
SXSW映画祭2013 プレミア上映
ニューオーリンズ映画祭2013 ルイジアナ映画観客賞・審査員特別賞
オクスフォード・アメリカン誌・最優秀南部映画賞
フェアホープ映画祭2013 審査員大賞
ロジャー・エバート映画祭2014
アズベリーパーク音楽映画祭2016 パラマウント賞
ビックリバー映画祭2016 ジョージア・フィルムメーカー・オブ・ジ・イヤー
彼が片目になった理由には、噂や憶測、流言も含めて様々な説がある。マフィアの借金の片に片目を取られた。マフィアに指か目かどちらか差し出せと迫られ、目を差し出した。刑務所で暴行を受けて失明した。喧嘩で目をつぶされたが、その相手はリンゴ・スターで、その証に彼のアイパッチには星(スター)が付いている、などなど。
一度聴いた曲はすぐに演奏することができた。さらに、右手と左手で同時に違う曲を演奏できた。
ドクター・ジョンにハモンド・オルガンを教え、彼のバックバンドではキーボードを担当した。またハリー・コニックJr.には幼少時からピアノの家庭教師を務めた。
スタジオにはシラフで来たことがなかった。またドラッグでハイになっているときは休憩なしで何時間でも演奏を続け、スタジオ関係者を呆れさせた。
薬物中毒でアンゴラ刑務所に収監されたが、刑務所内では常に人気者で、ピアノを演奏することを求められ、本人も気さくに応じていた。
ゲイだった彼は、ライヴで演奏しながら、好みの客を物色し、気に入った相手が見つかれば、すぐさまアイパッチを新しいものに取り替えてアピールした。
ツアーの時を除き、故郷のニューオーリンズを離れなかった。その理由について彼は「ニューオーリンズにはすべての音楽がある。だから他の場所に行く必要がないのさ」と語っている。
ツアーでニューオーリンズにやって来たローリング・ストーンズから、我々の船上パーティーでぜひピアノを弾いてほしいと懇願されたが、「水辺が嫌い」という理由であっさり断った。
ハリー・コニックJr.の父親で、ニューオーリンズの地方検事だったハリー・コニック・シニアとは昵懇の仲で、息子にピアノを教える代わりに懲役刑を免除してもらう取り決めを交わしていた。また彼の勧めで市役所の仕事に就いたこともあったが、酒とドラッグを断ち切れず、すぐに解雇されている。
・監督:リリー・キーバー
・出演:ジェイムズ・ブッカー、ドクター・ジョン、ハリー・コニックJr.、チャールズ・ネヴィル、アラン・トゥーサン、アーマ・トーマス、ヒュー・ローリー、ジョー・ボイドほか
2013年/アメリカ/98分/1.78:1/原題:BAYOU MAHARAJAH/日本語字幕:小山朋子/字幕監修:ピーター・バラカン/配給・宣伝:キングレコード
©2016 BAYOU MAHARAJAH,LLC
公式サイト:james-booker.com/公式X:JB_piano_junkie
5.29 FRI シネマート新宿、恵比寿ガーデンシネマ、
アップリンク吉祥寺ほか全国ロードショー
RECOMMENDATION
★第1弾コメント
・矢野顕子(ミュージシャン)
精神疾患も飲酒も麻薬も無い、音楽のかたまりのジェイムズ・ブッカーが紡ぎ出す音は、歓びと美しさに満ちていたに違いない。この映画のなかで、様々なものを抱えてはいても、それでもなお彼のピアノはすばらしい。
・久保田麻琴(プロデューサー・エンジニア)
ニューオーリンズでは誰もがこの人間離れしたジェイムズ・ブッカーを、畏怖と呆れを持って称賛する。現地で見たアラン・トゥーサンとの連弾Liveは生涯忘れない。奇跡的なこの映画、BAYOU MAHARAJAHと監督、リリー・キーバーに感謝!
・ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
ニューオーリンズが生んだ名ピアニストの中で、一般的な知名度を得られずに多くのミュージシャンに天才と崇められたジェイムズ・ブッカーは、摩訶不思議なキャラクターでしたが、彼の演奏を聞けば必ずファンになるはずです。
・陶守正寛(音楽ライター)
ブッカーのドキュメンタリー映画ができたと最初に聞いたときはビックリするやら歓喜するやらで、そわそわしてしまいました。誰もが認める圧倒的なテクニックも去ることながら、その強烈な個性はまさに唯一無二。この映画は、そんな彼の華やかながらも破滅的な人生を見事に描き出しています。貴重な演奏映像だけでも見る価値は十分です。完成から10年あまり。遂に日本の劇場でそれを見られる喜びを噛みしめましょう!
★第1弾コメント
・大槻ケンヂ(ミュージシャン)
観てよかった。正直ブッカーのことをほとんど知りませんでした。でも彼がいわゆるころがるピアノの達人であり、その人生も、またころがるようにあっという間に終わってしまったんだなぁと。天才の狂気と儚さを知れて、観てよかったです。
・臼井ミトン(シンガー・ソングライター/ラジオ・パーソナリティ)
うぉぉぉ! 僕がドクター・ジョンの教則ビデオで習ったピアノフレーズの数々が映画全編に渡って散りばめられている!! そう、何を隠そうあのドクター・ジョンにオルガンの手解きをしたのはジェイムズ・ブッカー。ニューオーリンズの音楽の歴史を10本の指で表現した鍵盤の魔術師。彼の人生の混沌と音楽への愛情(と倒錯!?)は、まるでこのニュー・オーリンズという街をそっくりそのまま表しているよう。全てのアメリカン・ルーツミュージックファン、いや、全音楽ファン必見!
・Dr.kyOn(ミュージシャン)
ある時はファンキーにオルガンを操るビリー・プレストンを凌ぎ、ある時はお茶目でゴキゲンに爆発、でも恐ろしく切ないエルトン・ジョンを彷彿とさせる。そしてニッキー・ホプキンス……。いやいや誰よりも華麗なピアノ一音一音に込められた、超絶なテクニックを超えたところにある魂の響き。惚れて、惚れて、惚れてまうやろ。フォンクなファッションも必見。
・山岸潤史(ギタリストfromニューオーリンズ)
神さまから与えられた感性を自由な自然の中で表現した男こそジェイムズ・ブッカー。ピアノプレイだけで無く歌ってる事の意味。この映画が日本で公開される事に感謝! 天使と悪魔が同居した男……Down the Road Junco Partner!!
★映画公開記念イベント情報(第1弾)
映画公開を記念したイベントが横浜で開催決定!
★ピーター・バラカン × ジョージ・カックル2番勝負
・日程:2026年6月3日(水)
・出演
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
ジョージ・カックル(DJ・パーソナリティ)
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