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【イベント・レポート】2026年3月14日 彩の国  さいたま芸術劇場(小ホール)

まるでそこにアーティストがいるみたい♫〜高音質&大音響で楽しむレコード聴き語りLive開催

2026年3月14日 彩の国  さいたま芸術劇場(小ホール)にて「希望{ゆめ}の競演 レコード聴き語りLive」が開催された。レーザーターンテーブルという針を使わないレコードプレイヤーを使い、アナログ・レコードの情報を取り出し、高音質&大音響で楽しもうというイベント。まずは同製品を製造している株式会社エルプ(ELP)の担当者、竹内さんが挨拶し、音に対する期待感が高まる。

紹介されるアーティストは、エルヴィス・プレスリー、クイーン、ウイングス&ポール・マッカートニー。 “聴き語り人” として、R&Rロカビリー歌手/プレスリー研究家のビリー諸川さん、MLCクイーン・コンシェルジュ 吉田聡志、ラジオ番組『ビートルズ10』のパーソナリティを務めるカンケさん&ポール・マッカートニー研究家 梅市権索さんが登壇。アーティスト&レコードに対する愛情を軸に、それぞれ違った角度のアプローチで曲を紹介していった。

◉ エルヴィス・プレスリー
〈エルヴィス・プレスリーに惚れ抜いて53年〉というビリー諸川さんが登壇。1956年に発売されたメジャー・デビュー盤『エルヴィス・プレスリー登場!』収録楽曲をエピソードを交えながら順に聴いていくスタイルで進められた。最初のレコーディングを行なったインディ・レーベル「サン・レコード」、そこでエルヴィスの才能に惚れ込んで彼を育てたレーベル・オーナー、サム・フィリップスの行動力、インディでは収まりきれないエルヴィスがメジャーのRCAレコードに移籍していく中で作られたデビュー盤だけに、そこに様々な人が関わり、エルヴィス本人のレコーディングにかける情熱を具現化していく物語が語られていった。クリアな大音量で聴く当時のエルヴィスの凄さを改めて感じながら、気がつくと一枚紹介時でほぼ予定時間を使い尽くしてしまっていた。そこでビリーさんはセカンド・アルバム『エルヴィス』からはとっておきの曲として「ブルー・ムーンがまた輝けば」「のっぽのサリー」ほか4曲をピックアップ。そのヴォーカリスト、パフォーマーとして進化し続けている当時21歳のエルヴィスの姿を浮かび上がらせた。エルヴィス・コーナーの最後はELPの竹内さんも交えてその音の凄さを称賛した。

〈レーザーターンテーブルで試聴した楽曲〉

■『エルヴィス・プレスリー登場!』
A面

「ブルー・スエード・シューズ」
「当てにしてるぜ」
「アイ・ガット・ア・ウーマン」
「ワン・サイデッド・ラヴ・アフェア」
「アイ・ラヴ・ユー・ビコーズ」
「ジャスト・ビコーズ」
B面
「トゥッティ・フルッティ」
「お前が欲しくて」
「座って泣きたい」
「あなたを離さない」
「ブルー・ムーン」
「マネー・ハニー」

■『エルヴィス』
「陽気に行こうぜ」
「ラヴ・ミー」
「ブルー・ムーンがまた輝けば」
「のっぽのサリー」
◉ クイーン
まずは、音楽を聴いてステージのクイーンの勇姿を脳内再現してください──と1984年「LIVE AID」の「ボヘミアン・ラプソディ」のバラード部分に乗ってクイーン・コンシェルジュ 吉田聡志が登壇。

今回のメインテーマは大音量のアナログ盤で聴くクイーン。初期のレア音源も交え、まるでライヴ会場にいるかのようなサウンドでその栄光の歩みを聴いていく。そして音とじっくり向かい合う中で「ボヘミアン・ラプソディ」の成り立ちに焦点を絞り、あの複雑な楽曲に至るクイーンの道のりをそれまでの楽曲を聴きながら時間軸を辿り探っていく流れとなった。

まずは「ボヘミアン~」で耳に付くピアノの音。曲が展開されハードロック・サウンドになっても生ピアノの音が前に出てフィーチュアされていく音作りであることが語られ、その原点として例として挙げられたのがファースト・アルバム『戦慄の王女』に収録されている「マイ・フェアリー・キング」。実際に1973年発売のアナログ盤で聴くと、このサウンドには生ピアノ以外にありえない──というくらい前面に押し出された作り。そして歌詞の面で、「マザー・マーキュリー」というフレーズが出てくる事も「ボヘミアン~」につながる注目ポイントとして挙げられた。

続いて、ブライアン・メイ自身も「この曲がなければ “ボヘミアン~” はなかった」という『クイーン II』に収録されている「マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン」。「いい曲が3曲できたらそれを組み合わせることで、それぞれのパートが素晴らしく噛み合い3倍以上すごい曲になる」と言うコンシェルジュ。しかもフレディ・マーキュリーはもちろんロジャー・テイラーも、ブライアン・メイも素晴らしい声を持ち、それをハーモニーを構成する音毎に録音し重ねることで、結局9人が3声コーラスを歌っているように聞こえることも語られた。

そして最後にかけられたのが1975年英国発売の『オペラ座の夜』のオリジナル盤、それもファースト・プレスで、マトリックス番号も一番若いという超貴重盤。「メンバー4人が初めてでき上がったレコードを、多分目の前の大きなスピーカーで聴いた時と同じ状況だと思います」と紹介。さらに本作のプロデューサー、ロイ・トーマス・ベイカーが明かした、曲頭の歌の背景に登場するジョン・ディーコンのベース音の録音秘話も。なんとあのベースの音はミキサー卓に直接つないだダイレクト音、ベース・アンプを鳴らした音、スタジオ空間のアンビエント音3つのミックスとのこと。そういったエピソードをふまえ最後に「ボヘミアン・ラプソディ」がかけられた。

実際に、最初のコーラス部分が聴こえた瞬間、まるでステージの暗闇の中でクイーンが歌っているかのような感覚に襲われ、さらにピアノ〜フレディの歌声〜バンド・パート〜オペラ・パート〜と続く展開が、アナログ盤+レーザーターンテーブル+大音量再生ならではの臨場感満載のサウンドで全身を包んでくれた。
◉ ウイングス&
ポール・マッカートニー

『ウイングス・オーバー・セブンティーズ』
カンケさん、 梅市権索さん共にある意味非常にマニア度の高いお二人。なんと今回はウイングス名義のオリジナル・スタジオ・アルバム7枚から、カンケさん、梅市さんが〈BEST作などに収録されていない曲〉という条件付きでプレイリストを作成。互いの選曲を見せ合わずに、アルバム毎にジャンケンで勝者の選曲をかけるという超マニアックな構成で行なわれた(2回連続して負けると次は選曲権獲得)。そして、なんと予想通りというかマニア目線が合致するのか、前半は二人が同曲を選ぶ──ということもありジャンケンの意味が無いような場面も。結果として通常のアルバム紹介ではかかることも少ないであろう曲を大音量で聴くことができ、ウイングス/ポール・マッカートニーの出自、原点が浮き彫りになった。


●『ワイルド・ライフ』対戦
じゃんけん対決:○ カンケ × 梅市(同曲選)


選曲:「マンボ」

カンケ:ラフなバンド感満載、アフロ感に満ちたウイングス・デビュー作。しかし売れているにも関わらず評論家からはこっぴどく叩かれたアルバム。
梅市:目を瞑って聴いてるとアビー・ロード・スタジオでのメンバーが見えました。


●『レッド・ローズ・スピード・ウェイ』対戦
じゃんけん対決:○ カンケ 「ワン・モア・キス」× 梅市

選曲:「リトル・ラム・ドラゴンフライ」

カンケ:前作の悪評もあって、レコード会社からバンド名をポール・マッカートニー&ウイングスに変更されました。
梅市:この音響で聴くとこのまま音に包まれていたい、ウイングスがいるように感じます。


●『バンド・オン・ザ・ラン』対戦
じゃんけん対決:○ 梅市 × カンケ(同曲選)

選曲:「ノー・ワーズ」

カンケ:アフリカ録音ですけど、ポールの場合必ずその土地の特色が音に活かされないんですよ。
梅市:アフリカに立つ前にメンバー2人が辞めて。その内のヘンリー・マッカロックにインタビューさせていただいたことがあります。


●『ヴィーナス・アンド・マース』対戦
じゃんけん対決:○ カンケ × 梅市 同曲選


選曲:「ヴィーナス・アンド・マース(リプライズ)」

カンケ:ニューオリンズ録音、ジャケット・アートワークがヒプノシス。何度見ても素敵です。ジョン・レノン参加予定もありましたが叶わなかった。この曲は遠くへ遠くへ連れていってくれます。歌が終わってからのコードを繰り返すところが好きです。
梅市:このアルバムの新生ウイングスに最初加わっていたドラマー、ジェフ・ブリットンは日本人空手家の弟子でした、後に極真空手に移るカール・パーマーも同じく弟子。


●『スピード・オブ・サウンド』対戦
じゃんけん対決:○梅市 × カンケ


選曲:「愛の証」"Beware My Love"

カンケ:頂点を獲ったウイングス、ワールド・ツアーと並行して制作されたアルバムです。ちなみに僕が選んだのはジョー・イングリッシュが歌った「マスト・ドゥ・サムシング・アバウト・イット」でした。
梅市:ライヴ・アルバム『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』での印象が強いと思いますが、オリジナルはこちら。中盤から徐々に変わっていくのですが、頭のアコースティクな部分がめちゃくちゃいいんです。

左:梅市権索さん、右:カンケさん

●『ロンドン・タウン』対戦
じゃんけん対決:○ カンケ × 梅市


選曲:「なつかしの昔よ 」”Backwards Traveller"
~「カフ・リンクをはずして」”Cuff Links"


カンケ:手前のシングル「夢の旅人」はウイングス最大のヒットでしたがこのアルバムは2位止まり」相手が悪かったですね、『サタディ・ナイト・フィーヴァー』ですから。僕が選んだのは2曲が短いメドレーになっています。
梅市:アルバム・ジャケットは本作もヒプノシス。元メンバーのオーブリー・パウエルは立ち話で、「ヒプノシスでも失敗はあるんだ」と言ってました。アルバムはケルティック風味を感じるいい作品だと思うんですけど。


●『バック・トゥ・ジ・エッグ』対戦
じゃんけん対決:○ 梅市 不戦勝 × カンケ 同曲選

選曲:「ソー・グラッド」"So Glad To See You Here」


カンケ:同じメンバーで演った「ロケストラのテーマ」はよくかかるんですが、今日は「ソー・グラッド」を大音量で!
梅市:これはポールのパンク・ロックですよね、間奏もなくキーもGですごく高いのをシャウトしてる。

カンケ:ようやくラスト・アルバムに辿り着きましたが、最後に《オリジナル・アルバム未収録》曲の対戦を。この選曲は悩んだでしょう? これは選んだ曲を発表してからジャンケンしましょう。梅市さんは何を?
梅市:「サリーG」
カンケ:え~~! 僕も最初は「サリーG」でした、それを泣く泣く諦めて別の曲「セイム・タイム・ネクスト・イヤー」を選んだんです。
梅市:僕もその曲は考えたんですよ。
竹内:これ、両方かけましょう。実は梅市さんリクエスト曲は栃木に在庫してあるのを2回も取りに行って手間がかかってるので(笑)。
カンケ:じゃあ最初に軽快なカントリー調の「サリーG」、続いてバラードの「セイム・タイム・ネクスト・イヤー」を。


選曲1:「サリーG」

選曲2:「セイム・タイム・ネクスト・イヤー」

カンケ:「サリーG」はシングル「ジュニアーズ・ファーム」のB面、「セイム・タイム~」は1978年『バック・トゥ・ジ・エッグ』のセッションの未発表曲。その後1990年のシングル「プット・イット・ゼア」のB面に入りました。この曲、歌詞も曲も良くて大好きなんです。
梅市:ウイングス最後のギタリスト、ローレンス・ジューバーが1978年5月に加入して最初のセッションでやったのが「セイム・タイム~」だって言ってました。
カンケ:ということで、「ウイングス・オーヴァー70’S」として70年代を渡りきることができました、いかがだったでしょうか(場内大拍手)。ありがとうございます。
梅市:ありがとうございます。

この後、恒例となっているポール・マッカートニー&ウイングス・トリビュート・ライヴ「WINGSFAN Over Wings Over America」のライヴ・イベント(6月7日開催)が紹介され、最後はカンケさん、梅市さん、エルプの竹内さんを来場者有志が囲む形で記念写真撮影が行なわれた。

◉イベント参加の方々の声

▪レコードの音が生々しく甦り、1956年の19才のエルヴィスが会場に降りてきました。ビリー諸川さんのマニアックな解説も最高でした。是非続きをお願いします。
▪出演者の皆さんも言っていたように、会場に広がるレコード音の臨場感が素晴らしかったです。
▪レコードのサウンドと出演者によるアーティストや楽曲の話、制作の裏話など聞けてとても楽しかったです。選曲が素晴らしかったと思いました。
▪音の良いレコードとゆったりとした会場で、“聴き語り人” による各アーティストへの愛情いっぱいのトークを体験できて素晴らしい音楽時間を過ごせました。
▪レコードのアナログサンドを大音量で浴びられて気持ち良かったです!
▪クイーンの音楽トークがとても分かりやすく、心に残りました。音も素晴らしく、コンサート会場にいるようで楽しめました。
▪最高でした。レコードを買いたくなりました。
▪体中に響きわたる素晴らしい音で大感動です。明日からの活力になりました。ありがとうございます。
▪大音響でクィーンが聴けたのは幸せな時間でした。レコードは音がやわらかでいいですね。次回はクィーンのライヴ・アルバムを体感したいです。

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【ポール・マッカートニー&ウイングス祭り】

WINGSFAN Over Wings Over America

■日時:6月7日(日)13:30 開場、14:00 開演、17:30 終演(予定)
■会場:六本木バウハウス(東京都港区六本木7-13-2 アーバンビルB1F)
■料金:4,000円
■出演:Silly Willy with The Philly Band , 梅市's Last Words , Power Of Wings and more
■チケットのご予約とイベント詳細はこちら
THIS IS ELVIS! エルヴィス・ミュージック・ガイド

THIS IS ELVIS! エルヴィス・ミュージック・ガイド

3,300円

監修:ビリー諸川
永遠なるボヘミアン・ラプソディ『オペラ座の夜』のすべて

永遠なるボヘミアン・ラプソディ『オペラ座の夜』のすべて

3,000円

著者:クイーン・コンシェルジュ=吉田聡志(監修)
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