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ザ・クランプスの幻のアルバムが8月にリリース決定

昨年末、元ブラック・フラッグのヘンリー・ロリンズが唐突に、自身が元マイナー・スレットのヴォーカリスト、イアン・マッケイと共に「グレイトなプロジェクト」に従事していると発言しました。当初は彼ら2人による新作かと思われたそのプロジェクトの中身について、ロリンズは間もなく、当該プロジェクトは2人をフィーチュアしたものではなく、「レジェンド級のパンク・バンドが録音した1979年のデモ」だと明かしましたが、この時にもバンド名は明かしませんでした。
そしてこのほどロリンズは改めて、彼とマッケイが関わってきたプロジェクトの詳細を公表したのです──すなわち、2人が関わっていたのがザ・クランプスの1979年のデモ音源を含む未発表曲を集めた幻のアルバム『Gravest Gravy』であったこと、そして新会社「The Cramps, Inc.」の設立と、バンドの自主レーベルだったヴェンジェンス・レコードの再始動です。
ザ・クランプスが結成メンバーのひとりだったラックス・インテリアの突然の死を受け、その歴史に正式に終止符を打ったのは2009年のことでした。それ以来、バンドに関する動きは新曲は勿論、再発盤、アーカイヴ音源のリリースすら一切なく、その状況は2022年、Netflixの人気作『Wednesday』の中で、主役を演じるジェナ・オルテガが「Goo Goo Muck」に合わせて自ら振り付けた “ゴシック・ダンス” がヴァイラルになったことがきっかけで(2022年12月8日MLCニュース)、バンドに対する注目が一時的に高まった時にも変わりませんでした。

記録によれば1977年10月、クランプスはアレックス・チルトン(ビッグ・スター、2010年没)のプロデュースで「Surfin' Bird」と「The Way I Walk」、「Human Fly」と「Domino」をそれぞれカップリングしたバンド初の7インチ・シングル2枚をレコーディングし、翌年自主レーベルからリリースしました。1979年になると、この4曲にリッキー・ネルソンの「Lonesome Town」のカヴァーを加え、「Gravest Hits EP」としてリリースします。このリリースに至るまでに行なわれた伝説的なセッションでは、クランプスは他にも数多くの曲を追加でレコーディングしていたのですが、その多くは一度も日の目を見ることはありませんでした。その後10年近く経って、ラックス・インテリアとギタリストのポイズン・アイヴィーがそれらのトラックをリリースしようと試みたことがありましたが、プレスリリースによると「今となっては判然としない理由」により、それらは結局お蔵入りのままでした。

その「非常に良い状態」で保存されていたデモ音源が、クランプスとは長年の友人だったロリンズの元に渡り、ブライアン・キーヒューの手で古いオープンリール・テープからデジタルへとフォーマット化されたのです。その後、ロリンズはマッケイと共に各曲の複数のミックスを聴き、合意の下に最終ヴァージョンを決定しました。そしてマッケイは自ら申し出て、ヴァージニア州のインナー・イヤー・スタジオでドン・ズィエンタラと共に2曲のEQとレヴェル調整を引き受け、ピート・ライマンがナッシュヴィルのインフラソニック・サウンドで最終ヴァージョンのマスタリングを行ない、仕上げにクランプスのメンバーのポイズン・アイヴィーが一般公開に向けての最終承認を与えたのでした。
「バンドが迎えたこの新たな章は、クランプスの音楽によって人生を変えられた人々の共同作業によるものだ」とロリンズは声明の中で述べています。「これまで何度となく発言してきたが、俺が初めてクランプスを見たのは1979年4月20日、ワシントンDCの小さなバーだった。その時の衝撃は今も忘れられまい。イアンはその時、俺の隣に立っていたんだ。俺たちは今でもあのライヴのことを折々語り合うことがある。この音楽をクランプスのファンに届けられるというのは、俺たちにとって望外の喜びだ。自分たちが幸運にも多少の役に立てたと思えることを、心から光栄に思う」
なお、「Cramps Inc.」はクランプスのメンバーのポイズン・アイヴィが、イン・ザ・レッド・レコードのオーナーであるラリー・ハーディと、クランプスの元プロデューサーで現在は映画カタログのオーナーであるジミー・マスロンと共に設立した会社です。この会社名義で、彼らはヴェンジェンス・レーベルを再始動させ、バンドの過去のレコードの再発や、ひいてはクランプスの公式グッズなども発売する予定にしています(特にマーチャンダイズに関しては、現在流通しているクランプスのグッズの大半が海賊版であることを考えると、想像以上に大きな意味を持つと思われます)。プレスリリースにもある通り、この会社の事業からの主な受益者はポイズン・アイヴィであり、ラリーとジミーがすべてのロジスティクスを担当するとのことです。

ヴェンジェンス・レコードから早速8月21日にリリースが決定している『Gravest Gravy』は、様々なカラーヴァイナル盤、CD、そしてデジタル・ストリーミング・プラットフォームでリリースされる予定です。予約はこちらから。

ザ・クランプス公式サイトマーチャンダイズ

商品情報
ザ・クランプス
『Gravest Gravy』


Amazon Music(AUG 21 2026)

1. TV Set(1977 Version)
2. Weekend On Mars(1977 Version)
3. Twist & Shout(1977 Version)
4. Jungle Hop(1977 Version)
5. I Can't Hardly Stand It(1977 Version)
6. Hungry(1977 Version)
7. The Natives Are Restless(1977 Version)
8. Domino(1977 Version)
9. Can't Find My Mind(1977 Version)
10. Rockin' Bones(1977 Version)
11. Problem Child(1977 Version)
12. Rocket In My Pocket(1977 Version)

商品情報
The Cramps
『Stay Sick』


Amazon Music(FEB 12 1990)
Amazon(1994/1/31)輸入盤CD

商品情報
The Cramps
『Big Beat from Badsville』


Amazon Music(JAN 01 1997)
Amazon(2014/12/2)輸入盤CD

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著者     Yuki Kuroyanagi
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