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● イベント・レポート
8月15日(土)埼玉 @ 彩の国さいたま芸術劇場小ホール
レーザーターンテーブルで聴く『レジェンド音盤・盆まつりレコード聴き語りLive』
エルヴィスこそが真のラブ・アンド・ピースを体現した存在──ビリー諸川
レコード針を使わずレーザー光でレコードを再生する株式会社エルプ製「レーザーターンテーブル」で名盤を高音質で聴き語るイベント、「レジェンド音源・盆まつり レコード聴き語りLive」が8月15日(土)彩の国さいたま芸術劇場小ホールで開催された。
三部構成となった本イベント、プログラム①はビリー諸川さん(R&Rロカビリー歌手、プレスリー研究家)による《エルヴィス・プレスリー》、プログラム②は吉田聡志(MUSIC LIFE CLUB)と田中 章さん(元ソニーミュージック)による《マイケル・ジャクソン》、プログラム③は藤本国彦さん(ビートルズ研究家)と本 秀康さん(イラストレーター)による《ジョージ・ハリスン》。それぞれに趣のある選曲で行なわれた。
三部構成となった本イベント、プログラム①はビリー諸川さん(R&Rロカビリー歌手、プレスリー研究家)による《エルヴィス・プレスリー》、プログラム②は吉田聡志(MUSIC LIFE CLUB)と田中 章さん(元ソニーミュージック)による《マイケル・ジャクソン》、プログラム③は藤本国彦さん(ビートルズ研究家)と本 秀康さん(イラストレーター)による《ジョージ・ハリスン》。それぞれに趣のある選曲で行なわれた。
① エルヴィス・プレスリー イベント・レポート
3月に行なわれた同イベントにも登壇されたビリー諸川さん、その後、癌手術から回復を経ての再登場。この日の前日14日はエルヴィスの母親グラディス・プレスリーの命日、翌日16日はエルヴィスの命日というタイミング、「大好きなエルヴィスのレコード音源を聴きながら、エルヴィスを目一杯解説できるこの幸せ。 この幸せは何よりも健康あってのものだと思っております」と本編が始まった。
まずはエルヴィスがロックという文明を開花させる経緯をドキュメント・タッチで紹介。1953年7月のテネシー州メンフィスにタイム・スリップしたかのように、自費録音のために4ドルを握り締めサン・レコードを訪れたエルヴィス、彼を取り巻く同社社長サム・フィリップス、彼の才能を見出した社長秘書マリオン・カイツカ、翌年彼と共に特徴的な奏法・サウンドで新しい音楽のスタイルを確立するミュージシャンのスコッティ・ムーア(ギター)、ビル・ブラック(ベース)らのエピソードが語られた。そういった人たちとの出会いに恵まれたエルヴィスは、1954年7月サン・レコードで彼らと共にアーサー・クルーダップの「ザッツ・オール・ライト(That's All Right)」をスタジオ中を飛び跳ねながら演奏、ここにロックンロールが生まれた。
◼️「ザッツ・オール・ライト(That's All Right)」SP盤
「ザッツ・オール・ライト」のB面はビル・モンローによるカントリー「ブルー・ムーン・オブ・ケンタッキー(Blue Moon of Kentucky)」のカヴァー。元々はワルツだったものをビル・ブラックらと共に即興的にアップテンポに作り変えたもの──とビリーさん自身のギターでその違いを演奏。「この時点でもうすでにエルヴィスはアレンジャーとしてもプロデューサーとしても、そしてディレクターとしてもすでにその芽が芽生えだしていたんです」と解説。
◼️「ブルー・ムーン・オブ・ケンタッキー(Blue Moon of Kentucky)」SP盤
AB面をブルースとカントリーで組み合わせる形式は偶然生まれたものだったが、サム・フィリップスはこれを意図的に継続、白人にも黒人にも売れるようにする──という狙いだった。スコッティ・ムーアのギャロッピング奏法とビル・ブラックのスラップベース奏法(指板を叩いてパーカッションの役割を担う)がロカビリーのスタイルを確立した。続いて元々はアーサー・ガンターという黒人のブルースシンガーが歌った曲を、独特のしゃくりあげる唱法(ヒーカップ唱法)でカヴァーした「ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス(Baby Let’s Play House)」が紹介された。
◼️「ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス(Baby Let’s Play House)」SP盤
辣腕マネージャーのトム・パーカーが1955年11月にエルヴィスをサン・レコードからRCAへ総額約2000万円相当で移籍させ、翌年1月ナッシュヴィルでレコーディングされた「ハートブレイク・ホテル(Heartbreak Hotel)」は、ビルボードのポップ、カントリー、R&Bの3チャートすべてで1位を獲得する。この曲はこれまでカヴァーばかりだったエルヴィス初めてのオリジナル作品。歌詞はメイ・アクストンという女性。初めて海を見たエルヴィスが感動して「この景色を母に見せたい」と言ったことが、彼女に「なんとしてもヒット曲を書いてあげたい」と思わせたそうだ。 続いて7月には両A面シングル「ハウンド・ドッグ(Hound Dog)」c/w「冷たくしないで(Don't Be Cruel)」が同様に大ヒットし、50年代最大のヒットを記録した。
◼️「ハウンド・ドッグ(Hound Dog)」SP盤
当時のエルヴィスの録音は演奏も歌も一緒に行なう方法、良いテイクが録れるまで何度でもやり直した。RCAのプロデューサー、スティーヴ・ショールズは18テイク目でOKを出したが、エルヴィスはもっと良いものが録れると録音は結局31テイクとなる。そこでスティーヴは「どうすればエルヴィスの良さを引き出せるのか」とサン・レコードのサム・フィリップスへ電話で聞いた。大笑いしながらサムは「全てエルヴィスに任せろ。 彼がOKテイク出したやつはOKなんだ。 僕らのOKよりも彼のOKの方を重んじろ」とアドバイスした。
ビリーさんは、それぞれの曲の内容に加えて、エルヴィスがその音作りやアレンジなどファンに届く音を細かいところまで気を配ってしたエピソードを語られた。「31テイクを録った後、ニューヨークから地元のメンフィスへ帰るまで、エルヴィスは “ハウンドドッグ” と “冷たくしないで” のアセテート盤を聴くんです、それも夜行列車の中で、膝にポータブル・プレーヤーを乗せて何度も聴いて、初めて納得した時に《よし、これを発売しよう》となるんです。ファンはスタジオの良いスピーカーで聴くわけじゃない、ポータブル・プレーヤーで聴いて、良い音、良いサウンド、良い音源でなければダメなんだ──と50年代からそれを繰り返していたそうです。エルヴィスはまさしくアーティストなんです」。さらにマルチトラック録音ができる時代になってからの、クラップ(手拍子)やリズムの強化のギター・スラップなど、ファンが聴く音のためのアイデアをエルヴィス自ら次々と実践していったエピソードが紹介された。
ビリーさんは、それぞれの曲の内容に加えて、エルヴィスがその音作りやアレンジなどファンに届く音を細かいところまで気を配ってしたエピソードを語られた。「31テイクを録った後、ニューヨークから地元のメンフィスへ帰るまで、エルヴィスは “ハウンドドッグ” と “冷たくしないで” のアセテート盤を聴くんです、それも夜行列車の中で、膝にポータブル・プレーヤーを乗せて何度も聴いて、初めて納得した時に《よし、これを発売しよう》となるんです。ファンはスタジオの良いスピーカーで聴くわけじゃない、ポータブル・プレーヤーで聴いて、良い音、良いサウンド、良い音源でなければダメなんだ──と50年代からそれを繰り返していたそうです。エルヴィスはまさしくアーティストなんです」。さらにマルチトラック録音ができる時代になってからの、クラップ(手拍子)やリズムの強化のギター・スラップなど、ファンが聴く音のためのアイデアをエルヴィス自ら次々と実践していったエピソードが紹介された。
後半はエルヴィス徴兵後のエピソードから、ベルカント唱法の体得、後期のカムバック・スペシャル、生涯唯一のメッセージ・ソング誕生とその背景にある《自分の考えをすべて歌に託す》というエルヴィスの生き方が語られ、ビリーさんは、エルヴィスが亡くなって49年(来年で50年)が経つ中、日本でこうして感動を共有できることへの喜びと、自身の病からの生還への感謝を述べ、《エルヴィスこそが真のラブ・アンド・ピースを体現した存在だ》と、エルヴィス・プレスリーの聴き語りを締めくくった。
◼️「思い出の指輪(Wear My Ring Around Your Neck)」
◼️「アイ・ニード・ユア・ラヴ・トゥナイト(I Need Your Love Tonight)」
◼️「イッツ・ナウ・オア・ネヴァー(It's Now or Never)」
◼️「明日への願い(If I Can Dream)」
◼️「アメリカの祈り」(American Prayer)」
◼️「アイ・ニード・ユア・ラヴ・トゥナイト(I Need Your Love Tonight)」
◼️「イッツ・ナウ・オア・ネヴァー(It's Now or Never)」
◼️「明日への願い(If I Can Dream)」
◼️「アメリカの祈り」(American Prayer)」
プログラム②《マイケル・ジャクソン》編は18日(金)、プログラム③《ジョージ・ハリスン》編は近日公開予定。どうぞお楽しみに!
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著者:ビリー諸川
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