※関連ニュースをご覧になる場合は、こちら↑のタグ(アーティスト名/項目)をクリック。
フレディ・ジャクソン死去。1980〜90年代のR&Bチャートを席捲したソウル・クルーナー
商品情報 フレディ・ジャクソン『Just Like The First Time』Amazon Music(NOV 06 1986)
10月5日、1980年代に「Rock Me Tonight」「You Are My Lady」「Have You Ever Loved Somebody」などのヒット曲でR&Bラジオを席巻した、ソウル・バラードの名手でありスロー・ジャム界の代表格であるフレディ・ジャクソンが亡くなりました。享年69。彼は10月2日に誕生日を迎えたばかりでした。彼の訃報は彼自身のSNSによって確認されています。現時点で死因については明らかにされていませんが、彼は2024年に腎臓病の診断を受けたことを公表していました。
「フレディは、ただ伝説的な歌声の持ち主ということに留まらない存在でした」と、ジャクソン氏の家族は声明で述べています。「彼は、ファンや家族、友人、そして音楽を全身全霊で愛した、心優しく寛大な人物でした。何十年にもわたり、彼は私たちのラヴストーリーや祝いの場、そして最も大切な思い出のサウンドトラックとなる楽曲を届けてくれました。その贈り物はこれからも永遠に生き続けることでしょう」。葬儀の詳細は後日発表される予定とのことです。
1989年、『ニューヨーク・タイムズ』紙はジャクソンを「ブラック・ポップ界で最もエレガントなパフォーマーの一人であり、失恋のバラードをひとつの世界観へと昇華させることができる歌手」と評しました。また彼をルーサー・ヴァンドロスと比較した『ローリング・ストーン』誌は1987年に、「ジャクソンを喩えるなら、寝物語を囁いてくれる愛に溢れた男であり、優しく包み込んでくれるパートナーだ」と綴っています。
1957年10月2日、ハーレムで生まれたジャクソンは、シングルマザーの家庭で「コラードグリーンとフライドチキンを食べて」育ちました。ゴスペルから音楽の世界に足を踏み入れ、地元のバプテスト教会での歌唱を重ねながら活動の幅を広げていきました。「僕の歌のスタイルは『誰かに学んだソウル』じゃないんだよ。歌のスクールで習ったわけでも、レコードで聴いたものを真似したわけでもない。僕の日常がソウルそのものなんだ」と言う彼は、ニューヨークの音楽シーンで地位を確立した後、ロサンジェルスに移住し、そこでダンスフロア向けのソウル・グループ、ミスティック・マーリンのヴォーカリストとして、同グループの3枚目のアルバム『Full Moon』のレコーディングに参加しました。
やがて故郷のニューヨークに戻った彼は、歌手のメルバ・ムーアに見出されたのをきっかけとして、ソロ・アーティストとしての道が開けることになります。ムーアは1985年の『Jet』誌のインタビューで、その3年前にニューヨークのナイトクラブでジャクソンと出逢い、その才能を見出した時のことを振り返っています。「『オー・マイ・ゴッド、何て素晴らしい声なの』って思わず口走ってしまったのよ」と、彼女は回想しました。「他の人たちと一緒になって、私までキャーキャー言っちゃったんだから」。彼女は彼をバック・コーラス兼作曲家として雇い、キャピトル・レコードとの契約を結べるよう手助けしました。ムーアが後にジャクソンと共にレコーディングした楽曲「A Little Bit More」は、全米R&Bチャートで見事第1位を獲得しています。
「偉大な歌手であり、またそれ以上に素晴らしい友人であったフレディ・ジャクソンを失い、胸が張り裂ける思いです」と、ムーアは声明で述べています。「私たちのヒット曲『A Little Bit More』など、共に楽曲制作に取り組んだ際には、彼のユーモアのセンスにレコーディング中も何度も笑わせてもらいました。私たちには本当に特別な絆がありました。この親愛なる友人を、私はいつまでも恋しく思うことでしょう。どうか安らかに眠ってね、フレディ」
彼はその後の3枚のアルバム、1986年の『Just Like the First Time』、1988年の『Don’t Let Love Slip Away』、そして1990年の『Do Me Again』でもR&Bアルバム・チャートで第1位を記録し、いずれもゴールドまたはプラチナ・ディスクの認定を受けました。また、R&Bシングル・チャートでも連続して首位を獲得しており、「Tasty Love」「Have You Ever Loved Somebody」「Jam Tonight」「Nice ‘N’ Slow」(この年のアメリカン・ミュージック・アウォード部門賞を受賞)、「Hey Lover」「Love Me Down」、そして「Do Me Again」まで、その実績は目覚ましいものでした。音楽の世界の外でも、彼はその名声を活かして映画『キング・オブ・ニューヨーク』や、TVドラマ『The Golden Girls』『Family Matters』等に出演を果たしています。
とどまるところを知らないように思われた彼の勢いは、彼がかつてメディアで「好きではない」と公言したニュー・ジャック・スウィングやヒップホップの台頭と共に陰りが差し始めました。90年代に入るとチャートでの圧倒的支配力は衰えましたが、それでも彼は新作を出す度にビルボードのR&Bアルバム・チャートにランクインさせ続けており、2010年にもアルバム『For You』が同チャートで最高位第48位を記録しています。
数字的には以前と比べて振るわなくなったとはいえ、彼は業界では依然としてR&Bにおける「クールさ」の代名詞であり続けました。アウトキャストのビッグ・ボーイは、「So Fresh, So Clean」の歌詞の中で、自身をフレディ・ジャクソンに例え、「吹雪の中でミルクシェイクをすすっているフレディ・ジャクソンよりもクールだぜ」と歌い、ジャクソンを不朽の存在として称えています。
「僕の音楽は、コンサートの間も手を繋いでいたがるような人たちに向けたものだ……親密さの象徴なんだよ」と、ジャクソンは1989年に『タイムズ』紙に語っています。「人種間の緊張や憎しみが渦巻く今の時代、愛を歌った僕の曲は、かつてないほど誰もが腑に落ちるものだと思う。もし人々が心に抱く憎しみを少しでも和らげることができれば、日々の生活の中で湧き起こるカオスやトラブルも、そこまで深刻なものにはならずに済むと思うんだ」
安らかなる眠りをお祈りいたします。
この記事へのコメントはまだありません
RELATED POSTS
関連記事
-
2026.10.08 トゥーツ・アンド・ザ・メイタルズのベーシスト、ジャッキー・ジャクソン死去
-
2026.10.05 カリプソ界の帝王、マイティ・スパロウ死去
-
2026.09.28 ニュー・ファウンド・グローリーのギタリスト、チャド・ギルバート死去
LATEST POSTS
最新記事
-
2026.05.12 ビートルズ関連 最新ニュースまとめ2026
-
2026.05.11 クイーン関連 最新ニュースまとめ2026
-
2023.03.07 直近開催予定のイベントまとめ(2026/10/9更新)