ボブ・ディラン降臨! 『FUJI ROCK FESTIVAL '18』を振り返る

前夜祭を含む4日間で12万5千人の来場者数を記録した『FUJI ROCK FESTIVAL 18'』が終わりました。
今年から新たな試みとして一部ステージのYouTube配信も始まり、自宅から鑑賞された方も多かったのではないでしょうか?
2日目、7月28日の夜は台風12号の影響による風雨がありましたが、概ね好天に恵まれた今年のフジロック。
最終日には早い時間からディラン目当てのロック・ファンが数多く訪れ、開始時刻までグリーンステージの中央に陣取ってゆっくりと楽しんでいました。

ボブ・ディランは定刻18時50分より少し早く、まだ日が暮れる前の苗場のグリーンステージに登場しました。
1曲目は「シングス・ハヴ・チェンジド」でスタート。来日直前の韓国公演ではギターを手にしたことが話題でしたが、今回は全編を通してピアノのみの演奏。時折立ち上がりながらピアノを弾く姿がスクリーンに映し出されます。
実はスクリーン両脇に設置された大型スクリーンにも映像が映されないのでは? との予測もありましたが、無事映し出されていました。
カバーが多くを占めた前回の来日とは変わり、今回は「悲しきベイブ」、「追憶のハイウェイ61」など60年代の楽曲から2010年代の「デューケイン・ホイッスル」まで、各年代の楽曲を満遍なく配置するフェス仕様のセットリスト。ラストは代表曲「風に吹かれて」で締めました。
最後までMCは一切なく、メンバー全員で一礼してステージは終了。
登場したメンバーは以下の通り。

残念ながらステージ上の写真は提供されませんでしたが、ボブ・ディラン演奏時の会場はこのような雰囲気でした。フジロックで一番大きいグリーンステージの後方まで人がいっぱいですね。
ソニーのボブ・ディラン公式サイトでは詳細なレポートとセットリストが公開されています。
【Bob Dylan 2018/7/29 Fuji Rock Festival ‘18 Setlist】
1.Things Have Changed (Bob on Piano) /シングス・ハヴ・チェンジド (『Wonder Boys"(OST)』 2001)
2.It Ain't Me, Babe/悲しきベイブ(『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』1964)
3. Highway 61 Revisited/追憶のハイウェイ61 (『追憶のハイウェイ61』 1965)
4.Simple Twist Of Fate/運命のひとひねり (『血の轍』1975)
5.Duquesne Whistle/デューケイン・ホイッスル (『テンペスト』 2012)
6.When I Paint My Masterpiece/マスターピース (『グレイテスト・ヒッツ第2集』 1971)
7.Honest With Me/オネスト・ウイズ・ミー (『ラヴ・アンド・セフト』 2001)
8.Tryin' To Get To Heaven/トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ヘヴン (『タイム・アウト・オブ・ マインド』 1997)
9.Don't Think Twice, It's All Right/くよくよするなよ (『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』 1963)
10.Thunder On The Mountain/サンダー・オン・ザ・マウンテン (『モダン・タイムズ』 2005)
11.Make You Feel My Love/メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ (『タイム・アウト・オブ・ マインド』 1997)
12.Early Roman Kings/アーリー・ローマン・キングズ (『テンペスト』 2012)
13.Desolation Row/廃墟の街 (『追憶のハイウェイ61』 1965)
14.Love Sick/ラヴ・シック (『タイム・アウト・オブ・ マインド』 1997)
15.Ballad Of A Thin Man/やせっぽちのバラッド (『追憶のハイウェイ61』 1965)
16.Blowin' In The Wind/風に吹かれて (『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』 1963)
ディラン以外にも3日間で200組以上のアーティストが出演しましたが、ここではMLC編集部が見たアーティストをかんたんに紹介していきます。
マーク・リーボウのセラミック・ドッグ
7/27 Fri@FIELD OF HEAVEN

マーク・リーボウは初日の夕方、フィールド・オブ・ヘブンに登場。今年リリースした新作『YRU Still Here』からの楽曲を中心に披露。現アメリカ政権への批判を表明するなど、ベテランとしての気概をみせつけました。
ジョニー・マー
7/28 Sat@GREEN STAGE
晴天に恵まれた2日目の昼下がりに登場したジョニー・マー。ソロの楽曲に加え、ザ・スミス時代の楽曲「Bigmouth Strikes Again」「How Soon Is Now?」も飛び出し、往年のUKロックファンを歓喜させていました。
カーラ・トーマス
7/28 Sat@FIELD OF HEAVEN

スタックス黄金期を支えた歌姫カーラ・トーマスは、妹のヴァニース・トーマスとともにオンステージ。ホッジス兄弟を中心としたバックバンドも素晴らしく、ラストはルーファス・トーマスへ捧げた「ウォーキング・ザ・ドッグ」で大きな盛り上がりを見せました。
フィッシュボーン
7/28 Sat@WHITE STAGE

雨が降り出したホワイトステージに登場したフィッシュボーンは、序盤から「Ma and Pa」などスピーディな曲を立て続けに披露。さすがベテランのライヴバンド、雨などお構いなしに会場を沸かし続けました。
サンディー・アンド・デニス・ボヴェル
7/29 Sun@Café de Paris

シンガー、サンディのバックを務めたのはUKラヴァーズの立役者デニス・ボーヴェルと日本のレゲエシーンを代表する熟練ミュージシャンたち。PAトラブルに見舞われてスタートが押してしまいましたが、ジャネット・ケイで有名な「シリー・ゲーム」のカヴァーなどを披露しました。
さて、ステージではすばらしいアーティストが出演しましたが、ステージ以外に注目した今年のフジロック4つのポイントを上げてみました。
01.アンフェアグラウンド

大きな会場の最深部にはグラストンベリー・フェスティヴァルの名物サーカス、アンフェアグラウンドがやってきました。巨大なモニュメントが設置され、中にはDJブースが配置されるなど局地的な盛り上がりを見せていました。こちらは苗場での開催20年を記念した今年限定のイヴェントです。
02.新たなルート

例年フィールド・オブ・ヘブンからグリーンステージへはホワイトステージを通るルートしかありませんでしたが、今年新たにフィールド・オブ・へブンからグリーンステージへ向かう直通ルートが開通しました。下り限定の一方通行ですが、これによりホワイト・ステージ付近の混雑が緩和されました。
03.キッズエリア

子供からお年寄りまで、年々幅広い客層になっているフジロックですが、キッズエリアは今年も大盛況。親子連れで楽しめるフェスとしてしっかりと定着しています。
04.CAFE DONステージ

苗場プリンスホテルのテニスコート内に新設されたCAFE DON。会場の外かつホテル敷地内ということもあり、人の少ない穴場スポットとなっていました。1日1組のみですが、毎日22:40からライヴも開催。最終日のホットハウス・ブラザーズはアコースティック・セットで登場し、予定時間を大幅に超えながら素晴らしい演奏を披露していました。
以上、今年のフジロックをざっと振り返ってみましたがいかがでしたでしょうか。
終了とともに早くも来年の開催がアナウンスされましたが、果たしてどんな大物が来日してくれるのでしょうか?
http://www.fujirockfestival.com
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