映画『ロケットマン』のゲイ・シーンをカットしたロシアにエルトンらが抗議

5月31日に全米公開され、ロシアでは6月6日に一般公開される映画『ロケットマン』、アメリカの複数メディアによると、5月30日にロシアでスクリーニングが行われ、「同性愛のプロパガンダ」を禁止するロシアの厳格な法律に基づき、男性同士の性描写やキス・シーン、及びドラッグ使用の場面が約5分間分カットされた他、映画の最後に流れるクレジットのテキスト部分も無断で修正されているといいます。
 
本来、そのテキスト部分には、「エルトン・ジョンと夫のデヴィッド・ファーニッシュは一緒に住んで二人の子供を育てている」と記載されていましたが、修正後には「ジョンはエイズ基金を設立した」となっているそう。
 
これを受け、エルトン・ジョンと監督のデクスター・フレッチャーは、次のような声明を発表しています。

「本日になってわかったことですが、ロシアの法律に迎合し、ロシア市場に向け『ロケットマン』を検閲するという決定を、我々は断固として認めません。勇敢で力強いパートナーのパラマウント・ピクチャーズは、エルトンの驚くべき人生をありのまま忠実に表現する映画を作らせてくれたのです。
 
ロシアの配給会社は特定のシーンを編集しましたが、我々が意図した内容の映画をオーディエンスに観させないということは、我々の生きる世界が分断され、二人の愛を受け入れないという残酷さを悲しく反映しています。我々は、その架け橋が築かれ、率直な対話ができることを信じると共に、世界中の人々の声が平等に聴いてもらえるようになるまで、その障壁を打破するための努力を続けていくつもりです」
 
皮肉にも、プーチン大統領はかねてからジョンのファンで、2014年には次のようにジョンを称賛していました。

「エルトン・ジョンは、極めて優れた人物で卓越したミュージシャン。彼の指向にかかわらず、何百万ものロシア国民が心から彼を愛している」

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