2008年のユニバーサル・スタジオ火災で、マスター音源50万曲が焼失していた!
2008年6月1日、カリフォルニア州ユニバーサル・シティにある〈ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド〉で従業員の失火により火災が発生し、複数の建物や映画のセットなどが炎上しました。中でも〈ビデオ保管室〉が全焼し、当時は焼失したユニバーサル・ピクチャーズの映画フィルムだけに焦点があてられていました。ところが……
6月11日に掲載された『ニューヨーク・タイムズ』の記事によると、当時ユニバーサル・ミュージック・グループが西海岸のメイン倉庫として何万ものマスターテープを保管していた〈ビルディング6197〉と呼ばれる建物が炎上し、ブルース、ロック、ゴスペル、ジャズ、カントリー、ソウル、ディスコ、ポップ、イージー・リスニング、クラシックなどのアルバムやシングルを収録したおよそ175,000本のテープが被害に遭い、推定で50万曲のマスター音源が焼失したと伝えています。そしてこの火災が「音楽業界史上最悪の大惨事」になってしまったとも報道しています。
具体的には、デッカ、チェス、ゲフィン、インタースコープ、MCA、ABC、A&Mといったレーベルのマスター音源で、大物ミュージシャンでは、ビリー・ホリデイ、ルイ・アームストロング、デューク・エリントン、B.B.キング、チャック・ベリー、マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、ウィリー・ディクソン、ボー・ディドリー、エタ・ジェイムズ、ジョン・リー・フッカー、リトル・ウォルター、バディ・ガイ、アレサ・フランクリン、ジョニ・ミッチェル、キャプテン・ビーフハート、キャット・スティーヴンス、カーペンターズ、エルトン・ジョン、レーナード・スキナード、ジャネット・ジャクソン、エリック・クラプトン、イーグルス、エイジア、ドン・ヘンリー、エアロスミス、スティーリー・ダン、イギー・ポップ、トム・ペティ&ザ・ハートブレーカーズ、ポリス、ガンズ・アンド・ローゼズ、ソニック・ユース、ニルヴァーナ、R.E.M.、エミネムらのマスター音源が焼失したと報告されています。
〈Variety〉によると、ユニバーサル・ミュージック・グループは、『ニューヨーク・タイムズ』の記事に対し、「火災の範囲と影響を受けた資産について、多くの誤りと誤解を与える記載であり、報道には矛盾点、根本的な誤りがある」とし、次のような声明を発表しています。
「我々にとっては、音楽を保管するということが最優先であり、その実績には誇りを持っております。10年以上前の火災については詳細を公表しないようにとの制約がありますが、あの不運な火災により、音楽の商業的リリースやアーティストの報酬に影響が出ることはありません」
しかしながら、『ニューヨーク・タイムズ』に掲載されたUMGによる2009年の機密報告書には、「6月1日の火災により保管室にあったマスター音源のほぼ全てが焼失し、1940年来の音楽遺産が失われたことは間違いない」などと記載されており、UMGは焼失した楽曲の数が推定50万曲にのぼることについては異論を唱えていないようです。
このニュースを受け、スティーリー・ダンは次の声明を発表しました。
「長い間スティーリー・ダンのオリジナル・テープが行方不明になっていることは知っていましたが、それらしい説明など一度もありませんでした。おそらく、あの火事で焼失したのでしょう。いずれにせよ、貴重な財産が失われたのは間違いありません」
またエイジアのジェフ・ダウンズは、2008年の火災直後の写真を掲載し、「エイジアのアルバムのオリジナル・マスターテープが誰にも見つからない理由はこれかもね。とっても残念だ。UMGは10年以上も口を閉ざしていたんだから」とツイートしています。
元ニルヴァーナのクリス・ノヴォセリックは、「『Nevermind』のマスターは永遠に失われた」とツイート。
R.E.M.は「『ニューヨーク・タイムズ』の記事に関し、多くの方々から問い合わせを受けています。何が起きたのか、そしてバンドの音楽への影響を明らかにするための情報収集を行いますので、わかり次第さらに詳しくお伝えします」と、ツイッターで発表しています。
この事件は、ミュージシャンにとって最も大事な音源の保存に関する問題であり、当分議論が続きそうです。
6月11日に掲載された『ニューヨーク・タイムズ』の記事によると、当時ユニバーサル・ミュージック・グループが西海岸のメイン倉庫として何万ものマスターテープを保管していた〈ビルディング6197〉と呼ばれる建物が炎上し、ブルース、ロック、ゴスペル、ジャズ、カントリー、ソウル、ディスコ、ポップ、イージー・リスニング、クラシックなどのアルバムやシングルを収録したおよそ175,000本のテープが被害に遭い、推定で50万曲のマスター音源が焼失したと伝えています。そしてこの火災が「音楽業界史上最悪の大惨事」になってしまったとも報道しています。
具体的には、デッカ、チェス、ゲフィン、インタースコープ、MCA、ABC、A&Mといったレーベルのマスター音源で、大物ミュージシャンでは、ビリー・ホリデイ、ルイ・アームストロング、デューク・エリントン、B.B.キング、チャック・ベリー、マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、ウィリー・ディクソン、ボー・ディドリー、エタ・ジェイムズ、ジョン・リー・フッカー、リトル・ウォルター、バディ・ガイ、アレサ・フランクリン、ジョニ・ミッチェル、キャプテン・ビーフハート、キャット・スティーヴンス、カーペンターズ、エルトン・ジョン、レーナード・スキナード、ジャネット・ジャクソン、エリック・クラプトン、イーグルス、エイジア、ドン・ヘンリー、エアロスミス、スティーリー・ダン、イギー・ポップ、トム・ペティ&ザ・ハートブレーカーズ、ポリス、ガンズ・アンド・ローゼズ、ソニック・ユース、ニルヴァーナ、R.E.M.、エミネムらのマスター音源が焼失したと報告されています。
〈Variety〉によると、ユニバーサル・ミュージック・グループは、『ニューヨーク・タイムズ』の記事に対し、「火災の範囲と影響を受けた資産について、多くの誤りと誤解を与える記載であり、報道には矛盾点、根本的な誤りがある」とし、次のような声明を発表しています。
「我々にとっては、音楽を保管するということが最優先であり、その実績には誇りを持っております。10年以上前の火災については詳細を公表しないようにとの制約がありますが、あの不運な火災により、音楽の商業的リリースやアーティストの報酬に影響が出ることはありません」
しかしながら、『ニューヨーク・タイムズ』に掲載されたUMGによる2009年の機密報告書には、「6月1日の火災により保管室にあったマスター音源のほぼ全てが焼失し、1940年来の音楽遺産が失われたことは間違いない」などと記載されており、UMGは焼失した楽曲の数が推定50万曲にのぼることについては異論を唱えていないようです。
このニュースを受け、スティーリー・ダンは次の声明を発表しました。
「長い間スティーリー・ダンのオリジナル・テープが行方不明になっていることは知っていましたが、それらしい説明など一度もありませんでした。おそらく、あの火事で焼失したのでしょう。いずれにせよ、貴重な財産が失われたのは間違いありません」
またエイジアのジェフ・ダウンズは、2008年の火災直後の写真を掲載し、「エイジアのアルバムのオリジナル・マスターテープが誰にも見つからない理由はこれかもね。とっても残念だ。UMGは10年以上も口を閉ざしていたんだから」とツイートしています。
元ニルヴァーナのクリス・ノヴォセリックは、「『Nevermind』のマスターは永遠に失われた」とツイート。
R.E.M.は「『ニューヨーク・タイムズ』の記事に関し、多くの方々から問い合わせを受けています。何が起きたのか、そしてバンドの音楽への影響を明らかにするための情報収集を行いますので、わかり次第さらに詳しくお伝えします」と、ツイッターで発表しています。
この事件は、ミュージシャンにとって最も大事な音源の保存に関する問題であり、当分議論が続きそうです。
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