ニューオーリンズ・ファンクのパイオニア、アート・ネヴィルが81歳で死去

長年マネージャーを務めたケント・ソレルがニューオーリンズの〈Times-Picayune〉に語ったところによると、アートは妻のロレーンに看取られながら静かに息を引き取ったそうです。ただし死因は明かされていません。
1937年ニューオーリンズ生まれのアートは、60年代ニューオーリンズ・ファンクの代表的なバンドだったザ・ミーターズの創立メンバーの一人。ミーターズは70年代にローリング・ストーンズのツアーで前座を務めた他、ドクター・ジョンやロバート・パーマーのアルバムに参加し、1975年にウィングスがアルバム『Venus and Mars』をリリースした際には、クイーン・メアリー号で開催されたリリース記念の船上パーティーでもパフォーマンスを披露しています。
ミーターズ解散後に弟たちと結成したネヴィル・ブラザーズは、ボブ・ディランのプロデューサーだったダニエル・ラノワとコラボした1989年のアルバム『Yellow Moon』が大ヒットし、収録曲「Healing Chant」はグラミー賞最優秀ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞を受賞しています。
ミーターズは1977年に解散しましたが、1989年に再結成され「ファンキー・ミーターズ」として活動しており、ネヴィルは2018年の12月に引退を発表するまで(12月27日MLCニュース参照)、両バンドのリーダー的存在でした。
今年になってドクター・ジョン、デイヴ・バーソロミュー、そしてアート・ネヴィルと、ニューオーリンズ独自の音楽を発展させてきた中心人物3人が続けざまに亡くなってしまったことになります。アラン・トゥーサンが2015年に、ネヴィル兄弟の次男チャールズも昨年亡くなっており、なんとも淋しい限りです。
ご冥福をお祈りします。
アート・ネヴィル
アルバム・ディスコグラフィー
The Meters
[Original Albums]
1) The Meters (Josie/1969)
2) Look-Ka Py Py (Josie/1969)
3) Struttin' (Josie/1970)
4) Cabbage Alley (Reprise/1972)
5) Rejuvenation (Reprise/1974)
6) Fire On The Bayou (Reprise/1975)
7) Trick Bag (Reprise/1976)
8) New Directions (Reprise/1977)
Funky Meters
1) Fiyo at the Fillmore, Vol. 1 (Varese Sarabande/2003)
The Neville Brothers
[Original Albums]
1) The Neville Brothers (Capitol/1978)
2) Fiyo on the Bayou (A&M/1981)
3) Live Nevillization (Black Top/1984)
4) Uptown (EMI/1987)
5) Nevillization 2 (Live At Tipitina's Volume 2) (Spindletop/1988)
6) Yellow Moon (A&M/1989)
7) Brother's Keeper (A&M/1990)
8) Family Groove (A&M/1992)
9) Live on Planet Earth (A&M/1994)
10) Mitakuye Oyasin Oyasin/All My Relations (A&M/1996)
11) Valence Street (Columbia/1999)
12) Walkin' In The Shadow Of Life (Back Porch/2004)
Art Neville
[Comilation Albums]
1) Mardi Gras Rock & Roll (Ace/1990)
2) His Specialty Recordings 1956-58 (Specialty/1992)
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