50年前の今月発売！──『ミュージック・ライフ』1970年8月号・再訪

写真：長谷部宏　Pic : Koh Hasebe / ML Images / Shinko Music

またまたまた連載スタートです。今回のは題して「50年前の今月発売！」。要するに半世紀前の今月、最新号として発売となった『ミュージック・ライフ』を見直してみようかというもの。もちろん全てのページをご覧いただくことはできないので、ほんの一部にはなってしまうのですが。「ML Gallery」の、表紙と目次だけでは物足りないという貴兄貴女、お楽しみください。もしかしたらあなたの文章／イラストも載っているかもしれませんよ。

ということで、50年前の7月に発売になったのは、1970年8月号。表紙は初来日を果たしたドノヴァン。写真は全て長谷部宏カメラマンです。

まずは目次・カラー版、その両面を。裏側はML編集部によるトップ20のチャートとなっております。以下全ての画像はタップ／クリックで拡大できます。

表紙を開くと、まず左右幅の狭い、短冊状のこの目次が。そして巻頭グラビア（カラー／モノクロ）と続きます。この月のトップは表紙の通り、初来日を飾ったドノヴァン。ステージ写真は、東京・新宿厚生年金会館。インタヴュー取材はその楽屋で行なわれ、特写として別日に宿舎のヒルトン・ホテル近くの赤坂・日枝神社へ。モノクロ・ページでは羽田到着から取材の裏側まで、密着の様子を伝えております。

読み込み中.....

続いて第2特集は、星加編集長と長谷部カメラマンによる英国取材旅行のリポート。目玉はエリック・クラプトン、事実上のデレク＆ザ・ドミノズです。写真ではデイヴ・メイスンやカール・レイドルの姿も見え、ざわついたバックステージの様子まで。その他、ピーター・フランプトン（当時ハンブル・パイ）、ジェスロ・タルのイアン・アンダーソン、ツアーで英国にいたキャンド・ヒート、フランク・ザッパなど。恐ろしく豪華な顔ぶれ、さすが1970年です。

読み込み中.....

最後の2枚は、ML誌人気投票の結果、ジョン・メイオールがインストゥルメンタリスト部門で1位に輝き、その記念の盾をご本人に送ったところ、わざわざその盾を手にした写真とお礼の見事なお手紙を送ってくださったということで、そのご報告。メイオールさん、可愛い字を書きますね。

続いては、この号の新作レヴュー・ページ。1970年にはこんなアルバムが新作としてリリースされていたのです。今でも名盤とされているものがちらほら。

読み込み中.....

そして最後に。『ミュージック・ライフ』の読者ページ、「MLリーダーズ・スクエアー」です。文通希望、イラスト、なんでもありの「Hea Said, She Said」、投稿原稿、楽器／レコードの交換情報などなどなど。当時の読者の方はよーくご存知かと思いますが、当時は住所に電話番号にと、この誌面は個人情報祭りでした。流石にその点は配慮いたしておりますので、「そういえばこんなことやってたな」「もしかしてこれ俺じゃね？」てな具合でご覧ください。

読み込み中.....

というわけで、50年前の今月号『ミュージック・ライフ』1970年8月号をお送りしました。古臭いなと思える部分と、今と大して変わらないなと思える部分とが混在していてなかなか面白いものです。20年くらい前あたりの方が、かえって古さがそのままダサさに感じられるものなのかもしれませんね。

ということで、ではまたそのうち。

この記事についてのコメントコメントを投稿

Happy_Jack さん投稿日時 2020.07.07 23:51

素晴らしい！　当時、確かに、ミュージックライフを読んでいたはずですが、MLの取材対象がこれほどにマニアックな方々であったことに気づいていませんでした！　ジェスロ・タルの新加入メンバー（当時）が写真入りで取り上げられていたことなど、レコードコレクターズの愛読者も驚くことでしょう。ジョン・メイオールも、何故インストゥルメンタル部門で1位だったのか、戸惑っていたのではないでしょうか？

今後も当時のレビュー企画を楽しみにしています。

ジミー・ペイジ、今もなお倹約家なのでしょうか。

お気に入りに入れる