ユーライア・ヒープ/オジー・オズボーンのドラマー、リー・カースレイクが73歳で死去

ユーライア・ヒープとオジー・オズボーンのドラマーとして活躍したリー・カースレイク(Lee Kerslake)が9月19日、長年患った前立腺ガンのため73歳で死去しました。

ユーライア・ヒープの元メンバー、ケン・ヘンズレーが訃報を伝えています。

「55年にわたる友人で、これまで共演した中で最高のドラマーだったリー・カースレイクが、今朝の3時30分にガンとの闘いに敗れました。彼は安らかに神に召されましたが、彼の死は物凄く惜しまれることでしょう」

1947年にイングランド西部のドーセットで生まれたカースレイクは、11歳でドラム演奏を始め、1967年にザ・ゴッズ(The Gods)に加入。このバンドには、後にストーンズのメンバーとなったミック・テイラーや、ユーライア・ヒープの同僚となるケン・ヘンズレー、グレッグ・レイクらが参加していました。

バンドは1969年に解散し、カースレイクは1971年11月にユーライア・ヒープに加入。1972年のアルバム『Demons and Wizards』をはじめ、9枚のスタジオ・アルバムに参加し、1978年のアルバム『Fallen Angel』のツアーを最後に脱退しました。

商品詳細
ユーライア・ヒープ
『Demons & Wizards』

CD(2017/3/31)輸入盤
その後、1980年から1981年までオジーのバンド・メンバーとなり、同年の「Live EP」や、オジーのソロ・アルバム2作『Blizzard of Ozz』『Diary of a Madman』で演奏しましたが、両アルバムのクレジットには、作曲にも参加したベースのボブ・デイズリーとカースレイクの名前はなく、『Diary of a Madman』には、実際に演奏していなかったドラマーのトミー・アルドリッジとベースのルディ・サーゾがクレジットされていました。

カースレイクとデイズリーは『Diary of a Madman』のリリース前に解雇され、二人は印税の支払いとクレジットを巡る問題で、1998年にオジーとシャロンを訴えましたが、オジー側は2002年にリイシューされた両アルバムのリマスター版から二人の演奏を削除し、ドラマーのマイク・ボーディンとベーシストのロバート・トゥルージロの演奏に差し替えることで決着を図り、この裁判は2003年に棄却されました。

オジーのバンドを脱退した後、1981年にユーライア・ヒープに復帰したカースレイクは、2007年に健康問題を理由に再びバンドを脱退し、2014年に前立腺ガンと診断されました。

2018年12月、再びユーライア・ヒープのステージに立ち、「Lady in Black」でパーカッションとヴォーカルを披露しましたが、これがバンドと行なった最後のパフォーマンスになりました。

2019年1月、カースレイクは「ヘヴィ・メタル・ヒストリーの殿堂」入りを果たし、式典で『Blizzard of Ozz』と『Diary of a Madman』のプラチナ・ディスクを手にした姿は、2019年9月に完成予定だった彼のドキュメンタリー映画のためにカメラに収められていました。

2018年の暮れに余命8ヵ月と宣告されたカースレイクは、長年の裁判で確執のあったオズボーン夫妻に和解の手紙を送り、死ぬ前に壁に飾れるよう、自身が参加した2枚のアルバムのプラチナ・ディスクを送ってくれないかと頼んでいたそうです。

依頼を受けたオジーは、2019年1月にツイッターで次のコメントを発表していました。

「リー・カースレイクが『Blizzard of Ozz』と『Diary of a Madman』のプラチナ・ディスクを喜んでくれて非常に嬉しい。キミの体調が良くなることを願ってる。愛をこめて、オジーより」

カースレイクが他界する前日の9月18日、偶然にもアルバム『Blizzard of Ozz』の40周年記念エクスパンディッド・エディションが発売されていました。
Ozzy Osbourne
30 Years After the Blizzard

(公開は9/25まで)
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