ブラック・サバスのトニー・アイオミ、親友エディ・ヴァン・ヘイレンについて語る

「この業界には本当に素晴らしい親友が二人いてね。一人がブライアン・メイ、そしてもう一人がエディ・ヴァン・ヘイレンなんだ。エディは本当に素晴らしい人だった。彼が亡くなって酷い喪失感にさいなまれているし、奥さんのジェイニーや兄のアレックス、そして息子のウルフギャングのことを思うと本当に悲しくなる。ファンやミュージシャンを含め、誰にとっても大きな存在を失ったよ」

エディは驚くほど他人を思いやる人だった。俺がロサンゼルスにいた時は必ず彼に電話をしたし、女房たちを同伴してディナーに出掛けた時は本当に楽しかった。彼はとても大らかで、俺たちは何でも喋っていたんだ。

エディと出会ったのは1978年、ヴァン・ヘイレンがサバスとツアーをしていた時だった。あれはバンド初のワールド・ツアーで、数ヵ月間一緒にツアーして、俺たちは素晴らしい関係を築いた。

ショウが終わると、俺たちは毎晩のようにお互いの部屋やバーなんかで会って、よく一晩中しゃべってたんだ。それ以来、エディは俺にとって本当に素晴らしい友人になった。ヴァン・ヘイレンは業界の新参者だったから、俺たちは音楽やギターのこと、ビジネスについてもたくさん話したし、彼がギターを手に俺の部屋に来て、一緒にちょこっと弾いたこともあった。

あのツアーでエディの演奏を初めて聴いた時は、『なんだ?!?!』って思ったよ。彼のエネルギーと人格が瞬時に際立って、彼がギター・プレイを愛し、それに卓越していることが分かった。彼の様々なテクニックを耳にしたのはあの時が初めてだったけど、彼は時が経つにつれどんどん上達していったし、俺は今でも彼のプレイを大いに尊敬している。ヴァン・ヘイレンは太刀打ち出来ないバンドだったけど、俺たちはチームとして仕事をしたんだ。

あの時の俺たちは、観客を楽しませ、自分たちも楽しむために一緒にやっていた。彼らは、ドラム・ライザーを使うことや、ギターとドラムのソロとか、アリーナ・ショウに必要なことを俺たちからたくさん学んだと思う。

ここ数年、俺とエディはメールや電話で連絡を取り合っていて、最近になって彼のメールを読み返したら、本当に心温まる内容でね。俺たちは似たようなことを経験したから、心を通い合わせることができたんだ。

例えば、数年前に俺が親指の軟骨に問題があることを伝えたら、エディは自分がドイツで診てもらっていた人に会いに行くよう薦めてくれた。それでドイツへ行ったら、エディと同じように幹細胞の治療が受けられて、本当に良かったんだ。エディが関節炎に苦しんでいたことはあまり知られてないけど、それでもあれだけのプレイをしていたなんて本当に驚きだよ。

それと、俺たちは教科書通りにやらなかったところも似ていて、二人とも自分たちが必要とすることをギターとアンプにやらせるために取り組んでいた。エディは、分解して再構築して、何もないところから何かを作るのが好きで、独自のギター・ワールドを創り上げたんだ。何とも素晴らしい世界をね！」