49年間未公開のままだった、ソウル史上最高のライヴ・ドキュメンタリー『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』5月公開

【公式】『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』“ソウルの女王”幻のコンサートフィルムが、ついに日本公開!/予告編/5月28日(金)公開


アレサ・フランクリンの、『至上の愛〜チャーチ・コンサート〜』として名高いライヴ録音『Amazing Grace』は、実は映像にも収められていました。しかし公開されることなく、約半世紀。今回初めてスクリーンに登場です。

〈以下公式インフォメーションより〉

音楽史に残る史上最高のゴスペル・アルバムと称えられる『Amazing Grace』。1972年に教会で収録されたこの幻のライヴが、49年を経てスクリーンに初登場! 音楽映画史に燦然と輝く、ソウル史上最高のライヴ・ドキュメンタリー。

1972年に教会で行なわれた「ソウルの女王」アレサ・フランクリンによる幻のコンサート・フィルムが、49年と時を経てついに日本公開。2018年8月16日、惜しくもこの世を去ってしまった「ソウルの女王」アレサ・フランクリン。1972年1月13日、14日、ロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で行なわれたライヴを収録したライヴ・アルバム『Amazing Grace』は、300万枚以上の販売を記録し大ヒット。史上最高のゴスペル・アルバムとして今も尚輝き続けている。その感動的な夜が遂に映像で蘇る。

◼️出品映画祭
2018 ニューヨーク・ドキュメンタリー映画祭
2018 アメリカン・フィルム・インスティチュート映画祭
2019 トゥルー/ファルス映画祭
2019 SXSW サウス・バイ・サウスウェスト映画祭
2019 パンアフリカン・フィルム・フェスティバル
2019 マイアミ国際映画祭
2019 ガスパリラ国際映画祭
2019 マーサズ・ヴィニヤード島国際映画祭
2019 イーバートフェスト
2019  NAACPイメージ・アワード ※outstanding documentary受賞
2019 カンザスシティ映画批評家協会 ※ベストドキュメンタリー受賞

原題:Amazing Grace/2018/アメリカ/英語/カラー/90分
配給:ギャガ GAGA★
アルバム「Amazing Grace」

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アトランティック・レコードは、レイ・チャールズ、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング、オーティス・レディング、レッド・ツェッペリン、クリーム、ロバータ・フラック、ジョン・コルトレーン、その他偉大なジャズ、R&B、ポップ・アーティストの生みの親である。ザ・コースターズ、ザ・ドリフターズ、ルース・ブラウン、レイ・チャールズ、ソロモン・バーク、オーティス・レディング、サム&デイヴ、ウィルソン・ピケットは、アトランティックが1950年から1960年代にかけて売り出したアフリカ系アメリカ人の主なスターたちだ。

アレサ・フランクリンは、もともとコロンビア・レコートのジョン・ハモンドと契約を交わしていた。ハモンドは、ビリー・ホリデイ、カウント・ベイシー、ボブ・ディラン、ブルース・スプリングスティーンらを発掘した名プロデューサーでもある。コロンビアとの契約は失敗に終わるが、続いてアトランティック・レコードがアレサに手を差し伸べた。同社のジェリー・ウェクスラーに導かれ、その後アレサの歌手人生は一変していく。

1967年以降、アレサは立て続けにヒット曲を飛ばした。「貴方だけを愛して」「リスペクト」「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」「チェイン・オブ・フールズ」「シンク」「ドント・プレイ・ザット・ソング」。ポップ部門でも、R&B部門でも、アトランティック・レコードがヒットチャートを独占した。アレサの成功が、オーティス・レディングの死や、レイ・チャールズのライバル会社への移籍によってR&Bの伝統から離れつつあったアトランティック・レコードを救った。

シュープリームスからアル・グリーンまで、ソウル音楽への愛が、人種の壁を超え、アメリカを一つにした。しかし、1970年代初期にマーティン・ルーサー・キング牧師とマルコムXの暗殺によって公民権運動が分裂する。ブラックパワー運動が加速し、アフリカ系アメリカ人は、徐々に疎外されていった。彼らの音楽もまた、白人のメインストリーム文化によって押しつぶされていく。アトランティック・レコード(1970年には、ワーナー・コミュニケーションズと合併する)のようなレーベルも、爆発的な人気を誇る白人のロック・グループやシンガー・ソングライターに傾くようになっていった。

1971年には、アレサ・フランクリンは「ソウルの女王」として知られるようになった。5年間続けてアルバムが音楽チャートのトップに君臨した後、アレサとアトランティック・レコードのプロデューサー、ジェリー・ウェクスラーは、次の作品で自身の原点に立ち返り、アメリカのゴスペル音楽を歌おうと決めた。

アルバム『Amazing Grace』で白鳥の歌を目指したわけではなかったが、アメリカの音楽史に残るアルバムとされ、また1960年代にアメリカ音楽を変えたゴスペルとして称えられる作品となったのである。

●Disc 1
1. オルガン・イントロダクション(オン・アワ・ウェイ)
2. オープニング・リマークス
3. オン・アワ・ウェイ
4. アレサズ・イントロダクション
5. ホーリー・ホリー
6. 淋しくはないはず
7. いつくしみ深き友なるイエス
8. 尊きおもいで
9. ハウ・アイ・ガット・オーヴァー
10. 尊き主よ我が手を/きみの友だち
11. 高き山に登らん
12. 至上の愛(アメイジング・グレイス)
13. マイ・スウィート・ロード
14. イエスに我がすべてを

●Disc 2
1. オルガン・イントロダクション(オン・アワ・ウェイ)/オープニング・リマークス
2. オン・アワ・ウェイ
3. アレサズ・イントロダクション
4. いつくしみ深き友なるイエス
5. ホーリー・ホリー
6. 高き山に登らん
7. 神は汝を導きたもう
8. オールド・ランドマーク
9. マリアよ泣くなかれ
10. 生命は永遠に
11. C.L.フランクリン師の言葉
12. 尊きおもいで
13. マイ・スウィート・ロード

◼️映画『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』
アレサがアルバムの準備に取り組んでいる時、ワーナーブラザーズは1972年にその収録現場を撮影する計画に合意した。

ワーナーブラザーズ・フィルムズ、ワーナー、リプリーズ・レコード、エレクトラ、アトランティック・レーベルの親会社であるワーナー・コミュニケーションズは、1970年のマイケル・ウォドレー監督が手掛けた『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』の成功により、新バズワード「コーポレート・シナジー」の恩恵を受けていた。ワーナーは、権利獲得に10万ドルを費やし、映画の興行収入は1700万ドルを突破。アルバムは300万枚売れた。ワーナー・コミュニケーションズは、『Amazing Grace(原題)』でも同じような成功を期待していたのである。

ワーナーブラザーズの音楽サービス部門ディレクター、ジョー・ボイド(ニック・ドレイクやピンク・フロイドのプロデューサー)は、ドキュメンタリー映画監督のジム・シグノレリと彼の16ミリ・カメラを操る撮影チームの起用を提案した。しかし、シグノレリと契約を交わす前に、ワーナーブラザーズの代表取締役テッド・アシュレイは、シドニー・ポラックとの打ち合わせの時に、この企画について話してしまう。当時、シドニー・ポラックは、『ひとりぼっちの青春』でアカデミー賞最優秀監督賞にノミネートされたばかりであった。フランクリンの名前を聞いてすぐにポラックは企画への参加を決めた。

このアルバムは、カリフォルニアのワッツ地区にあるジェームズ・クリーヴランド牧師の教会で、本物の聴衆の前でライヴ収録された。のちに『Amazing Grace(原題)』は、フランクリンの歌手人生の中で最も売れた、人気ゴスペル・アルバムになる。

しかし、この映画が公開されることはなかった。

シドニー・ポラックは、長編映画を専門とする監督であった。通常、音声は、収録後にスタジオで映像と合わせる。素晴らしい二日間の収録だったが、その後、編集者は頭をかかえていた。カチンコもなく、何一つ音声と画像を一致させる目印が無かった。ポラックは、読唇術ができる人を雇い、特別な編集者を雇ったが何一つ成果はなかった。

その後、この映画は40年近く封印されてしまう。そんな中、アトランティックの元スタッフ・プロデューサーでありウェクスラーの弟子でもあるアラン・エリオットが、ウェクスラーにある話を持ち掛ける。最終的にポラックにも声をかけ、エリオット、ウェクスラー、ポラック三人で、最新デジタル技術を使って、音と画像を一致させ、生の映像から映画を作れないかとワーナーブラザーズに提案したのだ。

収録から47年後にアメリカで公開されたこの映画は、アレサ・フランクリンの偉大さを見事に証明している。アメリカ音楽の歴史的瞬間をのぞき込む、タイムマシンなのだ。
 

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◼️製作アラン・エリオットのインタヴュー
Q:ワーナーブラザーズから映画を買収するプロセスはどうでしたか?
A:簡単だったよ! シドニー・ポラックと私は、ずっとこの映画について話し合っていたんだが、残念なことに病気になってしまってね。ある日、シドニーが私に電話をしてきて、この映画を完成させたいと言ってきたんだ。ワーナーブラザーズにも同じことを伝えたと言っていた。私のエージェントのアリ・エマニュエルが、ワーナーブラザーズと交渉した後、企画が再び動き出したんだ。
Q:この映画には、いつから取り組んでいたんですか?
A:1990年からだ。
Q:この映画を作る過程で最も大変だったことは?
A:映像と音声が1972年に収録されたんだが、シンクロナイゼーションが無かったんだ。
Q:この映画を買収する前から、この問題を把握していたのでしょうか?
A:いいや! 知らなかった!
Q:最終的に、どのように音声を修正したのでしょう?
A:デラックス・エンターテイメントのデジタル技術を使った。それに、私の素晴らしい友人、グレイ・エインズワースとベバリー・ウッドが音声を修正してくれたんだ。
Q:映画から削除したシーンはありましたか? 削除した理由は?
A:あるよ。もともと全部で3時間半あった。最初の試写会に、前立腺がんを患う友人が立ち会ってくれた……それが、編集作業に影響した(とにかく早く済ませなければならなかった!)。
Q:もとの撮影に参加した人で、編集作業に協力した人はいますか?
A:コーラスのメンバー大勢と、アレキサンダー・ハミルトンが試写会とかに来てくれた。彼らが試写会に来てくれたことが、編集過程に大きく影響した。
Q:『Amazing Grace(原題)』のアルバムの中で個人的に一番好きな曲は?
A:「God Will Take Care of You(原題)」かな。でも、どうしても映画の中に入れる場所がなくて、カットせざるを得なかった!

アレサ・フランクリン、音楽史に残した60年以上の軌跡──

アレサ・フランクリンは、ポップ音楽界の大スターであり、世界の文化的アイコンであった。アルバムの売り上げ数はトップ・クラスで、世界中で7,500万枚売れている。誰もが認める「ソウルの女王」は、歌手として活動した60年間、驚くべきレガシーを築き上げてきた。大統領や海外の王家の人の前で歌を披露し、ジャンル問わず、多くのファン、同僚、仲間たちから尊敬を集めていた。フランクリンは世界中で、「アレサ」の愛称で親しまれていた。

アレサの並外れた歌唱力や優れた芸術性は、今までに何度も高く評価されている。『ローリング・ストーン』誌の「史上最も偉大なシンガー」1位に二度も輝き、米国国民にとって最も名誉のある大統領自由勲章を授与された。グラミー賞を18回受賞し、グラミー賞特別功労賞生涯業績賞、グラミー賞リヴィング・レジェンド賞も受賞している。史上最年少でケネディ・センター名誉賞を受賞し、ロックンロール・ホール・オブ・フェイムには女性初として名が刻まれた。米ミュージック・ホール・オブ・フェイム入りも果たし、女性として史上二度目の快挙となった。さらにゴスペル・ミュージック・ホール・オブ・フェイムの殿堂入りも果たしている。

アレサのゴスペル・アルバム『Amazing Grace(原題)』は、史上最も売れたアルバムの一つであり、史上最も売れたライヴ・ゴスペル・アルバムである。収録から約50年経った今、このアルバムが再びこの世によみがえる。伝説の二枚組ライヴ・アルバムのメイキング映像を収録したドキュメンタリー映画がついに公開され、高い評価を得た。CBSは、アレサの歌手人生に敬意を払い、2019年3月10日に『Aretha : A Grammy Tribute for the Queen of Soul(原題)』を放送した。

アレサは、「公民権運動の声、ブラック・アメリカの声」、また「黒人の平等の権利のシンボル」と国際的に称えられた。1968年のマーティン・ルーサー・キング牧師の葬儀では、人々の心を励ますようなアレサの歌声が世界中に響き渡った。また1972年の「ゴスペルの女王」と称されたマヘリア・ジャクソンの葬式でもその歌声を披露した。アレサの歌声は、1985年に、ミシガン州天然資源局から「州の天然資源」と指定された。さらに、バラク・オバマ大統領の第一期就任式で歌ったのは、アレサの歌手人生において記念すべき出来事となった。
 

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◼️『Amazing Grace(原題)』劇中ソングリスト
★1日目の夜
「On Our Way(原題)」
「Wholy Holy(原題)」
「What a Friend We Have In Jesus(原題)」
「How I Got Over(原題)」
「Precious Memories(原題)」
「You’ve Got a Friend(原題)」
「Precious Lord Take My Hand(原題)」
「Amazing Grace(原題)」
「My Sweet Lord(インスト)(原題)」

★2日目の夜
「Mary Don’t You Weep(原題)」
「Climbing Higher Mountains(原題)」
「Old Landmark(原題)」
「Never Grow Old(原題)」
「Old Landmark(エンドクレジット)(原題)」

2021年5月28日(金)
Bunkamuraル・シネマ他
全国順次ロードショー

撮影:シドニー・ポラック『愛と哀しみの果て』
映画化プロデューサー:アラン・エリオット
出演:アレサ・フランクリン、ジェームズ・クリーブランド、コーネル・デュプリー(ギター)、チャック・レイニー(ベース)、ケニー・ルーパー(オルガン)、パンチョ・モラレス(パーカッション)、バーナード・パーディー(ドラム)、アレキサンダー・ハミルトン(聖歌隊指揮)他
原題:Amazing Grace/2018/アメリカ/英語/カラー/90分/字幕翻訳:風間綾平
2018©Amazing Grace Movie LLC
配給:ギャガ GAGA★

公式サイト:『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』

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