新企画【MLCプレイリスト】テーマ別に往年の名曲を集めて聴く新企画開始。初回テーマは “平和を我等に”! ロシアはウクライナ即時撤退を

テーマ別に往年の名曲を集めて聴く新企画を始めます──名付けて【MLCプレイリスト】! アーティストの来日やリリース、また季節や記念日、さらにその時々のトピック的な内容をテーマに取り上げ、10曲前後、46分を目安に往年の名曲をピックアップしていきます。初回のテーマは、平和を願うジョンとヨーコのあの曲から拝借して “平和を我等に”!
今テレビはロシアのウクライナ侵攻に関するニュース一色で、被害者数や破壊された街並み、隣国へと逃れる避難民の姿、離れた地から母国を思うウクライナ人の涙など、うんざりさせられるものばかり。隣り合う国が敵側に接近しつつある姿を見て武力で攻め入るとか、まるで戦国時代のニュースを見せられているような気になります。ロシア、とりわけプーチン大統領には一刻も早く考えを翻して、停戦をお願いしたい。

逆にいうと、古の時代から我々人類は同じことを繰り返してきているわけで。特にヴェトナム戦争以降はメディアを通じて日々状況が報じられることも当たり前となっていて、それに対する反戦ソングや平和を願う楽曲は、非常に悲しいことですが、ずっと作り続けられているというのが現状です。そんな中から平和を願う曲を10曲ピックアップ。現在だけでなく、子や孫の世代のためにも、戦争のない世界になることを願っています。

日本赤十字社:ウクライナ人道危機救援金

MLCプレイリスト 2022.03.11/平和を我等に

1. IMAGINE. (Ultimate Mix, 2020) - John Lennon & The Plastic Ono Band (with the Flux Fiddlers) HD / johnlennon
2. Pete Seeger - "This Land Is Your Land" (Unreleased) [Official Audio] / Smithsonian Folkways
3. The Byrds "Turn! Turn! Turn!" on The Ed Sullivan Show / The Ed Sullivan Show
4. Bruce Springsteen - War / Bruce Springsteen
5. The War Song / Culture Club
6. Barry McGuire - Eve Of Destruction (1965) / Warmer Music Videos
7. Shipbuilding (Remastered in 1998) / Robert Wyatt - Topic
8. Creedence Clearwater Revival - Have You Ever Seen The Rain (Official) / Creedence Clearwater Revival
9. Buffalo Springfield - For What It's Worth (Official Audio) / RHINO
10.  Marvin Gaye - What's Going On (Official Video 2019) Marvin Gaye

■楽曲解説

1. John Lennon & The Plastic Ono Band (with the Flux Fiddlers) “Imagine.”(Ultimate Mix, 2020)-

まず最初は、おそらく誰しもが“反戦歌” として最初に思い浮かべるであろう、この曲を。ジョン・レノン1971年のシングルで、このPVは、2020年にジョンの生誕80周年を記念し発売された新たなベスト『ギミ・サム・トゥルース.』に収録の、オリジナルの36トラック・マルチテープからリミックスされた “アルティメット・ミックス2020”の音源と、HD化された映像によって再構成されたもの。「平和を我等に」とどちらにするか悩みましたが、そちらは全体のテーマに掲げることであの曲にもちゃんと敬意を表しておきたいと思います。
英詞Google翻訳
商品情報
ジョン・レノン 
『ギミ・サム・トゥルース.』(完全生産限定盤/2SHM-CD+Blu-ray)
2SHM-CDs+Blu-ray(2020.10.9)¥9,350

2. Pete Seeger "This Land Is Your Land"

ピート・シーガーは戦前から活躍するフォーク・シンガー、2014年他界。「This Land Is Your Land」はウディ・ガスリー作によるフォーク・ソングがアンセム化した定番で、土地とそこに住む人々に対する素朴で普遍的な愛を歌った曲。境界線のこっちとそっち、どちらも私とあなたのために創られた土地なんだよ、と語りかけてきます。ピーター、ポール&マリーやステイプル・シンガーズなど星の数ほどのアーティストにカヴァーされてきた曲ですが、ピート・シーガーはガスリーに続く第二世代として、この曲を歌い継いで来ました。
英詞Google翻訳
商品詳細
ピート・シーガー
『This Land Is Your Land - The Best Of Pete Seeger』

Amazon Music・MP3(2015/1/1)¥900

3. The Byrds “Turn! Turn! Turn!”

お次はピート・シーガーつながりで、ザ・バーズによるシーガー作の「Turn! Turn! Turn!」カヴァーを。サブタイトルは「To Everything There Is a Season(あらゆるものに季節がある)」。ミッド・テンポの穏やかなメロディで最初から最後まで歌われる、時とともにうつろうあらゆる事象の良い面・悪い面の諸行無常。しかし「平和の時はまだ遅すぎやしない」と、一筋の光が差し込むように未来へ向けた一言で結ばれます……。1965年10月リリースの彼らの4枚目のシングル曲で、「ミスター・タンブリンマン」に続く全米1位になった彼らの代表曲のひとつ。
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商品情報
ザ・バーズ
『ターン・ターン・ターン』

Amazon Music・MP3(1965/12/6)¥1,800

4. Bruce Springsteen “War”

ピート・シーガーが第二世代なら、ボスやディランは第三世代? 曲は1986年にリリースされたLP5枚組のライヴ・ボックス『The "Live" 1975-1985』(CDは3枚組)からエドウィン・スターの「ウォー」(邦題「黒い戦争」)のカヴァーを。「ボーン・イン・ザ・USA」ならここに入れても良かったのでしょうが、語り部として作家性の高いボス、カヴァーでもない限りこれほど直接的な表現をしないのでは?と思いこれに。腹の底から溢れ出る怒りをすべて吐き出すような歌唱と、最初と最後のわずかなドラマ部分が印象的です。
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商品詳細
Bruce Springsteen and The E Street Band
『Live in Concert 1975-1985』

3CDs(1985/5/14)輸入盤

5. Culture Club “The War Song”

終盤ボーイ・ジョージの「No more war〜」「せーんそうはんた〜い」の歌声にご記憶は? カルチャー・クラブの1984年作、ファンカラティーナの底抜けに明るい曲調とは裏腹な、ストレートな反戦メッセージ・シングル(邦題「戦争のうた」)。ビデオもなかなか印象的な出来でしたが、残念ながらYouTube上にあるのは非公式のアップロードものばかりのため、ここでは音源のみ。ボーイは2000年代は何かといろいろあったようですが、2018年にカルチャー・クラブとして19年ぶりの最新作『Life』をリリース、現在は幾分声が低くなってヴァン・モリソンのような滋味溢れる歌声を聞かせる良いシンガーになっています。
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商品詳細
カルチャー・クラブ
『Waking Up With the House on Fire』

Amazon Music・MP3(1984/10/25)¥2,100
CD(2003/10/7)輸入盤

6. Barry McGuire “Eve Of Destruction”

大所帯フォーク・グループ、ニュー・クリスティ・ミンストレルズから独り立ちしたバリー・マグワイアによる、1965年発売の同名タイトルのソロ・アルバムからのシングル、邦題は「明日なき世界」。核戦争の前夜を描く歌詞は強烈で、当時からカヴァーも多く、日本でも多くのミュージシャンがカヴァー。おそらく最も有名なのは、RCサクセションによる何かと一石を投じた1988年の『COVERS』に収録されたものでしょう。プーチン大統領が核の使用をほのめかした現在、我々は今まさに破壊の前夜にいることになるのです。
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商品詳細
Barry McGuire
『Eve Of Destruction』

Amazon Music・MP3(1965/1/1)¥900

7. Robert Wyatt “Shipbuilding”

元ソフト・マシーンのロバート・ワイアットの楽曲でおそらく最も有名なのがこれ。エルヴィス・コステロとプロデューサーのクライヴ・ランガーが書いてワイアットに提供、先にワイアットがシングルとして発売するも、いまいち売れず。後にコステロは自分でもレコーディングしてアルバム『パンチ・ザ・クロック』に収録、ワイアットのシングルはようやく売れたという経緯あり。イギリス/アルゼンチン間で起きたフォークランド紛争時、不況にあえぐイギリスにあって父親は軍艦を作ることで仕事を得られるが、息子はその船に乗って戦場に行ってしまうという、やるせないドラマを描いた珠玉の逸品。
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商品詳細
ロバート・ワイアット
「EPs」

Amazon Music・MP3(1999/2/9)¥1,600

8. Creedence Clearwater Revival “Have You Ever Seen The Rain”

この中ではブルースが歌う「黒い戦争」と同様、ヴェトナム戦争時代の曲としてクリーデンス1970年の代表曲「雨を見たかい」。通説として、ここでの「雨」はヴェトナム戦争でのナパーム弾を連想させるため米国で放送禁止になったとされてきましたが(米国政府に放送禁止にされたとする記事までも)、調べてみてもそれを裏付けるような具体的な記述が出てきません。ジョン・フォガティ本人はまったく別の説明をしていて、しかもこの暗喩を否定しているそうなのですが。都市伝説なの? 果たして真実や如何に。なおこの映像は、バンドの結成50周年を記念して制作された、ちょっと切ないショートフィルムです。ラブです。
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商品詳細
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
『ペンデュラム』

Amazon Music・MP3(1970/12/9)¥1,500
CD(2020/11/6)¥2,734

9. Buffalo Springfield “For What It's Worth”

バッファロー・スプリングフィールド1966年のシングル。全米最高7位のヒットを記録、その結果彼らのデビュー・アルバムにはセカンド・プレスから追加収録されています。元々はスティーヴン・スティルスがサンセット・ストリップ暴動に触発されて書いた曲ですが、その後ヴェトナム戦争期とあいまって反戦歌として広まったという曰く付き。作者本人の意図はよそに、歌詞を見てみると、何だか上手いこと反戦歌のように読めてしまう。前記CCRの「雨を見たかい」同様、こういう反戦歌の生まれ方もあるのかもしれません。
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商品詳細
バッファロー・スプリングフィールド
『バッファロー・スプリングフィールド』

Amazon Music・MP3(1966/12/5)¥1,000
CD(2016/7/20)¥1,353

10. Marvin Gaye “What's Going On”

平和を願う歌の筆頭にしてマーヴィン一世一代のこの曲を本プレイリストの最後に。当時リリースにあたってはレーベルの社長ともめにもめ、「このシングルを出さないならアルバムも出さない!」と居直った結果、マーヴィンはリリースを勝ち取る。結果は、リリースから半世紀を経た今も語り継がれる誉れ高き名盤に。このビデオはモータウンの設立60周年を記念して2019年に制作されたもので、監督は当時の社会問題の様子をこの曲のPVとしてその様子を収め、公式のPVとして公開されたもの。「戦争は答えじゃない」の一節は平和を求める反戦歌として、またある時は貧困や格差の解消を訴える普遍的な愛の歌として、今も愛され続けています。
英詞Google翻訳
商品詳細
マーヴィン・ゲイ
『ホワッツ・ゴーイング・オン+26』

Amazon Music・MP3(2011/5/25)¥1,260
CD(2011/5/25)¥1,515

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「もっと他にあるだろ!」の声が聞こえてくるようですが、なるべく時代的にも作風的にも幅広く、トピック的な面でもヴァリエーション豊かになるよう集めてみました。惜しむらくは歌詞/訳詞が掲載できないことで、致し方ないことですがGoogle翻訳のクオリティの低さが残念です。

こうしてみると、平和を訴える曲と言ってもテーマの扱い方や表し方、アプローチの仕方も様々で。考えようによっては反人種差別ソングも広い意味では平和を求めるものであるし、また最後の3曲のように受け止め方によっても違ってくるものなのだなと。1984年、ブルース・スプリングスティーンの「ボーン・イン・ザ・USA」が本来の意図(ヴェトナム戦争後10年を経ても市民の間に残る影響)から切り離され、レーガン大統領の選挙キャンペーンに「ボーン・イン・ザ・USA〜」のリフレインがナショナリズムを煽るスローガンとして使用された例も思い出されます。聴く側の我々も曲解には気をつけねばなりません。

さて。兎にも角にも、プーチン大統領には一刻も早く停戦を、ウクライナの民間人や軍人はもとよりロシア兵にも被害者が増えないうちに、実現していただきたいと思います。その時一番の平和をもたらせる人物がその張本人であるというのも、大昔から変わらぬ真実ですね。そして被害を受けたウクライナのみなさんに、一刻も早く平穏な日々が再び訪れますよう、切に切に願います。

この調子でそのうち第2回もやりたいと思いますので、「我こそは!」という方のテーマとその10曲、みなさんからもお待ちしております。次回は明るいテーマでやりたいと思いますので、どうぞお楽しみに!

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