映画『All the Streets Are Silent:ニューヨーク(1987-1997)ヒップホップとスケートボードの融合』、ジェレミー・エルキン監督と出演のYUKI WATANABEが挨拶

1980年代後半〜90年代のニューヨークで、ヒップホップとスケートボードというふたつのストリート・カルチャーが融合していく様を捉えたドキュメンタリー映画が公開中。それに合わせニューヨークから監督のジェレミー・エルキンと、本作中で重要な舞台となる〈Club Mars〉を主催し、出演もしているYUKI WATANABE氏が来日、満員の劇場で本日舞台挨拶を行ないました。
〈以下、公式インフォメーションより〉

90年代ニューヨーク、ストリートカルチャーの誕生を追ったドキュメンタリー映画!
『All the Streets Are Silent:ニューヨーク(1987-1997)ヒップホップとスケートボードの融合』
10月21日(金)より公開となった本作、NYよりジェレミー・エルキン監督と本作に出演のYUKI WATANABE氏が来日、満員の劇場で本日舞台挨拶を行ないました! 「ここに写っているのはジェイ・Z?」というので、覚えてないけどと答えると……ジェイ・Zでした。自分が撮影していないので全く知りませんでしたが(笑)。ファット・ジョーの映像も本当はあったのに……彼女とのハワイ旅行をそのビデオの上から撮ってしまって幻の映像になってしまいました(笑)。
今、世界で最も勢いのあるカルチャーを作り上げた不良たちの物語。

1980年後期のニューヨーク。アンディ・ウォーホールやジャン=ミシェル・バスキアたちの時代が終焉を迎え、そこに空いた穴を埋めるかのようにヒップホップとスケートボードという2つのサブカルチャーが頭角を現し始める。当初ヒップホップは黒人の物、スケートボードは白人の物というイメージが強かったが、当時では珍しくヒップホップを流す〈Club Mars〉のオープンから、ウータン・クラン、Nasやノトーリアス B.I.G.などのラッパーの誕生、映画『KIDS/キッズ』の公開、スケートブランド〈ZooYork〉や〈Supreme〉のローンチなどを経て、ライフスタイルが似ていた両者の文化は次第に交わり、ラッパーがスケートブランドで着飾るように、スケーターがヒップホップを聴くようになる。そして、不良と呼ばれていた若者たちの生き様が、今では世界的に最も影響力のあるストリート・カルチャーを作り上げた。
《イベントレポート》

【イベント概要】
■開催日時:10月23日(日)12:15の回(上映終了後、舞台挨拶)
■会場:ヒューマントラストシネマ渋谷(シアター1)
■登壇者:ジェレミー・エルキン監督、YUKI WATANABE

ジェレミー・エルキン監督

モントリオールで育ったエルキンはスケートボード、音楽、映画製作に情熱を注いでいた。2000年代には数々のスケートビデオを撮影し、その後ニューヨークへ移住。ニューヨークでは『ヴァニティ・フェア・マガジン』でビデオ制作を担当。2018年にフランス人アーティスト、JRによるブルックリンミュージアムの短編映画『The Chronicles of New York City』の撮影と監督を務める。エルキンは自身のパッションを融合させて、長編ドキュメンタリー映画デビュー作である『All the Streets Are Silent:ニューヨーク(1987-1997)、ヒップホップとスケートボードの融合』を製作した。
YUKI WATANABE

単身渡米し、ニューヨークで伝説的なナイトクラブ、Club Mars(88年〜92年)を作り上げた。MarsにはラッパーやDJ以外にもスケーターも多く集まり、2つのサブカルチャーはここから融合していった。本作でも〈Club Mars〉は当時のアンダーグラウンドカルチャーの中心地として取り上げられている。

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ジェレミー・エルキン監督
「〈Zoo York〉のイーライ・ゲスナーが当時の貴重なフッテージをたくさん持っており、そこからこの映画の話は始まりました。また、そんな中ユキ・ワタナベさんに出会い、“Club Mars” のさらなる膨大なフッテージが発掘され、発展しました。合計6,000本のビデオテープをの中から内容を吟味し最終的にはその中から100本ぐらいの映像を使用しています」

YUKI WATANABE
「当時、日本からNYの映像があったら使いたいという話があり、とりあえず貯め撮りしておこうと思い、DJの映像や “Club Mars” の映像などを撮っていました。ついでにNYのストリートシーンも興味があったので、撮影していました。当時の映像で、DJクラーク・ケントがパーティをやった際にいろんなラッパーが出演するというので、私は他の仕事があったのですが妻にビデオを撮っておいてくれとお願いした映像があり、今回、監督と見ていたら、『ここに写っているのはジェイ・Z?』というので、覚えてないけどと答えると……ジェイ・Zでした。自分が撮影していないので全く知りませんでしたが(笑)」

ジェレミー・エルキン監督
「バスタ・ライムスやメソッド・マンが出てくるシーンで、実はファット・ジョーもフリースタイルでやっているのですが、その映像は本当はあったはずで、ファット・ジョーに連絡して使用許可も取ったのに、イーライ・ゲスナーが彼女とのハワイ旅行をそのビデオの上から撮ってしまって幻の映像になってしまいました(笑)」
「この映画のタイトルに関してですが、最初に考えたタイトルは商標登録されており、使用料が高かったので止めました。次に、当時(コロナ過)のNYは街が死んでいて静かだったので “Silent” という言葉はいいと思いました。その後、いろいろあって街も活気を取り戻しましたが。そして、クエンティン・タランティーノ関連の映画の中に “All the Streets Are Silent” というセリフがあって、書き留めていました。それでこのタイトルに決めました」
「日本は世界の中で最先端というイメージがあるから、過去のNYからここにきて映画を上映できることを嬉しく思っています」

YUKI WATANABE
87年から97年のNYのストリートの現状を監督が映像化してくれたことに非常に感謝しています。NYでゼロから始めて、 “Club Mars” ということができたことに、みなさんも自分の信念を推し進めていただきたいと思います。頭を柔らかくして自分の信念をもって頑張ってください」

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【作品概要】

『All the Streets Are Silent:ニューヨーク(1987-1997)ヒップホップとスケートボードの融合』

・監督:ジェレミー・エルキン
・ナレーション:イーライ・ゲスナー
・音楽:ラージ・プロフェッサー
・製作総指揮:デヴィッド・コー
・製作:デイナ・ブラウン、ジェレミー・エルキン
・原題:All the Streets Are Silent: The Convergence of Hip Hop and Skateboarding(1987-1997)
・2021年/アメリカ/89分

© 2021 Elkin Editions, LTD. All Rights Reserved.

・日本語字幕:安本 熙生
・配給:REGENTS
公式HP:atsas.jp Twitter/Instagram:@RegentsMovie

ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて絶賛公開中
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