ブラジルのロックの女王、ヒタ・リーが75歳で死去

1947年にサンパウロで生まれたリーは、1966年にアルナルド・バチスタとセルジオ・ヂアスの兄弟とムタンチスを結成し、1968年にサイケデリアとポップスを融合させたデビュー・アルバム『Os Mutantes』をリリース。同作にはオリジナル曲のほか、ブラジルのレジェンド、カエターノ・ヴェローゾやジルベルト・ジル、ジョルジ・ベンジョールらと共作した曲も収録されていました。

また、バンドは同年、カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、ガル・コスタ（2022年11月22日MLCニュース）らと共に、コラボ・アルバム『Tropicalia ou Panis et Circencis』に参加し、同作は、ブラジルのトロピカリア・ムーヴメントにおける記念碑的アルバムになりました。

ブラジルで大人気を博したバンドは、アメリカのモダン・ロックにも影響を与え、ニルヴァーナのカート・コバーンや、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー、デヴィッド・バーンらは、彼らから大きな影響を受けたと語っていました。

なお、リーは1970年に初ソロ・アルバム『Build Up』を発表した後、1972年にバンドを脱退し、2012年の『Reza』に至るまで、20枚以上のソロ・アルバムをリリース。ソロとして成功を収めたリーは、5,500万枚以上のレコード・セールスを記録し、「ブラジルのロックの女王」として知られていました。

リーは、作曲とヴォーカルのほか、ハーモニカ、オートハープ、ピアノ、ドラムなど、様々な楽器も演奏し、初めてエレキ・ギターでレコーディングを行ったブラジル人アーティストの一人でもありましたが、2012年にライヴ・パフォーマンスからの引退を発表していました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。