The Beatles × Shinko Music NOW AND THEN

【徹底検証】赤盤・青盤2023エディションは旧エディションとどう違う!?

よりリアル・ステレオへ近づいた ──『ザ・ビートルズ 1962年~1966年』・赤盤編

2023エディションとして生まれ変わった通称・赤盤/青盤。「曲が追加されて曲順が変わって多少変化したとはいえ、基本的には同じじゃーん?」と、未購入の方が多いのではないでしょうか。──しかし、もうお聴きになった方ならきっとこう反論するはず、「1曲めの “ラヴ・ミー・ドゥ” からしてもう全然違うから!!」と。──なので、どうしたってこうした「どこが違う? どう違う?」な検証は必要なのです。旧エディションをお持ち/お聴きになってきた方にこそ聴いてほしい、驚きと発見に満ちた “2023エディション”。どこがどう違うか、再生しながら、そして時に実際に旧版と聞き比べながら、お読みください!
商品詳細
ザ・ビートルズ
『ザ・ビートルズ 1962年~1966年』 2023エディション


2CDs(2023/11/10)¥4,180(通常盤/SHM-CD/2枚組)
3LPs(2023/11/10)¥13,200
●CD1
1. ラヴ・ミー・ドゥ (2023ミックス)
2. プリーズ・プリーズ・ミー (2023ミックス)
3. アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア (2023ミックス)*
4. ツイスト・アンド・シャウト (2023ミックス)*
5. フロム・ミー・トゥ・ユー (2023ミックス)
6. シー・ラヴズ・ユー (2023ミックス)
7. 抱きしめたい (2023ミックス)
8. ジス・ボーイ (2023ミックス)*
9. オール・マイ・ラヴィング (2023ミックス)
10. ロール・オーバー・ベートーヴェン (2023ミックス)*
11. ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー (2023ミックス)*
12. キャント・バイ・ミー・ラヴ (2023ミックス)
13. ユー・キャント・ドゥ・ザット (2023ミックス)*
14. ア・ハード・デイズ・ナイト (2023ミックス)
15. アンド・アイ・ラヴ・ハー (2023ミックス)
16. エイト・デイズ・ア・ウィーク (2023ミックス)
17. アイ・フィール・ファイン (2023ミックス)
18. 涙の乗車券(ティケット・トゥ・ライド) (2023ミックス)
19. イエスタデイ (2023ミックス)
●CD2
1. ヘルプ (2023ミックス)
2. 悲しみはぶっとばせ (2023ミックス)
3. 恋を抱きしめよう (2023ミックス)
4. デイ・トリッパー (2023ミックス)
5. ドライヴ・マイ・カー (2023ミックス)
6. ノルウェーの森(ノーウェジアン・ウッド) (2023ミックス)
7. ひとりぼっちのあいつ (2023ミックス)
8. ミッシェル (2023ミックス)
9. イン・マイ・ライフ (2023ミックス)
10. 恋をするなら (2023ミックス)*
11. ガール (2023ミックス)
12. ペイパーバック・ライター (2022ミックス)
13. エリナー・リグビー (2022ミックス)
14. イエロー・サブマリン (2022ミックス)
15. タックスマン (2023ミックス)*
16. ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ (2022ミックス)*
17. アイム・オンリー・スリーピング (2022ミックス)*
18. ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア (2022ミックス)*
19. トゥモロー・ネバー・ノウズ (2022ミックス)*

(2CDステレオ)
*=新たに追加されたトラック
※スマホでご覧になる場合は、表を左へスライドさせてお読みください。
※表、右端の列「オススメ」の欄は、旧エディションと比較し聴くべき度合いを示したものです。
★★★=聴くべし!
★★=聴かねば
★=聴いた方が
なし=まずは聴いて
●ディスク1
曲順 曲目 mix 解説 オススメ
1
ラヴ・ミー・ドゥ
2023
インパクトの強いベースはセンターに、ハーモニカは左寄り、ドラムはやや右寄りでスネアの音がクリアに。歌はほぼセンターでアコギは右。全てクリアな音の広がりによるステレオ・デミックス。リンゴ・スターがドラムを叩いたシングル盤が元音源。
2
プリーズ・プリーズ・ミー
2023
これまでは楽器は左、ヴォーカルは右だったのが、リード・ギター左寄り、ハーモニカ右寄りでヴォーカルほぼセンター、そしてドラムはセンターから右寄りへ。2番歌詞間違いの後にジョンの苦笑いで以前のステレオ版と同じ。
3
アイ・ソー・ハー・
スタンディング・ゼア
(追加曲)
2023
リード・ギター左、リズム・ギターを右に振り分け、ドラムはセンターやや右へ。手拍子はセンターやや右よりで、左右の音の振り分けはっきりとしたステレオに。
4
ツイスト・アンド・シャウト
(追加曲)
2023
ギターはジョンが左寄り/ジョージが右寄り、ドラム左寄りでヴォーカル/掛け合いコーラスはセンターに。アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』のマラソン・レコーディングの最後を飾るジョンのシャウトがクリアな音で堪能できる。
★★★
5
フロム・ミー・トゥ・ユー
2023
復活を遂げたイントロの印象的なハーモニカはセンターに。ドラムは左寄り、歌はハモりも含めセンターで一体感のあるものへ。ベースもほぼセンター、リード・ギターは右寄りに配置。
6
シー・ラヴズ・ユー
2023
これまではモノラル音源しかなかった一曲。イントロのドラム・フィルが左寄りから、リズム・ギターは右から入り、歌はハモりも含めセンターの初のリアル・ステレオ音像。リード・ギターも右寄りに。
7
抱きしめたい
2023
イントロのガツン感がアップ! 左リズム/右リード・ギターに煽られながら、センターで団子状に迫るヴォーカル陣が強力! 右寄りのハンドクラップが何気に可愛い。
★★★
8
ジス・ボーイ
(追加曲)
2023
アコギを左、エレキは右にギターを振り分け、センターから右寄りに広がるコーラスを聞くたびに、ビートルズはコーラス・グループだと実感。ポールの弾くベースも迫力が増してフレーズを聴き取りやすい音に。
★★
9
オール・マイ・ラヴィング
2023
お馴染みノーイントロ、ポールの二重唱で始まる名曲。曲をドライヴさせるジョンのリズム・ギターは左に、センター奥右寄りにポールのランニング・ベースを配した音像。これまで演奏左、歌右だった左右の泣き別れミックスが解消されている!
★★★
10
ロール・オーバー・ベートーヴェン
(追加曲)
2023
チャック・ベリー・スタイルの黄金のリフで始まるR&R。オープン・ハイハットが強調されたドラムがそれを受け、ハンドクラップが追いかける。リード・ギターは右チャンネルから。
11
ユー・リアリー・ゴッタ・
ホールド・オン・ミー
(追加曲)
2023
それぞれの楽器がステレオ音像で配置された演奏が実にクリア。センターに落ち着いたヴォーカルやコーラス、右側のリード・ギターのフレーズなど、コピーにもってこい。
12
キャント・バイ・ミー・ラヴ
2023
ドラムのリズムのキレの良さ、2本のリード・ギターの掛け合い、そしてノーイントロからグイグイ全体を引っ張るポールのヴォーカルがクリアな音で、その迫力が一層冴える!
13
ユー・キャント・ドゥ・ザット
(追加曲)
2023
ドラムの迫力も増して、分離の良いステレオ音像で聴かせる黒くヘヴィなビートルズ。背景に鳴り続けるのはカウベルとボンゴ。間奏の激しいギターはジョンが弾き、ジョージはリッケンバッカー360/12弦ギターをイントロ/アウトロで使っている。
14
ア・ハード・デイズ・ナイト
2023
複数楽器による強力なコード一発によるイントロがより迫力を増した今回のデミックス。 終始鳴り続けるボンゴとカウベルの音もこの時期のサウンドの特徴として、一層全体を華やかにしている。
★★
15
アンド・アイ・ラヴ・ハー
2023
右からガット・ギターで弾くリード、左はアコースティック・ギター。やや左寄りに遠くエコー感満載のクラベスと、センターやや右で叩かれるボンゴのラテン・フレイヴァーが曲のキモ!
★★★
16
エイト・デイズ・ア・ウィーク
2023
ビートルズ初のフェイドインするギター・イントロからスタート。メイン・ヴォーカルはセンターで、そこに左右のハーモニーが加わり明るい曲調と相まって一気に煌びやかな世界が広がる。
17
アイ・フィール・ファイン
2023
お馴染みギターのフィードバックをイントロに使用した初のシングル曲。今回のデミックスではこの最初の音の太さが際立って聞こえる。左右に分かれたジョージのリード・ギターの掛け合いも非常にクリア。
18
涙の乗車券
(ティケット・トゥ・ライド)
2023
2本のギターがキレイに左右に分かれ、センターのヴォーカルと、やや左に特徴的なリンゴのドラム・パターンがドッシリと構える音像。サビから加えられるタンバリンが効果的なサウンドメイク。
19
イエスタデイ
2023
イントロはやや左からポールの弾くアコースティック・ギター、ヴォーカルはセンターから聴こえ、2番から弦楽四重奏が入り、左にヴァイオリン2本、右チャンネルにヴィオラ、チェロの構成で聴かせる、アレンジはジョージ・マーティン。
★★★
●ディスク2
曲順 曲目 mix 解説 オススメ
1
ヘルプ!
2023
ジョンのヴォーカルと追いかけコーラスとの絡みはよりパワフルに。ベースはセンターで音像もクリア。ジョージの印象的な下降するギター・フレーズが左右のダブルトラックに振り分けられた。クリアになったジョンのアコギが最高。
★★★
2
悲しみはぶっとばせ
2023
左で刻まれる12弦アコギと、クリアになったブラシでリズムを刻むドラムのイントロが新鮮。前ミックスでは右寄りのタンバリンが左寄りに、もう一本の12弦アコギが右に入り、センターのヴォーカルを支える。以前は一つになって聴こえていたエンディングのアルトとテナーのフルートはステレオに。
3
恋を抱きしめよう
2023
旧版では右/歌、左/演奏の泣き別れmixだったものが、ボーカル/コーラスがセンターに落ち着き、右側のハーモニウムが大きく鳴る。左側のアコギのカッティングと共に、リズムに変化をつけるドラムが実にクリアな音色
4
デイ・トリッパー
2023
右寄りだったヴォーカルがセンターに、ベース、タンバリンもセンターに落ち着く。共にリフを弾くジョンとジョージのギターは以前同様左右に振り分けられ、一層タイトになったドラムの音とのコンビネーションでハード・ロックへの扉を開く。
★★
5
ドライヴ・マイ・カー
2023
この曲より演奏と歌が左右に泣き別れだったアルバム『ラバー・ソウル』収録曲が続く。2023mixでようやくヴォーカル、ドラムがセンターに落ち付き、左寄りベースと右寄りのギターが支える迫力を増したサウンドに。左から右に移ったタンバリンも聴きもの。
★★
6
ノルウェーの森
(ノーウェジアン・ウッド)
2023
ジョージの弾くシタールがより煌びやかな音に、ヴォーカルもクリアにセンターに移動。旧版の室内楽的な陰り具合いが取れ、明るいイメージのサウンドへ。この辺りは好みが分かれそう。
7
ひとりぼっちのあいつ
2023
立体感を増したヴォーカル/コーラスが曲のイメージを一気に広げてくれる。センターに居座り安定したドラムとベースに、一層煌びやかになったギターの音が乗るサウンドメイクが鮮やか。
★★
8
ミッシェル
2023
左ハーモニー、右ヴォーカルだったものがセンターに移動し、前後大小のバランスに。左右のアコギはそのままに全体をコンパクトな小品にまとめた印象。ヴォーカルの細かい表情は今回の方がより味わえそう。
9
イン・マイ・ライフ
2023
イントロのギターが左から右へ移動、ヴォーカル・コーラスは左からセンターに移動し存在感を増す。間奏のジョージ・マーティンが弾くピアノもセンターに移動し、全体的に落ち着いた風景に。
10
恋をするなら
(追加曲)
2023
ヴォーカル、コーラス、ベース、ドラムがセンターに移動した安定の布陣。旧版ではジョージのギターがパート的に左右に分かれていたものが右寄りに定着。アクセントになるタンバリンは左寄りで統一。それにしても歌の厚みが凄い。
11
ガール
2023
ヴォーカル、コーラスがセンターに、最初から鳴っているアコギは左から右に移動、逆に後半出てくるオブリガートのアコギは左に。左右泣き別れはこの曲でも解消されている。
12
ペイパーバック・ライター
2022
この曲から赤盤最後までは2022年mixを使用。ドラム、ギターが左、ベースが右に分かれていた演奏がセンターに移動し、音の芯が座った。コーラスも左右に分かれていたものがほぼセンターに集合、ドライヴ感も増した見事なトラック。
★★★
13
エリナー・リグビー
2022
頭の印象的なコーラスは旧版では左右離れた音像が、ほぼセンターに集まり力強くなった。逆に前ミックスではモノラル的にセンター奥に入ってしまった弦楽八重奏が左右に広がり、歌詞の物語性をより強調。
★★★
14
イエロー・サブマリン
2022
オリジナルでは左に演奏、右にリンゴのヴォーカルだったのが、ヴォーカルがセンターに移動しコーラスもその周辺に配置され、“みんなで歌おう” の一体感が増した。反面、艦内の伝声管の返答の声が大きくやや食い気味に入る違和感も。
15
タックスマン
(追加曲)
2022
オリジナルはヴォーカルがセンター、演奏が左、リード・ギターが右と別れていたものが、センターにベースの太く輪郭のくっきりしたサウンドが座り、やや右寄りに切れ味を増したギター・カッティングを配置。この音像がこの曲のキモ。
★★★
16
ゴット・トゥ・ゲット・ユー・
イントゥ・マイ・ライフ
(追加曲)
2022
右チャンネルに押し込まれていた混沌とした団子状のブラス・セクションをステレオ音像に解放。カオス度は薄くなったものの個々の楽器の音が明確になり、シャウトするポールのヴォーカルを際立たせる。
17
アイム・オンリー・スリーピング
(追加曲)
2022
センター左奥から聞こえてきた演奏が広がりを持ち、メイン・ヴォーカルを中心としたコーラスワークが左右に広がって、ステレオ感が全体を包み込み眠気を誘う。
18
ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア
(追加曲)
2022
左右に分かれていたポールのダブル・ヴォーカルがそれぞれセンター寄りになり、一体感を増した。コーラスも混じり合うことで味わいを増す音像に。
19
トゥモロー・ネバー・ノウズ
(追加曲)
2022
ジョンのヴォーカルや塊になったリンゴのドラムを中心とした演奏は2009mixの方がカオス。この2022mixではヴォーカルやバックの音色の煌びやかさ、音像、飛び交うS.E.や逆回転ギター等の総力戦で混沌の地平を広げている。

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