The Beatles × Shinko Music NOW AND THEN

【ミュージック・ライフ写真館〜ML Imagesライブラリー】

特設ページ開設記念、ML写真館「ザ・ビートルズとプレス」

【ミュージック・ライフ写真館/ML Imagesライブラリー 撮影:長谷部 宏 pix : Koh Hasebe / ML images / Shinko Music】

「The Beatles × Shinko Music NOW AND THEN」と題しての「ナウ・アンド・ゼン」の大ヒット記念・特設ページはいかがでしょうか。弊社の刊行物も案外幅広く、ご存じないものもあったのでは? オリジナル・コンテンツとしての『赤盤』『青盤』の徹底検証は大変でしたが、聴き比べてみると細かい部分まで「聞こえ方の手直し」が行なわれていることに気づきます。

そして今回のオリジナル・コンテンツ第2弾! お待たせしました、「ミュージック・ライフ写真館」ザ・ビートルズ編をお送りします。「ML写真館」はみなさんに大好評のコーナーですが、実はビートルズを取り上げるのは初めて。といいますのが……。

彼らの写真については、国内で複数回取材しているメディアはおそらく弊社を置いて他になく、保有している写真の量は世界的に見てもかなり上位に位置すると自負しております。しかしこの60年間、どのフォト・セッションからもあらゆる出版物に使用されてきているので、ビートルズ・ファンで弊社の刊行物をお持ちの方なら一連の写真のどれかはご覧になったことがあるはず。そんなんじゃ目新しさに欠けるしな……とこれまで取り上げないで来たのですが。──と思っていたら! 実はまだほとんど初出と思われるものがありました。1965年のとある共同記者会見〜一斉個別取材を捉えたもの。今回はそのお蔵出しに合わせ、ツアーでのステージとオフの合間の4人の大事な仕事を捉えた、「ザ・ビートルズとプレス」というテーマでお送りいたします。

なお、非常に貴重な写真であるが故、悪質な無断使用が見受けられます。そのため少々お見苦しいですが、「ML images」の透かしロゴを入れさせていただいております点、なにとぞご容赦ください。
今回の目玉となるのは、1966年の来日公演からさかのぼること10ヵ月前。1965年ニューヨークでの記者会見〜一斉個別取材を捉えた一連の写真です。共同記者会見では記者やカメラマンが4人に群がる様子や、個別取材ではマイクを向けられ質問に答えるメンバーを至近距離で捉えたものばかり! にもかかわらず、ブレやピントの甘さなどの問題もあって誌面での使用をほとんど避けられてきたようで、お陰でどうやらこれまであまり世にでることがなかったものです。しかしこれ、逆に言うと現場の混乱ぶりや慌ただしさをも写し込んで、その場の空気感をリアルに伝えるものともいえ、非常に貴重なものとなっています。

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時は1965年8月、場所はニューヨークのワーウィック・ホテル。最初の1枚、記者会見場で撮影のためにテーブルの片側に集まる4人の姿は、二度目のアメリカ上陸となったその日の13日に行なわれた記者会見での様子。ブレ具合からその混乱状態が容易に想像できますが、その時のリポートは『ミュージック・ライフ』1965年10月号に掲載されており、それによると原稿を執筆した弊社の故・ジョー宮崎は実際に会見場からはじき出されてしまったとのこと。

しかし宮崎はせっかくのチャンスを逃すまいとパブリシストのトニー・バーロウに食いついて我慢強く交渉、インタヴュー取材の機会を勝ち取ります。翌々日の15日にホテルの一室に来るよう指定され、足を運んでみるとおそらく米国中のラジオ局など厳選された大手メディアからDJ(記者?)が8組集められており、『ミュージック・ライフ』も「一斉個別取材」のひと枠に入れてもらえたようで、ここでようやくインタヴュー取材が実現。同年8月号の和服姿の星加ルミ子編集長がメンバーと共に表紙を飾ったEMIスタジオ訪問(ちなみにジョー宮崎もその取材に通訳として同行)以来の取材が実現し、彼らの言葉が再び誌面を飾ることになったのです。
2枚目以降はその際の一連の写真で、広いホテルのスイートに4人はめいめいに陣取って、それぞれのインタヴュー取材を行なっている様子が伺えます。その2枚目は自分たちが表紙を飾った『ミュージック・ライフ』8月号を興味深そうに眺めるリンゴ(見ているのはジョニー・アリディとシルヴィー・ヴァルタン夫妻の自宅を紹介する記事)。お次はこれは素晴らしいカット! 若き日のとても可愛らしいジョージ。薄手のセーターがどこか今風(手前はどこかのインタヴュアー。取材中くらいタバコ我慢しやがれ!)。そして次はちょっとぶれていますが、他社の取材に答えるポール。ちなみにこの時彼は普通の椅子に半身で腰掛けてマイクに向かっているのに対し、ヒゲのインタヴュアーの方は豪華なソファにどっかり腰を下ろしています。1枚前のジョージもそうでしたが、取材する側の方が偉そうなのはなんででしょうか!?

そして2段目左から、再びリンゴ。非常に真剣な眼差しでインタヴューに答えています。さらにジョージをまた少し離れた場所から。次の一枚は本ページトップにも使用しているMLの取材に答えるジョン(左がジョー宮崎)。気のせいかこの時の彼、軽くふっくらしていますね。そして最後は再びポールの姿で、立ったままで取材に対応しています。

各社からリクエストは猛烈に殺到していたでしょうから、そこに米国のメディアでもないMLが選ばれたのは超ラッキー。これも2ヵ月ほど前の星加編集長による英国訪問取材があってこそのものだったことでしょう。ビートルズ・サイドにしたら、もしやこの頃もう日本公演を見据えていたのでしょうか。
そしてその日本公演が実現。1966年6月、日本滞在時おなじみの4枚。先の2枚は東京ヒルトンホテル・真珠の間での記者会見。米国のそれと比べると実に落ち着いたものです。そして我らがルミちゃんら編集部一行がホテルの部屋に乗り込んでの『ミュージック・ライフ』単独取材。左は星加さんがジョンにシェーのポーズをレクチャーする場面、そして実はポールにもレクチャーしたりしていたのです。

公演を終え日本を発った一行はフィリピンへ立ち寄り2公演をこなしたのち、今度は太平洋を横断して一路3度目のUSツアーへ。LAで入国して公演のためにまず降り立ったのはシカゴでした。ML取材班はもちろんこれにも同行しています。

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8月12日(金)シカゴ、コンサート会場はインターナショナル・アンフィ・シアター。昼・夜の2公演が行なわれ、記者会見は会場内で公演の合間に開かれました。形式としては前年のNYと同じで、一室に集められたメディアが個別のメンバーそれぞれにインタヴューしていくというスタイルです。3枚目、ジョージと話しているのが和服姿の星加さん。

この取材旅行、星加さんはじめ編集部はビートルズだけを追っていたわけではなく、シカゴではチェス・レコード訪問や『プレイボーイ』編集部訪問、メンフィスではエルヴィスの自宅グレースランドなども取材し、主にビートルズ以外のものをまとめて「取材旅行記」として掲載。そして次に取材班が4人を捉えたのは19日(金)、そのメンフィスでのことでした。会場はミッドサウス・コロシアムで、この時の記者会見も昼・夜2公演の間に会場内で開かれています。その模様を捉えたのがこちらの3枚。

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さらにその4日後、ニューヨークへ移動。ただし会場は規模が大きく異なるシェイ・スタジアムということで、この日は1公演のみ。メディアのために開かれた記者会見はホテルにて、会場は本ページ一番最初一連の写真と同じワーウィック・ホテルなのでした。
さすがニューヨーク! おしかけたメディアの数も半端なく、メンフィスと比べてもかなり多いことが見て取れます。全国から集まった日本での数に匹敵してますよね。そしてこの時のステージの写真や、このあとシアトル、ロサンゼルス、サンフランシスコと続く1966年USツアーを捉えた数々のカットの続きをご覧になりたい方は……もろもろの弊社刊行物でどうぞ! 当時のビートルズを取り上げた記事/特集なら、きっと1点や2点は使われているはずです。

しかし──。彼らのライヴ活動はここで停止(一旦)。サンフランシスコのキャンドルスティック・パークを最後に、“ツアー・バンド:ザ・ビートルズ” はここで活動をやめることになります。が、それでも追いかけるのがML編集部。次に彼らと顔を合わせるのは、1967年9月、ロンドンのEMIスタジオ(のちのアビイロード・スタジオ)です。

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スタジオ内で作業する4人をじっと見つめる星加氏。作業していたのは『マジカル・ミステリー・ツアー』収録「フール・オン・ザ・ヒル」で、4枚目ポールの右手にあるのが同曲内でとても印象的なリコーダーということでしょう。一連の写真は相当数残されており、星加氏が遠くから/近くからその作業をじっと観察している様子が捉えられています。その合間に言葉を交わして取材。4人も嫌な顔をすることなるそれに応じ、プレゼントした法被を身につけ1967年11月号の表紙も飾っています。

次の4枚のカットは1968年5月、フランスはカンヌで開かれた(その後5月革命の勃発を受け、この年は中止に)カンヌ国際映画祭を訪れたジョージとリンゴ。ジェーン・バーキン(左)が主演、ジョージがサントラを製作した映画『ワンダーウォール』が出品されたことで招待されてのもの。プレス向けの演出としてボートで到着、二人を先頭に桟橋を練り歩いてくるところを撮影。まあ何しろジェーン・バーキンが桁違いに可憐です。

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そして最後は1968年、アップル・コーポレーションのクリスマス・パーティに招待された星加さん。リンゴはこの時息子さん二人を連れて出席していて、2枚目でリンゴがごはんを食べさせているのが次男のジェイソン・スターキー(当時1歳4ヵ月)。その左隣(1枚もどって黒いタートルのシャツを着用しているのが)長男ザックのようです(3人兄弟の末っ子リー〈長女〉は当時まだ生まれていません)。この時星加さんはリンゴに二人の子守を頼まれたりもしたそうです。3枚目は同パーティでのジョンとヨーコで、ここまでならプレスとしてではなくプライヴェートでの参加じゃないの!?と思われそうですが、実はアップル・オフィス(4枚目)の取材なんかもしています。

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さらに翌年、星加さんは映画『ゲット・バック』で久々に日の目を見たルーフトップ・コンサートの際にもその場に居合わせていました。が、この時ばかりは写真として残されていません……残念! それにしても星加さん、もはや仕事なのかプライヴェートのお友達なのかよくわからなくなってきますが、その取材の成果は逐一誌面に生かされ、我々読み手を楽しませてくれました。これら以外でも長谷部氏やその都度のカメラマンによって記録された写真は、その都度『ミュージック・ライフ』のグラビアに掲載され、今へとつながっているわけです。彼らが公演で立ち寄り会見した地でも同様に、まだ世に出ていない写真や音声の記録などが残されているのかもしれませんね。というわけで今回はここまで!

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「ミュージック・ライフ写真館」では、こうして弊社のライブラリから、当時誌面を賑わせた/未公開のままだった写真を公開しています。クイーン、レッド・ツェッペリンなど、過去の公開分も併せて是非お楽しみください!

過去の「ミュージック・ライフ写真館」はこちら。
1960〜90年代にかけて、雑誌『ミュージック・ライフ』は、フォトグラファー長谷部 宏氏を中心にした撮影陣で、数多くの海外アーティストの写真を撮り続けて来ました。60年代にはビートルズ、70年代にはクイーン、KISS、チープ・トリック、ジャパン、80年代にはボン・ジョヴィやデュラン・デュラン……などなど、撮りためたポジ・フィルムやプリントは、数十万枚にも及ぶ量になります。しかもその貴重さは世界的レベルのため、海外からのリクエストも絶え間なく寄せられています。

現在我々は、そのコレクションを「ML Images」と名付け、膨大な量の写真を地道に整理整頓しつつ、貸し出すサービスを行なっており、ライブラリへアップロード済みの画像は目下約3万点で、現在も増え続けております。ご利用をご希望のメディア/展示スペースの方は、弊社までご連絡いただければ、具体的なご希望がない場合でもスタッフがお応えいたします。お気軽にご相談ください。メールはこちらから。

※個人の方へのご提供は行なっておりません。

The Beatles × Shinko Music NOW AND THEN

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3LPs(2023/11/10)¥13,200
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『ザ・ビートルズ 1962年~1966年』『ザ・ビートルズ 1967年~1970年』 2023エディション


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