伝説的セッション・ベーシスト、ハービー・フラワーズが86歳で死去

Herbie Flowers『A Little Potty』(EMI:1980)

デヴィッド・ボウイやエルトン・ジョン、ルー・リード、ハリー・ニルソン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターをはじめ、数多くのスターたちの何百ものセッションに参加した英・ベーシスト/ミュージシャンのハービー・フラワーズ(Herbie Flowers)が9月5日、86歳で死去しました。

近親者が訃報を伝えていますが、死因は発表されていません。
1938年にイギリスのミドルセックス州アイルワースで生まれたフラワーズは、1956年にイギリス空軍でチューバを演奏して音楽キャリアをスタートさせ、その後ベースに転向しました。

数多くのセッションに参加したほか、ブルー・ミンクやT・レックス、スカイのメンバーとしても活動し、イギリス人俳優/アーティストのクライヴ・ダン1970年のヒット曲「Grandad」も共作していました。

フラワーズのベースラインで最も良く知られているのは、ルー・リード1972年のヒット曲「Walk on the Wild Side」(邦題「ワイルド・サイドを歩け」)や、デヴィッド・エセックス1973年の「Rock On」、ニルソン1971年の「Jump into the Fire」などですが、デヴィッド・ボウイのアルバム『Space Oddity』と『Diamond Dogs』、ポール・マッカートニーの『Give My Regards to Broad Street』(邦題『ヤァ!ブロード・ストリート』)、リンゴ・スターの『Stop and Smell the Roses』(邦題『バラの香りを』)、ジョージ・ハリスンの『Somewhere in England』(邦題『想いは果てなく〜母なるイングランド』)、『Gone Troppo』『Brainwashed』、エルトン・ジョンの『Madman Across the Water』『Tumbleweed Connection』(邦題『エルトン・ジョン3』)、『A Single Man』にもクレジットされており、そのほかアル・クーパー、オリヴィア・ニュートン=ジョン、ブライアン・フェリー、キャット・スティーヴンス、ロイ・ハーパーらのレコーディングにも参加し、70年代には500枚以上のヒット・アルバムで演奏していました。
フラワーズの訃報を受け、ボウイの遺産管理団体は次のように追悼しています。

「ボウイや仲間たちとの長年にわたる彼の仕事はあまりにも多く、ここに書き出すことができません。彼は素晴らしい音楽的才能に加え、美しい魂の持ち主で、とても面白い人でした。彼の死は本当に惜しまれます。彼のご家族と友人の皆様に心からお悔やみを申し上げます」

また、ボウイのシングル「Space Oddity」にフラワーズと参加したリック・ウェイクマンは、SNSで次のように綴っています。

「偉大なハービー・フラワーズの訃報を聞き、本当にショックです。ざっと推測しても、私たちは少なくとも50枚のレコードで一緒に演奏し、スカイ(バンド)とはオーストラリア・ツアーも行いました。彼は素晴らしいベーシスト/ミュージシャンであるだけでなく、真の紳士で、とても面白い人でした」

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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