スティング、ジャパン・ツアー初日:神戸公演のレポートが到着

さる9月12日(金)、いよいよ開始されたスティング2年ぶりのジャパン・ツアー。その初日である神戸GLION ARENA KOBE公演のライヴ・レポートと写真が届きました。
STING 3.0 JAPAN TOUR 2025
9/12(金)神戸GLION ARENA KOBE公演レポート

THE POLICE(以下、ポリス)で世界的な成功を収め、1985年のソロ・デビューから40周年を迎えるスティング。2年ぶりとなる来日公演「STING 3.0 JAPAN TOUR 2025」が、4月にオープンした神戸の新しいアリーナ、GLION ARENA KOBEからスタートした。今回のツアーはポリス以来となるトリオ編成の新グループでの来日となり、メンバーは長年に渡ってスティングをサポートしてきたギタリストのドミニク・ミラーと、ドラマーのクリス・マース。

開演前からアリーナ全体に期待感が充満するなか、大歓声に迎えられてライヴは「孤独のメッセージ」から幕開けた。ベースを抱えて悠然と上手から登場したスティングは “1、2、3” と力強くカウントして歌い出す。曲中で「KOBE!」と声をかけると観客の熱気は一気に上昇し、アリーナの隅々までパワフルなロングトーンを響き渡らせる。2曲目には早くもソロの最新曲となる「アイ・ロート・ユア・ネーム(アポン・マイ・ハート)」が披露される。ボ・ディドリーを思わせるロックンロール回帰的なナンバーで、雄々しきスティングの歌唱と共にダイナミズムあるグルーヴを生み出していた。

「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」では冒頭から観客に向けてコール&レスポンスやクラップを促し、“Be yourself no matter what they say”(=自分らしくあれ)というメッセージをリフレインで強く印象付ける。

スティングはスタンド・マイクは置かず、ヘッドセット・タイプのマイクを使用しており、アリーナ全体を見渡すようにステージ上を移動する。Tシャツと黒のスリムパンツというシンプルな装いだが、古希を超えても贅肉のない鍛えられた身体で、そのたたずまいのなんと格好いいことか。歌い終わるとおだやかな笑みを浮かべて、「お~きに」と関西風の挨拶をする場面も見られた。時々両手を大きく広げ、自らクラップしたり、スキャットで掛け合ったりしてオーディエンスとの距離を縮めていく。

中盤にはクリーントーンのギターが引きたつ「フィールズ・オブ・ゴールド」の美メロと芳醇さにあらためて酔いしれる。スリリングな展開で大きな歓声が上がっていた「ネヴァー・カミング・ホーム」。一方で、「マッド・アバウト・ユー」「アラウンド・ユア・フィンガー」といったミディアムからスローテンポの曲ではゆったりと浸らせる。

その後、ライブは終盤に向かって再び熱を帯びた楽曲が繰り出されていく。スティング流のプロテストソング「世界は悲しすぎる」はイントロから畳み掛けるようなギターが速弾きで奏でられ、ドラムのビートが加速。“driven to tears” のリフレインが熱く胸に刺さり、ここでも大喝采となる。「キャント・スタンド・ルージング・ユー」ではオーディエンスのクラップが高まり、コール&レスポンスで熱気を高めたかと思うと、イントロから歓声が上がる抒情的な「シェイプ・オブ・マイ・ハート」へとつなげたシームレスな流れはまさに白眉であった。そして、本編ラスト2曲は「キング・オブ・ペイン」と「見つめていたい」でしっとりかつエモーショナルに締めくくられた。

鳴り止まないい拍手に応えて、アンコールでは「ロクサーヌ」を赤いライトの下で熱く煽るように歌い、会場全体のボルテージは再び最高潮に。ラストは非暴力へのメッセージが込められた名曲「フラジャイル」。スティングが繊細に爪弾くガットギターの音色が心に沁みこみ、思慮深い余韻を残して幕を閉じた。

今回のステージはステージ・セットや演出面も洗練されたミニマリズムの美学が貫かれていた。その上でエネルギッシュかつ緻密に、アドリブ的な要素も織り交ぜて魅了した新生トリオでのパフォーマンス。これまで数多くスティングのライブを体験してきたファンやリスナーにとってもきっと新鮮な聴き心地を覚えるのではないだろうか。この後も、東京、名古屋、福岡で開催されるジャパン・ツアーで伝説を刻み続けるスティングの至高のステージをぜひとも体験してほしい。

読み込み中.....

文:エイミー野中  Photo by ハヤシマコ

─────────────

【来日公演情報】

STING 3.0 TOUR

(日時・会場)
2025/9/17(水)名古屋・IGアリーナ 開場17:30/開演19:00
2025/9/19(金)広島・広島サンプラザホール 開場18:00/開演19:00
2025/9/21(日)福岡・マリンメッセ福岡B館 開場16:00/開演17:00

公演ホームページ

【来日公演予習プレイリスト公開中】

来日公演にあわせて世界で日本のみ発売となる2022年のライブ映像(約95分)を収録したCD+ブルーレイの『3.0 ライヴ(ジャパン・ツアー・エディション)』が9月10日(水)に発売されており、この商品を含む対象作品を購入することでスティングに直筆サインが当たる会場即売特典の情報も公開となっている。

 

対象商品など詳細はこちら

【商品情報】

スティング『3.0 ライヴ(ジャパン・ツアー・エディション)』2025年9月10日発売
Sting/3.0 Live(Japan Tour Edition)

CD + Blu-ray:UICY-16328/6,600円(税込)
日本独自企画盤/7インチ紙ジャケット仕様/SHM-CD仕様/解説・歌詞・対訳付/日本盤ボーナス・トラック2曲収録(*)

試聴・購入はこちら
商品詳細
スティング
『3.0 ライヴ(ジャパン・ツアー・エディション)』


Amazon(2025/9/10)¥6,600(SHM-CD/Blu-rayt付)【Amazon.co.jp限定】特典:メガジャケ付
Amazon(2025/9/10)¥6,600(SHM-CD/Blu-rayt付)
[CD]
1. Message in a Bottle/孤独のメッセージ
2. Englishman in New York/イングリッシュマン・イン・ニューヨーク
3. Fields of Gold/フィールズ・オブ・ゴールド
4. Seven Days/セヴン・デイズ
5. All This Time/オール・ディス・タイム
6. Driven to Tears/世界は悲しすぎる
7. Synchronicity II/シンクロニシティーII
8. Every Breath You Take/見つめていたい
9. Roxanne/Be Still My Beating Heart/ロクサーヌ/ビー・スティル・マイ・ビーティング・ハート
10.I Wrote Your Name(Upon My Heart)/アイ・ロート・ユア・ネーム(アポン・マイ・ハート) *
11. Fragile/フラジャイル *
[Blu-ray]ライヴ・イン・シャンボール
Message in a Bottle/孤独のメッセージ
Englishman in New York/イングリッシュマン・イン・ニューヨーク
Every Little Thing She Does Is Magic/マジック
If You Love Somebody Set Them Free/セット・ゼム・フリー
If It's Love/イフ・イッツ・ラヴ
For Her Love/フォー・ハー・ラヴ
Rushing Water/ラッシング・ウォーター
Seven Days/セヴン・デイズ
Fields of Gold/フィールズ・オブ・ゴールド
Brand New Day/ブラン・ニュー・デイ
Shape of My Heart/シェイプ・オブ・マイ・ハート
Wrapped Around Your Finger/アラウンド・ユア・フィンガー
Walking on the Moon/ウォーキング・オン・ザ・ムーン
So Lonely/ソー・ロンリー
Desert Rose/デザート・ローズ
King of Pain/キング・オブ・ペイン
Every Breath You Take/見つめていたい
Roxanne/ロクサーヌ
Fragile/フラジャイル

─────────────

商品情報
スティング
『マイ・ソングス』


Amazon(2023/3/8)¥6,600・2LP(完全生産限定盤/2枚組)

 
商品情報
スティング
『マイ・ソングス - スペシャル・エディション』


Amazon Music(MAY 24 2019)(Deluxe)
Amazon(2019/10/4)¥3,520・2CD

 
この記事についてのコメントコメントを投稿

この記事へのコメントはまだありません

ディスク・コレクション サウンドトラック

ディスク・コレクション サウンドトラック

2,420円
(洋書)ピアノ・ソロ スティング

(洋書)ピアノ・ソロ スティング

2,530円
バンド・スコア ポリス・ベスト[ワイド版]

バンド・スコア ポリス・ベスト[ワイド版]

3,520円
ROCK THE BEST 長谷部宏写真集

ROCK THE BEST 長谷部宏写真集

3,850円

RELATED POSTS

関連記事

LATEST POSTS

最新記事

ページトップ